2009/4/14

『告白』  

『告白』湊かなえ 双葉社
これほど書店員の支持を集めた作品は珍しいのではないかな?
発売の1ヶ月前から、これタダでもらってええのんかと躊躇するような
立派なリーフレットが販促用に積まれていた。
文面によると、書店員から単行本化を望む声が多く挙がり実現の運びとなったとか。
で、この度めでたく本屋大賞受賞となりました。ぱちぱちぱち。
私はと言えばそのリーフレットを見、こりゃー読まなと決意。
発売直後に図書館に予約を入れ、順番待ちに半年。
読み出してから読み終わるまでは3時間。どこぞのテーマパーク並みである。

中学1年生を担任する森口悠子。
辞職を前にした終了式の日、クラス生徒に語り始める。
「私の娘を殺した犯人はこの中にいる。」と。


全5章からなる関係者5名(森口、少年AとB、学級委員の女子、少年Bの姉)の
モノローグで構成。「告白」ですね。
愛娘を喪ったシングルマザーが如何にして復讐を果たすか。
一旦は夫(内縁)に「憎しみを憎しみで返してはいけない」と阻止されるが・・・。

近年国内で起こった、特に神戸市や光市での少年による犯罪が、
これほどまで日本人の心に影響を及ぼすとは。
何故人を殺すのか。何故殺してはいけないのか。
犯罪者に更生の機会を与えるべきか。死刑は容認されるのか。
突きつけられた問題に、社会として正解は出されていない。
人、それぞれの立場で答えは違うだろうから。
良識のある人、常識のある人、そのどちらもない人。
性善説の人、性悪説の人、人間そのものを信用しない人。
私はいつも「最大の償いは苦しみながら生きること」説を主張。
まさに主役の女性教師・森口はそのような状態を作り上げてしまう。
法律上、彼女はどんな罪に問われるんだろう。
母親の恨みは怖い。

逆に少年AもBも異常に母親への想いが強すぎる。
エディプス・コンプレックスなら父親を追い越せばよい。
しかし敵対すべき父の存在がなかったら?
敵対心は社会に向かうのか?父性の不在が原因なのか?
我家は親戚中、女だらけなんで少年の気持ちは理解しがたい。
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タグ: 湊かなえ

2009/4/13

月イチ図書館・落ち着いてきた  

2月・3月はじいちゃん・ばあちゃんの相手でゆっくりと
本を読む時間がなかったが、そそくさとは読んでいた。
UPしたいのもあったのだけど、どさくさに紛れて頭の中から消えてしまった。
先月借りたのは2冊だけ。
当日父の病院に呼び出されたので、選んでいる暇がなかったのだった。

『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』小林朋道 築地書館
著者は鳥取環境大学の動物行動学と人間比較行動学の教授。
畿内の人間には、そんな学校ありましたっけ?の小さな大学。
その上、鳥取県といえば日本でも有数の過疎地帯。
学校の周り一帯はどっぷりと自然に囲まれているらしい。
そこで教授と野生動物、動物好きの学生さんたちが珍事件に遭遇する。
おそらく日本の経済活動には何ら影響を及ぼさないであろう研究に没頭する彼ら。
タヌキに発信機を付けGPSで移動ルートを確認しようとしたら、
アクセスのし過ぎで高額な請求書が送られてきた、なーんて。
微笑ましい、と言って失礼なら、羨ましい。学問はこうでなくっちゃ。

『ひかりの剣』海堂尊 文藝春秋
『チーム・バチスタ』シリーズの作者が何を思ったか青春小説。
後の「ジェネラル」こと速水と「ジーン・ワルツ」で登場する清川が
まだ学生だった1988年、医学部剣道部の大会で相対する。
剣道に興味のない私にはウーン・・・。
今の医学生もこれぐらいのびのびできればいいのだけれど。
今回はいつもと違って病院・医療現場の話は出てこない。
ただ政府方針による医学部定員削減を次年度に控え、
「修羅場で本当に力を発揮できるのは入試の時に下位20%だった連中」と説く。
この辺、作者の奥ゆかしい自己主張か?

