2012/9/17

敬老は修業  映画

母親の好きそうな映画が上映されるので悩んだ。
『いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜』http://chihiro-eiga.jp/
いわさきちひろ?好きだったっけ?誘ったら見に来るかな?耳悪いけど聞こえるかな?
敬老の日だからと言う訳ではないけれど、御機嫌伺い代わりにメールしたら
どうやら大ファンだったらしく二つ返事でやって来た。

四条烏丸・地下鉄駅真上の映画館ロビーで待ち合わせしたのだが…。
30分前「今、仏光寺通り。」
あ、それは行き過ぎだから北に戻って。
「どっちが北かわからへーん。」
その辺歩いてる人に訊きなさい。
15分前「烏丸五条まで来てしもた。」
四条まで戻って!
「どうやって行くの?」
北に向かって歩く!
「どっちが北かわからへーん。」
太陽の出てる方が南だ!

京都の町で迷子になれるなんて、とんでもない特技だ。
30分間私は烏丸通を走り回り、タクシーに乗った母と行き違いになり、
足と靴をボロボロにした結果、1分前にやっとロビーで落ち合うことができた。
私はな、いわさきちひろなんて好きでもなんともないんだぞ。
でも映画誘っといて、自分は隣のスクリーンで別の映画見ますってのは、
普通ではないよね、一般的でないよね、常識ある社会人のすることじゃないよね、
と家族会議の多数決で決定したのであった。
あー、アルゼンチンのサスペンス映画が見たかったなっと。
映画はやっぱり一人で見るもんだなっと。
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2012/7/13

『ファウスト』  映画

ドイツ古典主義の大御所ゲーテが30年かけて完成させた作品。
古典主義ってのは18世紀末〜19世紀初頭にドイツで起こった、
それまでの理性万能の合理主義を反省して人間の感情・情緒・自然美を重視する文学運動。
世界に冠たるドイツ医学を否定するなんてもったいない。第一難しすぎて分からない…。
なので原作を真面目に読んだ娘に訊いてみた。
『ファウスト』ってどんな話?女のために悪魔と取引するんだよね?

・第一部、第二部からなる戯曲。この映画では第一部のみを扱っているようだ。
・一貫したテーマは「向上心」について。
・キリスト教・ギリシア神話・シェークスピアの知識があると理解しやすい。


それだけ分かれば十分だ。映画館にGO!
しかしながらそんな付け焼刃が通用する相手ではなかった。
映像見て原作読んだ代わりにしようなどとさもしい目論見は崩れ去った。
本編が始まる前に「原作を自由なイメージで表現してみたからね」と
監督のメッセージが入るんである(ついでに日本の税関への恨み節も)。

ファウスト教授(ヨハネス・ツァイラー)は人間の体の中に魂が存在しないことを知り、
「悪魔」と噂される高利貸しのミュラー(アントン・アダシンスキー)にその在りかを尋ねに行く。
「人生のすべてを教える」と彼に連れ出された街中で、
一目ぼれしたマルガレーテ(イゾルダ・ディシャウク)の兄を殺してしまい…。


原作では悪魔は本物の悪魔・メフィスト。それがここでは生身の人間になっている。
なんだかヴェニスの商人みたいな設定やなーと思いつつ。
もう一つ原作との決定的な違いは、悪魔と契約したファウストが絶世の男前になってくれない。
なんでやねん!おっさん2人の掛け合い漫才、怒鳴り合いを見ても楽しくないぞ。
ドイツ語って相手を論破するのに適した言語ではあるが。
(おそらく)韻を踏みつつ、相手の揚げ足取りをしたやりとりが続いているので、
日本語字幕を読んでも会話の意味が繋がってないのよ〜。
ドイツ語で韻を踏まれても聞き取られへん…(涙。

聞くのは止めて見ることに徹する。
マルガレーテは幻のように美しい。光の中に融けてしまいそうだ。
ごちゃごちゃした無粋な村の人々。緑深い神秘的な森。
無常を象徴するような河の流れ。迫力のある間欠泉。

刹那への誘惑を拒否し、悪魔との契約さえも反故にし、ファウストは前進する。
対する悪魔は過払い金返還請求を受けて倒産する消費者金融のようだ。
神話の国ギリシアも破綻寸前だしね。
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2012/7/8

『スノーホワイト』  映画

あの有名なグリム童話の『白雪姫』。
ただし元になったペロー童話集の初版では王妃は継母ではなく実母だったそうな。

アメリカ辺りの若い子はまだデートコースに映画を見るんだろうか。
白雪姫が実は強くてしっかり者なんて、ティーンエイジャーの女の子が喜びそうな設定。
しかしながらおばさんは暗い過去を持つ熟女に肩入れする。
親を殺され、男に裏切られ。美貌だけを武器に世の中に復讐してきた王妃にとって、
容貌の衰えは決して容認できるものではない。
目の下に小じわを発見して動揺するなんてとっても人間味があっていいではないか。
その後、少女の精気を吸い取って若返るんだけどね。

だいたいどう見てもスノーホワイトのクリステン・スチュワートより
女王ラヴェンナ役、シャーリーズ・セロンの方が美人だ。
鏡のヤツ、いったいどこに目を付けてんだ。
CGで年取ったり若返ったり、姿を変えたりと大忙しの女王様に対し、
スノーホワイトったら吸血鬼や狼男では飽き足らず(映画が違う!)、
公爵の息子(サム・クラフリン)に追手の狩人(クリス・ヘムワーズ)、
森の7人の小人までたぶらかし、剰えジャンヌ・ダルクごっこを始めるんである。

お決まりのセリフ、「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだーれ?」は
英語で"MIrror,mirror on the wall. Who is the fairest of them all?"
そう。女王はfairであることを望んでいるのだ。
確かに「美しい」と言う意味でもあるけれど、
為政者として「公明・公正」であることは至極立派なことだ。
何もそれが悪者であるかのような受け取り方は言いがかりってもんよ。

今どきの日本の若いコはどうせ劇場で映画なんか見ないんだから、
日本公開向けは女王をメインに、海外用はコムスメを主役にと
2パターン作っといてくれないだろうか。
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2012/7/2

6月に見た映画  映画

復活しました。休んでいる間に模様替えもしてみました。
以前作ったテンプレが無効になってて悲しい。もう一回がんばって作り直すぞぉ。

『裏切りのサーカス』
まだソ連が元気だった時代。
英国諜報部・通称「サーカス」に二重スパイの存在が疑われ、
失策によりさせられたジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)は
監視役のオリバー・レイコンと共に捜査を始める。黒幕「カーラ」とは?

容疑者は5人。みんながプロのスパイでそれが騙し合うんだから
ややこしいったらない。しかも手口は惨忍。
一番悪いヤツは最初っから「こいつ絶対怪しい」匂いをプンプンと振り撒き、
途中「やっぱり違うのかも?」と混乱しながら、最期のシーンで
「あーやっぱり」と納得させてくれました。

『ジェーン・エア』
不幸な少女時代を過ごしたジェーン(ミア・ワシコウスカ)は
あるお屋敷に家庭教師として雇われる。
やっと幸せを掴んだように思われたが、その家には秘密が隠されていた。

あまりにも有名なシャーロット・ブロンテの原作。読んだことないけど。
女性が自由に生きることができなかった時代。
貧乏な良家の娘は金持ち男と結婚するか家庭教師になるしかなかった。
それでも自由を夢見る主人公。せめて精神だけでも。
当時の凝った衣装や髪形、風俗と裏寂しいイギリスの荒野の風景が印象的。
こんなところに住んでたら、そりゃ心を病んでしまうわな。

『キリングフィールズ・失踪地帯』
米・テキサス州。
地元の人も足を踏み入れない湿地帯「キリングフィールド」で少女の誘拐・殺人事件が多発。
遺体の一部を切り取り、被害者の携帯電話で警察に連絡を入れる変質的手口。
三人の刑事が疑わしい二人組を追うが、管轄の違いや個人的事情があり、スムーズに進まない。