さて、あしたは移動図書館の日。春休みのため1週間ずれた。
予約してあった本がわさわさ届いてるので楽しみ〜。うふふ。
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2009/1/7

月イチ図書館・のんびりできない  

お正月はコタツに入ってのんびり読書、の予定だった。
が、年末にDVDを大量に借りてしまい、買ったばかりのプレイヤーと
悪戦苦闘しているうち、いつものように返却日間際に慌てて消化することに。

『死亡推定時刻』朔立木 光文社
埼玉で富豪の娘が誘拐され身代金の受け渡しに失敗、絞殺体となって発見。
若い男が容疑者として逮捕されるが・・・。

作者は現役弁護士らしい。警察の取調べ、裁判所の中身など真実味に迫る。
裁判員に選ばれてこんな事件を担当させられたら、かなんなあ。
まさか警察・検察側が事実を隠蔽するとは思わないもの。
供述書なるものは「被疑者は○○と言った」ではなく、
「被疑者は○○と言った、と検察は主張している」と読まなくてはならないのね。
これなら実生活にも役立ちそうだ。生きている人間は無意識に嘘をつく。
「真実はすべてご遺体が知っている」とある検視医も言ってたっけ。
多くの人に歓迎されていない様子の裁判員制度だけれど、
あれは誇り高い裁判所から出された判りにくいSOSかも知れない。
今、何とかしなければならない状況に陥っているのかも知れない。


『ユージニア』恩田陸 角川文庫 
30年前、医師の邸宅で開かれた祝いの席で、大量殺人が行われた。
その10年後、関係者のインタビューを基にした論文が出版される。
作品は20年前のインタビュー時を再調査する形で進んで行く。

ストーリーも謎も二重三重に取り巻いた堀のよう。
それぞれの人物が語る口語体をゲームのように攻略していく。
文庫版を借りたのは失敗だった。ハードカバー版はかなり凝った印刷なんだとか。
フォントを使い分けたり、斜め向いてたり、行数が違ったり。
リビングに掛けた今年のカレンダー(新聞屋さんからもらった)は
何の変哲もない無粋な書体でフォントフェチの気がある私は、がーっかりなんだ。
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2008/11/29

月イチ図書館・なせばなる  

3週間でハードカバー6冊。
家事をしつつ、映画も観て、DVDも借りて、TVでニュースもワイドショーもスケートも見て、
お姑様の相手もして、子供の尻を叩きながら。
なせばなる。やればできる。無理が通れば道理が引っ込む。

『決壊(上・下)』平野啓一郎 新潮社
連載されていたのは2006年11月〜2008年4月だが、話の舞台は2002年。
その間の社会問題がぎゅぎゅっと濃縮され詰め込まれた。
何故人間は人間を殺してはいけないのか?被害者の人権保護は?罪の償いとは?
犯罪者を異端視する必要性から次々に作られる精神病名。
主流から一人が離脱することによって堤が破れるように犯罪が広がって行く様子。
今年6月に起きた秋葉原殺傷事件と酷似していると指摘されていたが。
現在の報道では、あまりにも実際の犯人の動機がしょぼ過ぎる。
主人公を誤認逮捕する京都府警の思い込み捜査の表現に、こんなことある訳ないと思ったが、
舞鶴の事件の捜査方針を聞き及ぶと不安になってくる。冤罪やったらどうすんねん。
本題とは外れたエピソードが延々続のには辟易するが、
作者本人はそちらの方が大切なんやろうなあ。

『新世界より(上・下)』貴志祐介 講談社
こちらは逆に「人は人を殺すものだ」が大前提のRPG風。プラス衝撃の結末。
1000年後の超能力者が生活する日本で、殺人や戦争を回避するために
心が管理されるようになっっていった。
一見穏やかな社会で、生まれてしまった歪はどう処理されるのか。
「さっきまで美しいと思っていた花を見て、その毒々しさ、おぞましさに身震いした。」
生物としてのヒトは、強力な殺傷能力を持たないが故に
攻撃を抑制するシステムが備わっていないと説明する。
ヒトがボノボ型に進化してもチンパンジー型に進化しても、
大して明るい未来は望めそうにないな。
人間よりもPanasonicやTOSHIBAの自走式アーカイブス・ロボットが自律進化して
1000年後も立派に働いており、日本の家電メーカーの技術に感謝・感激。
いや、これからがんばって創ってね。