実際にあった事件が元。犯罪者たちも荒っぽいが警察官も荒っぽい。
ついでに結末まで荒っぽい。似たような犯罪者が次から次へと現れるご時世。
事件に巻き込まれる女の子にクロエ・グレース・モレッツ。
刑事役にサム・ワーシントンとジェフリー・ディーン・モーガン。

『私が生きる肌』
スペイン・トレド郊外の屋敷に、肌色の薄い生地でできたボディスーツを
身にまとった美女が監禁されている。
その屋敷の主人と家政婦、突然現れたトラの衣装を身に着けた男の意外なつながり。

このトラ男が登場人物のなかで一番マトモかもしれない(犯罪者だけど)。
と言うぐらいおかしな人間関係。屋敷の主人は天才外科医で、亡くした妻と娘の復讐のため、
道を誤ってしまったのよ。憎さ余って可愛さ100倍って変やんかー。
美女役のエレナ・アヤナが本当に美しい。『シャッター・ラビリンス』に出てた人だな。

『愛と誠』
往年の人気漫画を元ネタにミュージカル映画をパロってみました。
とでも思わなければとても見てられない。1970年代のヒット曲満載。
愛・武井咲の「とんちんかん」ぶりはともかく、
岩清水君や高原由紀さんまでゲテモノに仕立てなくても…。
せめてもっと歌の上手い人を揃えれば…。
かと言って一青窈さんがキワモノ路線に目覚めてもらっても困るし…。
いや、十分面白かったんだけどね。うつ伏せに置かれたヒマワリの花が哀愁を誘うぜっ!

『ムサン日記〜白い犬』
脱北してソウルで暮らすスンチョル。
同じ脱北仲間のアパートの部屋に居候し、ポスター貼りで糊口をしのいでいる。
仕事もうまくできず、脱北者のため就職の先もない。身なりもイマイチ。
そんな彼が教会の聖歌隊で歌うスギョンが気になり後をつける。

これも実在した脱北者の生活を描いたもの。
すんなりと韓国に溶け込める人ばかりではなく、犯罪に手を出す者も。
主人公のように悪戦苦闘する者も。北の思想から抜け出すのも難しそうだ。
北での行いに苦しむスンチョルが唯一心を許せるのは拾ってきた白い犬。
あちらでは犬って軽蔑の対象らしいんだが。その辺を慮るべきか。
ムサンは中国国境近くにある北朝鮮の町の名。脱北を目指す人はまずここを通るらしい。
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2012/6/2

春に見た映画・4月分  映画

いつも行ってる映画館のチケット売り場が今日から自動券売機になった!
制服姿のお姉さんたちに相手してもらえないのはちょっと寂しい。
人件費ってそんなにかかるんかいな。何年間で機械導入の元が取れるんだろう。
とは余計な心配。初日だったため1台に1人ずつ係員が付いてくれてた。

遅くなりましたが4月と5月に見た映画は。

『善き人』
ヴィゴ・モーテンセンは大好きだあ。今回はいつもの強くて逞しい役ではなく、
ナチスに気に入られた文学教授が友人のユダヤ人を助けようとおろおろする話。
邪魔な家族を切り捨て出世するに従って着ている物が上質になっていく。
軍服の似合わなさも珍しい。

『SPEC〜天〜』
人気テレビドラマの続編。まだまだ続くぞ。
死んだはずのニノマエが復活。
特殊能力を持つスペックホルダーたちを集め権力を握ろうとする。
おちゃらけて笑っていると突然「刑事の資質」や
「二人が出会った理由」なんて真面目な話が出てきて困っちゃう。

『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
1960年代のアメリカ・ミシシッピ州。
作家の卵がヘルプと呼ばれる黒人メイドたちの差別的待遇を明らかにしようと奮闘。
差別する白人女性も、される黒人メイドも、記事を書くジャーネリストも、
みんな彼女たちを支える仲間・同志がいて、決して孤独ではない。
だから強い。アメリカの底力はこんなところにあるのかも。

『アーティスト』
トーキーの登場で落ち目になったサイレント映画の大スターが
逆に売れっ子になった若い女優の愛情に支えられて自分の心の声を取り戻す。
ベビー(ペレニス・ペジョ)がとってもキュート。
白黒でサイレント、しかもどこかで見たような場面の連続ってのは退屈なもんだ。
生演奏・弁士付きで見たら絶対楽しそうなんだけど。

『ルートアイリッシュ』
民間軍事会社に勤めていた幼馴染のイラクでの事故死の謎を解き明かそうとする男に迫る危機。
民間兵が現地で犯した罪については告訴されない条約になってるんだそうだ。
イギリスよ、お前もかって感じ。主人公さん、そんなに思いつめなくても。

『捜査官X』
1917年の中国。山奥の村で二人組の強盗が返り討ちに合う。
ただの正当防衛かと思われたが、都会からやって来た捜査官は疑念を抱く。
真面目で大人しい紙すき職人だと信じられていた男は実は暗殺集団の跡取り。
推理サスペンスものだと思ったら、カンフーアクションでした。
静の金城武と動のドニー・イェンの対比が見もの。

眠くなったので、以下5月分はまた明日。
『別離』
『ポエトリー アグネスの詩』
『フェイシズ』
『ル・アーヴルの靴みがき』
『ダークシャドウ』
『少年と自転車』
『オレンジと太陽』
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2012/3/21

『灼熱の魂』  映画

「子供を産むことのメリットって何?」バカ娘が最近よく私に訊いてくる。
「痛いし、スタイル崩れるし、お金かかるし。 何一ついいことないやん?」
もしかしたら、とってもかわいいコに育つかも。
もしかしたら、とっても親孝行なコに育つかも。
「リスクが大きすぎる。そうならない可能性の方が高い。」
と、納得しない娘に渾身の一撃。
もしかしたら、親のできなかった理想を実現してくれるかも。

カナダ・ケベック。
長年公証人の秘書を勤めていた変わり者のナワル(ルブナ・アザバル)が
双子の娘ジャンヌ(メリッサ・デモルゾー=ブーラン)と
息子シモン(マクシム・ゴーデッド)に遺言を残した。
大学の数学科で助手をするジャンヌには「父を捜し手紙を渡すように」。
シモンには「兄を捜し手紙を渡すように」。
約束の果たせない人間は埋葬される資格がないから、
代わりに二人に約束を果たしてほしいのだとも。
ジャンヌは母の故郷の中東に向かい、そこで彼女の過酷な半生を知る。


母親によく似たジャンヌがアラブの乾燥した大地を行くと、
いつの時代の出来事なのか一瞬判別できなくなる。
彼女が目指した国の名は、はっきりと述べられていないが、
難民流入の時期、内戦の年代(1974〜5年)、外国軍の駐留、
ムスリムとクリスチャンの比率などからレバノンと考えられる。
と、なけなしの推理力を働かせなくても原作者・ワジディ・ムアワッドは
レバノン出身・ケベック在住なんだから明らかだったわ。

宗教と政治がややこしく絡み合った紛争の時代、
ナワルは難民の男性の子供を身ごもったことで部族を追われる。
その子供は孤児院に引き取られ、彼女は町に出て大学に。
約束とは、生まれた男の子を「必ず連れ戻す」ことと
祖母とした「大学で知識を身に着ける」こと。
ところが大学在学中に内戦が始まり、彼女は巻き込まれるどころか、
自ら闘士としてその身を捧げ、一派から一目置かれる人物となっていく。
ほんっとに一神教の信者たちはやることが過激だ。
あっちもこっちも戦争だらけではないか。
日本が宗教に関していい加減で大雑把な国でよかったよ。

二人が父と兄を捜す過程で。
ジャンヌは口論の多かったシモン(ある意味兄)と心を通わすことができるように。
ナワルの上司だったノタリ(レミ・ジラール)は法律を何より尊重し、
部下を信頼し、その子供たちに無条件に庇護を与える理想の父親像。
ナワルの手紙の中にある「共にあることが大切」を読むと、
本物の父・兄よりも彼らのことを見つける旅ではなかったのかとも思える。