『図書館革命』有川浩 メディアワークス
『図書館シリーズ』の完結編。
作品の内容がテロに利用されたためメディア良化委員会に目を付けられた作家を図書隊が匿う。
私は「片手落ち」とか「盲判」てな言葉はできることなら使いたくないし、
他の表現に置き換えられるならそれに越したことはないと思う。
こう言う考えは既に言葉狩りに毒されているんだろうか。
辞書が言葉の持つ意味すべてを記載しているとは限らないんだが。
逃走劇の最後に阪神百貨店のおばちゃん店員に助けを求める彼らは偉い!

『ホルモー六景』万城目学 角川書店
『鴨川ホルモー』の壮絶な?戦いの裏に隠された人間模様。
あのコとあのコの馴れ初めとか。試合の勝敗を決した裏事情とか。
第三景『もっちゃん』で時代を錯覚させることができるのは京都ならでは。
二条寺町の角には今も果物屋さんがあり、三条通りを真っ直ぐ西に進むと(場所は違うが)
文房具も扱う書店があるから。頭の中で一挙に時計が動き出す感覚にじんわり。
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2008/11/12

月イチ図書館・必然でしょう  

予約していた本が到着する時期は、私の意志とは無関係であるはずなのに、
無関係な本の間に何故かいつも共通点がある。

『ジーン・ワルツ』 海堂尊 新潮社
先日フライングしてこの本だけ先に書いてしまったが、まだ書き足りない。
お腹の中の子供に障がいがあっても覚悟を持って産もうとする少女。
逃げてしまう男。
無脳症のため、生まれてすぐに死んでしまうと判っていても、
「10ヶ月生きてきた証にこの世の光を見せてあげたい」と堕胎を拒む母親。
何があっても妻を支えると約束する夫。

悪質な轢き逃げ犯が逮捕され、彼が今までに犯した罪の数々が報道されるのを聞くと
私は素直に「この男、どんな生い立ちでこんな風に育ってしまったんやろう」と疑問に思う。
その横で娘が言う。「何かあって悪なったんちゃうねん。生まれた時からクズやねん。」
母親のお腹からクズは出てけえへんぞ。
子供は生まれて来るだけで親への恩をすべて返すと言う。
私が公衆便所に行ってる間に、その隣であんたが殺されてても犯人は私ではないぞ。

『金色のゆりかご』 佐川光晴 光文社
進学校に通う18歳の高校生が、妊娠を無理に隠したため突然倒れてしまい、
偶然それを助けた休業中の研修医と知り合う。
堕胎可能期間を過ぎていたため彼女はこっそり出産し、子供を里子に出すことになる。
しかし里子を斡旋する団体の中には違法な取引をする者も。
少女はすべてをさらけ出し、我が子を取り戻そうとする。
日本の養子制度の不備、血縁の重視、シングルマザーへの偏見が子供の輸出を招く。
そして、ちんたら万能細胞の開発をしているより、胎児の細胞を使う方が手っ取り早いとも。
日本は人身売買大国であると言う現実に嘆息。

『楽園(上)』 宮部みゆき 文藝春秋
『模倣犯』の連続誘拐殺人事件から9年後。
フリーライターの滋子は12歳で事故死した少年の調査を依頼される。
少年の母親は彼に幻視の力があったのではと語る。
彼の書いた絵には、彼が知らないはずの9年前の事件が描かれていた。
滋子は9年前の事件との決着を付けるためにも、少年のことを調べる決意をする。
・・・ところで上巻が終わり。これを予約したのは半年前だった。
下巻が来るのはいつのことやら。話の内容、忘れてしまうんやないやろか。
『模倣犯』も読んだはずなのに、ほとんど忘れてるもんなぁ。
日本って次から次へといろんな事件が起こるよねえ。