後からレバノンにやって来て真実をしったシモンが
「1+1=1になりえるのか?」とジャンヌに問う。
数学では在りえない命題が人間社会に存在する悲劇。
「共にあること」が復讐の連鎖を断ち切る方法。
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2012/3/12

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』試写会  映画

その人が出演を承諾したのなら、きっと見るに値する作品だろうと
信頼できる俳優たちが何人かいる。メリル・ストリープもその一人。
アカデミー賞主演女優賞獲得おめでとう。

現在は認知症を患い亡き夫の幻影と暮らすマーガレット・サッチャー。
市長の経験もある父親の影響で政治家を目指す少女時代から、
名門大学に入学、実業家である夫との出会い、最初の選挙、
保守党党首となり英国初の女性首相まで駆け上がる様、
11年の長期在任期間中の出来事を追想する。


昔は「英国病」と言う言葉があった。
高福祉政策のため国民は勤労意欲が低く国家財政は破綻状態。
昨今のギリシアをみたいなものを想像すればいいだろう。
で、そんな時に現れたのがサッチャー首相。
国営企業を次々民営化し財政に大鉈を振るって再建を果たした。
女性であるために敵も多いけど、逆手に取ることもできる。
時には国民のデモの対象やテロの標的になったりしながら、
男社会で戦う様子が小気味よく描かれる。
特にフォークランド諸島紛争時(アルゼンチンが英国領に侵攻)。
米国務長官に英国支持を取り付ける時の交渉術は天晴れ。
肝っ玉母さんがお子ちゃまをあしらっているようだ。

彼女は初めから良妻賢母になることを切り捨てていたので、
家庭との両立なんかで悩むことはないのだけれど、
現役を退いた後に、一抹の後悔がも。
決して可哀相な老人の昔話ではない。
老いてなお鉄の意志を望む"THE IRON LADY"の物語。

さて、日本の政治家の皆さんにこの映画を見せるべきか。
調子に乗って隣国と戦争をおっぱじめられても困る。
財政再建しなければならないけれど荒療治も困る。
サッチャーさんみたいなカリスマ的政治家は日本にいないものか。



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2012/3/8

冬に見た映画  映画

1月から2月にかけて映画館で見た映画。
春休み中の娘に付き合った分も含む。

『サラの鍵』
1942年、フランスで行われたユダヤ人一斉検挙。
冬季室内競技場・ヴェルディヴに連行される直前、
10歳のサラ(メリュジーヌ・マヤンヌ)は咄嗟に弟をクリーゼットの中に隠し鍵をかける。
60年後、アメリカ人でジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は
夫の祖母から譲り受けた部屋で起きた悲劇を調べ始める。

原作を読んだとき睡眠不足でへろへろになりながら
最後まで読めてよかったと感じた。こう思える作品は少ない。
ジュリアの異邦人としての孤独感や高齢出産への不安が
描かれていればもっとよかったが、ラストの幸福感は同じ。
映画一本にまとめるには少々時間が短すぎるたかな。
フランスの国家と国民が歴史上の罪とどう向き合い償うのか。
日本人としても他人事ではない。

『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』
東京・日本橋の翼を持つ麒麟の像の許で会社員男性の刺殺体が発見された。
日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)と従弟で警視庁の松宮(溝口順平)は
被害者の生前の謎の行動の理由を探る。

父親の子供に対する責任感を中井貴一っちゃんが好演。
主人公の次々と謎を解き明かす超能力的刑事の勘が気になるし、
テレビドラマシリーズを見てないとよく分からないシーンも。
ま、順平君の地下鉄ホームを駆け抜けるシーンがカッコいいので○。
東京の下町もなかなか見物する所があるようで、観光案内としてもOK.