『脳を活かす勉強法』 茂木健一郎 PHP
娘の勉強に少しでも役立てばと思ったのだが。如何せん。本人にその気が全くない。
「鶴の恩返し勉強法」とか。絶対無理。
次に苦手な科目の克服方法、
【自分自身をモニタリング→弱点を他の能力で補うという考え方を捨てる
→克服すると大きな快感】
を試してみる。
【何故数学が苦手なのか→考えるのが面倒だから
→何故数学を考えるのが面倒なのか→頭が疲れるから】・・・ここで頓挫。
ゴールは遠い。
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2008/10/24

子供を産むのは命がけ  

『チーム・バチスタの栄光』の作者、海堂尊氏は原稿用紙500枚を
3日で書き上げるそうだ。(医師としての仕事はどうなってるんだ?)
そのため今年の3月に出版された『ジーン・ワルツ』も
現在の周産期医療の問題点を実況中継するような内容になっている。
胎盤癒着の妊婦が死亡したために逮捕される医師。不妊治療、母娘間の代理母出産。
主人公の女性産婦人科医は新しいタイプのクリニックを開設しようとする。
「妊婦の診察をどんな時でも受け入れる」ことを第一の目標として。
もし母体が危険な状態になった場合は責任をもって搬送先を決定する。
そうすれば「医療機関からの紹介患者ではない」ことを理由に
救急病院や大学病院は受け入れを拒否できなくなるから。
―――事実は小説の先を行く。
東京で脳出血を起こした妊婦が7つの病院に搬送を断られた。
掛かりつけの産科医の要請があっても周産期医療センターに拒まれた。

『ジーン・ワルツ』では正常分娩が奇跡の結果であること、
ほんの少しのずれが異常分娩を引き起こすことが語られている。
2年前に奈良で同じように亡くなられた女性も30代だった。
不思議に思ったのは、脳出血はあまり30代の女性は罹らないこと。
60代を中心に50〜70代の男性が多くを占め、高血圧が原因の一つに上げられている。

「妊娠中毒症」、現在は「妊娠高血圧症候群」とよばれる症状がある。
元々の体質や妊娠初期の異常が後々高血圧等の体調不良になって現れるもの。
腎臓の具合が悪くなったり、突然心停止することもあるらしい。
日本人は塩分摂取量が多いので血圧が上がりやすく、周産期の死亡率が高かった。
それを医療水準の高さで何とか低めてきたのだが、そろそろ限界か。
医師は不足し、出産年齢は上がり続ける。
私も妊娠中は子供のために仙人のような生活を送っていた。
2人も3人も無理だ。子供を産んで育てるのは命がけの大仕事なのだ。
能天気なじいさんたちに産めよ増やせよと言われて、はいそうですかとはならんのだ。

あわてて医学部医学科の定員を増やすことにしたらしいが、
実際に現場の臨床医が増えるのは10年後と言われている。
もうこうなったら厚生労働省に大英断をしてもらうしかないわね。
外国の医師免許所持者に出稼ぎに来てもらうのだ。
特に医師輸出大国・キューバ。経済破綻により外貨決済停止中。
借金のカタにタダ働きしてもらおうか。へっへっへっ。
コミュニケーションが必要な診療科目や高度専門医療は任せられなくても
正常分娩なら問題ないんじゃないんかな〜。
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2008/10/9

月イチ図書館・これはトロ?  

貸し出し用カウンターの上に我が家が予約した本が乗っっかており、
間に来月の巡回日を知らせるチラシが挟んであった。
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苗字の横に描かれているネコちゃんはトロ?
図書館員のお姉さん、おじさま、いつもありがとう。
本の読める環境で、本の読める視力で、私は幸せ者です。

『禁断のパンダ』拓未司 宝島社
神戸でフレンチ・スタイルのビストロを営む柴山幸太が妻・綾香の
友人と木下貴史の結婚披露宴に招かれたことから、殺人事件に巻き込まれる。
主人公が料理人だと調理に関する描写が詳しくておいしそうでいけない。
専業主婦がいかに毎日の食事に手を抜いているか、見せ付けられる。
表題の「パンダ」は貴史の祖父・料理評論家の弘道が語った例え話から。
パンダは昔肉食だったのに、神の怒りをかったため竹を食べることになったのだと。
体の黒い部分は獰猛に肉を貪る本能を、白は穏やかに竹を口にする本能を表すのだと。
人間は腹黒さが外に出てこなくてよかったわ〜。

『またの名をグレイス(上・下)』マーガレット・アトウッド 岩波書店
1843年カナダで実際に起きた殺人事件が題材。かなりセンセーショナルだったらしい。
共犯として有罪になり、16歳から約30年間服役したグレイス・マークスについて、
精神科医が再調査を試みる。
当時の精神医学のレベルや刑務所の様子等も詳細に調べられており興味深い。
途中、医師の周囲で交わされた書簡や新聞記事なども引用。
各章に付けられたタイトルはキルトのパターン名(挿絵がその模様)。
北米の女性にとってキルトは幸せな結婚生活の代名詞であろう。
キルト作りに長けたグレイスが、それを得難かったのは皮肉なこと。
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2008/9/1

月イチ図書館・今回はプラス2  

やっと2学期が始まった。公立の学校は2期制で先週からだったので、
ご近所さんには「まだ家にいるの?」と同情されておりました。
毎年夏休み中は娘の宿題の資料捜しのため本館まで出向く。
でないとバカ娘はコピペしたロクでもないレポートを提出してしまうから。
移動図書館が来てくれるぐらいだから、本館は遠いんだよ〜。
しかもゆるーい坂道なんだよ〜。脱水症状起こしそうだよ〜。

『ホーラ ―死都―』篠田節子 文藝春秋
バイオリニストの亜紀と建築家の聡史。
共に40代半ば、W不倫の二人がいわく付きのバイオリンに導かれ地中海の小島に滞在する。
「ホーラ」はその島の廃墟となった遺跡のある土地の名。
そこを訪れてから2人に不思議な出来事が降りかかる。
島は歴史的に幾度か支配者が変わり、宗教も東方正教会、イスラム、カソリックと変化。
しかしホーラは海運の要所であったため、信仰心の無い人々によって高い塀に囲まれ
腐敗に満ちた繁栄を極めた。・・・まるで現在の日本のように。
不倫女は専業主婦の敵だ。苦しめ苦しめ。自責の念に苛まれろ。ひゃっひゃっひゃっ。

『鴨川ホルモー』万城目学 産業編集センター
京都大学に入学した安部君。「京大青龍会」に勧誘される。
新歓コンパで一目惚れした美女・早良さんのため入部を決めるが、
そこは小鬼を操って対戦する競技「ホルモー」サークルだった。
(その小鬼が全く可愛げのない姿をしてるのだ)
他の登場人物も「高村」「菅原」「三好」「紀野」・・・等など。
裏日本史を彩った名前が続々登場(日本史Bのテストには絶対出ない)。
二十歳前後の若気のいたり。恋に友情・飲み会に、おかしな儀式と盛りだくさん。
戦う相手は立命館大学白虎隊、龍谷大学フェニックス、京都産業大学玄武組。
実際の京都を守護する四神社とは立地が異なるけれど、
ネームバリューのある大学を選べばこうなるか。
西の白虎と言えば、方角も創立縁起もあそこの大学だと思うんだが。
娘にくっついて大学のオープンキャンパスに行ってみると、
各大学全国から学生が集まって来ているのがわかる。
みなさまもどうぞおこしやす。どこなと案内いたしますよ。
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2008/8/5

月イチ図書館・音楽と団地  

暑すぎて移動図書館のバスの中に入ってられません。
本が生ものやったら腐ってるとこやったわ。

『佳人の奇遇』島田雅彦 講談社
サントリー・ホールで上演されるオペラに集まる人々。それぞれのドラマ。
女ったらしのマエストロ、ノイローゼのテノール歌手、
ホームレス一歩手前の元会社員、妻を亡くした元新聞記者、等等。
オペラはもちろん音楽には全く縁のない生活をしてる身には、
さぞや華やかな世界なんやろうと想像するばかり。