『逆転裁判』
裁判を迅速に進めるため三日で結審する「序審裁判」が導入された近未来。
新米弁護士の成歩堂(成宮寛貴)は上司の弁護士・千尋(檀れい)殺害の
容疑をかけられた千尋の妹・真宵(桐谷美玲)の弁護を引き受ける。
対する検事は負け知らずの御剣(斉藤工)。
しかしこの事件には15年前の出来事が密接に関係していた。

ゲームをそのまま再現した衣装や髪形に違和感はない。
たまにコスプレ度が高すぎて、クレジットでやっと誰だか分かる人物も。
推理物として見ると証拠品や証人の扱いがぞんざいで気になるが、
結構楽しめる。「これは推理物でなくバトル物」とは娘の解説。

『TIME/タイム』
時間が通貨となった世界。
人々は25歳で体の老化を止め、その後の寿命は労働の対価として支払われる。
貧困層で育ったウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は
時間切れで母を喪った上、殺人と時間窃盗の濡れ衣を着せられる。
復讐のため富裕層の暮らすエリアに入り込んだ彼は、
富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライト)に出会う。

学生時代に"time"を使った慣用句を覚えさせられたなあ。
状況が違うと同じ文章でも全く別の意味になって面白い。
アマンダちゃんが細い足に20cmもありそうなハイヒールで走りまわる!
彼らを追う時間監視員(キリアン・マーフィ)も薄給に関わらずがんばる。。
主役たちの行動はとても褒められたものではないけど。
こんな映画は若い男女がデートで見たら楽しいんだろう。ちっ。

『メランコリア』
妹・ジャスティン(チルスティン・ダンスト)の結婚披露宴が
姉・クレア(シャルロット・ゲンズグール)夫婦の豪邸で開かれていた。
キレ者キャリアウーマンのはずだったジャスティンが徐々に精神不安定に。
その7週間後。ジャスティンを看病していたクレアは、
惑星メランコリアが地球に接近するにつれ、不安に苛まれるようになる。

映画の始まりの部分(8分間らしい)がまるでマグリットの絵のように美しい。
それに引き込まれ、ジャスティンがイラつく理由を理解たいと思う。
受け入れてもらいたいのに受け入れてくれない辛さ。
支えてあげたいのに支えられないもどかしさ。
すべてが大団円(?)を迎えるラストのために。


家で見て面白かったのは。
サスペンス+夫婦愛『ロスト・アイズ』
サスペンス+母性愛『シャッター・ラビリンス』
心臓移植手術の最中に覚醒してしまった男の悲劇『アウェイク』
どろどろの六角関係『ハモン・ハモン』から母親の娘に放つ名言、
「(あんたが死んだら)私がたたき起こしてやる!」

今回はこの辺で。
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2012/1/24

年末年始に見た映画  映画

10月末からの分なんでちっとも年末じゃないけど。
ばたばた忙しかった時期も一段落。
さて、寒波に負けず映画館通いを復活しましょうか。

『ステキな金縛り』
ある男が妻の殺害容疑で逮捕される。
彼のアリバイを証明できるのは落ち武者の幽霊だけだった。

いつも通り監督の人脈を活用した無駄に豪華な出演者たち。
真犯人はだれか。証人に証言能力はあるのか。
法廷モノの常套手段を取りながら、その解決はあの世任せのいい加減さ。
出演者たちによる主題歌"Once In A Blue Moon"がとってもキュート。

『アントキノイノチ』
過去に傷を持つ若い男女が遺品整理の仕事を通じて出会った。
救えなかった「あの時の命」が今の自分を自分ならしめる。

現代日本の社会問題をエピソードとして取り上げつつ。
不安定でおどおどした表情の岡田将生君がとてもいい。
韓流ドラマのような不幸の連続には辟易するけれど。

『スマグラー・おまえの未来をハコベ』
借金のカタに就いた仕事は闇から闇への遺体処理。
やがて日本の暴力団と中国マフィアの争いに巻き込まれていく。

さえないダメダメ男の妻夫木聡と変態ドSヤクザの高島政宏。
見ものはその対比ぐらいしか…。

『ミッション:8ミニッツ』
列車爆破テロの犯人を捜すため、死亡した被害者の意識に入り込む"大佐"。
タイムリミットは8分間。何度も繰り返すうち過去を変えられることに気づく。

どんどん追いつめられる主人公。あちらとこちら、どちらが現実か分からなくなってくる。
ラスト近くに見せられる本当の彼の姿にびっくりしたけど、
希望のあるいい終わり方だった。