『白の協奏曲』山田正紀 双葉社
資金難のため詐欺を働く楽団員たちにもちかけられた東京ジャック計画。
怪しげな美女、影の実力者、警察幹部やらが入り乱れ・・・。彼らの目的は?
30年前の作品。IT機器が全く登場しない分、却って時代を感じさせない。
最近でもドラマや映画に似たような話があったかなぁ。
日本の警察組織が進化してないってことなのね。

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 原書房
大学生の「鈴木君」と歯科衛生士「マユちゃん」の微笑ましい恋愛物語、
じゃなかった。表紙に「ミステリー」って書いてあるもの。
前編がA面、後編がB面と名づけられ、各章には懐かしいJポップのタイトルが。
CD育ちにはピンとこないだろうが、昔のカセットテープで録音した曲は
何度も続けて聞いているうちに、どちらがA面でB面なのか分からなくなってくる。
まるでオートリバースでカシャッと回転方向が入れ替わる瞬間のように、
最後の最後の1ページで愕然とさせられる。
おぉっ!こいつは確かにミステリーだ。女って怖いよ。

『みなさん、さようなら』久保寺健彦 幻冬社
小学校の卒業式で起きた事件が原因で団地の敷地内から出られなくなった悟。
元級友たちを守るため団地内を自主的にパトロールする。
団地と言っても1棟に約100戸入る建物が19棟の巨大な空間。
医院も図書館もお店もある。恋も仕事も友情も。
PTSD、トラウマなどと言葉にするのは容易いけれど、
彼が団地から一歩踏み出すのに17年の時間と経験が必要だった。

『聖者は口を閉ざす』リチャード・プライス 文芸春秋
レイ・ミッチェル、白人、男性、43歳。元、高校教師・タクシードライバー・脚本家。
離婚して妻・娘とは別に暮らす彼がニュージャージー州の生まれ故郷に戻ってきた。
そこは黒人とヒスパニックが多数を占める貧困層の住む団地。
高校で創作活動のボランティアを始めたレイが、何者かに殴打され瀕死の重症を負う。
幼馴染の刑事ネリーズが調査を始めるが、レイは犯人について何も語ろうとしない・・・。
格差の解消には教育が大切。でも適切な教育を受けるにはお金がかかると言う矛盾。
レイの行いは正しいことなのか。根本的な解決にはならないのでは。
「大人は子供にどうあるべきか示さなければならない」と語るネリーズの方が説得力がある。
冒頭に「右手で善き行いをするときは左手にさえ知られないようにそっと行いなさい」との
聖書の言葉が引用されている。(昔『左手に告げるなかれ』って小説があったな)

『オール』山田悠介 角川書店
仕事に飽きてアパレル会社を退職した荻原健太郎。
母親にも恋人にも内緒でフリーターで食いつないでいたが、
「難民」直前で「何でも屋」に就職。
犬の散歩、ごみ屋敷の掃除、暴力団の運び屋、年寄りの機嫌取り。
やがて彼は自分の仕事に誇りを持つようになってゆく。
どんな仕事でも(辞めちゃった会社でさえ)その気になれば
働く喜びは得られるはずなんだけど。若者には無理なんかしら。
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2008/7/23

第7巻目のおまけ  

『ハリー・ポッターと死の秘宝』購入。
予約特典は出版社からナイロン製のバッグ。
書店からは不織布のバッグ。前回のよりかなり大きい。
まー、別に使い道ないんだけど。タダでもらえる物は何でも嬉しい。
クリックすると元のサイズで表示します
実は第6巻『謎のプリンス』もまだ読み終わっていない。
どんどんページ数も登場人物も増えてきて、把握しきれない。
今日持ち帰った分の最終章をパラパラ見ると、想像していたラストと全く違う。
ローリングさんはこんな話が書きたかったのか〜。
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