『コンテイジョン』
突然発症した未知の感染症。世界中に患者が広がる。
感染経路を追う人々。ネットで広がる自然療法。ワクチンを巡る思惑。

極限状態に置かれた時にその人本来の人格が現れるんだなあ。
どこかで見たことがあると思ったら、邦画『感染列島』の世界版のような。
脇役までもったいないぐらいの有名俳優陣でした。

『ミケランジェロの暗号』
オーストリアの裕福なユダヤ人画商一家がナチの手で収容所送りに。
幼馴染みはSSの将校に。婚約者も彼に取られてしまう。
父親が大切にしていたミケランジェロの絵は守られるのか。

やられるばかりで可愛そうなだけではない、しぶといユダヤ人の痛快な反撃物語。
そりゃー国が無くなって2500年経つのに国家復興をあきらめない民族だもの。

『源氏物語・千年の謎』
藤原道長の命により『源氏物語』を書き始めた紫式部。彼女の真意は。
ジャニーズ系男前は大好きだが、鑑賞目的は京都のイトヘン業界が全面協力したとの衣装。
時代考証はまあご愛嬌で置いといて。
古典や日本史が苦手な人にはさっぱり分からないかもしれない。
最も重要な人物が全く登場しないのだから。
彼らが道長の野望から守りたかった東宮ともなり得た人物
見目麗しく才能に溢れていたと歴史は記す。
となると書物に没頭していた地味に見える藤原行成がキーパーソン。
これも史実の通り。道長の「光源氏は我」との思い上がりがうすら寒く聞こえる。
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2011/10/21

秋に見た映画  映画

ついつい怠け癖が出てしまって、映画を見ても感想文が書けない日々。
このままでは確実にボケる!覚えてるうちになんとかせねば…。

『未来を生きる君たちへ』
デンマーク。いじめられっこの息子。アフリカで医師として働く父。
不条理な仕打ちを赦すのか、復讐するのか。

デンマーク人とスェーデン人の仲の悪さにまずびっくり。
どの国でも歴史が古くなるといろいろあるようで。

『探偵はBARにいる』
北の大都会・ススキノ。
バーを事務所代わりに入り浸る探偵の元へ謎の女から仕事の依頼電話が。
簡単に終わるはずが、命を狙われるハメになる。

ハードボイルドのはずなんだが、主役が大泉洋なんでついお笑い系に。
相方のアルバイト運転手が松田龍平なんで完璧なボケツッコミも成立せず。
北海道の人が見たらご当地色満載でさぞや楽しいこだろう。
雪国の乱闘シーンはアスファルトやコンクリートの上とは全く違ったものに。

『黄色い星の子供たち』
1942年、フランス。
ユダヤ人の一斉検挙が行われ、その中には幼い子供たちも含まれていた。

犯罪者でもないのに検挙ってなんだよ。
ナチに協力した期間があったことはフランスにとって、恥ずべき歴史であろう。
そして多くの市民がそれに反し、ユダヤ人を守ったことは誇りであろう。

『はやぶさ/HAYABUSA』
昨年大号泣した小惑星探査機・はやぶさの帰還。
そのミッションに携わった実在の人物たちを忠実に再現。
唯一架空の役柄、竹内結子は謂わば「はやぶさ君」の代理人。
「ただいま」と地球に挨拶しながら燃え尽きていくCGに涙。

『一命(2D)』
困窮した浪人が裕福な武家屋敷で切腹を申し出、金銭をせしめる「狂言切腹」。
伊井家は訪れた若侍に狂言を許さず切腹を強要。しかし彼の刀は竹光だった。

父親が市川海老蔵、娘が満島ひかり、娘の夫で元上司の息子が瑛太。
年齢が近すぎるけど、若気の至りでできちゃった子ならそんなもん?
この3人がとんでもなく貧乏で不幸。なのに3人とも自分が悪いと思ってる。
デモをしても一揆をしても切腹してもこの国の格差はなくならない。
3Dを意識した奥行きのある画面になっていたけど、アナログ人間は2Dでも想像力で可。
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