
久しぶりに本棚から、10年ばかり前に手に入れた本を取り出して読み返してみました。1冊は松下圭一著「自治体は変わるか」(岩波新書)、もう一冊は佐々木信夫著「地方分権と地方自治」です。佐々木先生の著種は、私が議員になって一年目の市町村アカデミーでの講演から求めた本です。もう一冊はその少し後だと覚えていますが、ある友人が松下先生とお会いする機会があり、その著書をいただいたけれども、私が読むよりあなたが読んだ方がよい内容だと、いただいてきたものです。
どちらも1999年の自治法改正に伴う、地方自治のあり方について述べられたものです。10年前に読んでから、何回か引っ張り出して読んだのは「地方分権と地方自治」の方でした。
現在、議会では「議会改革等に関する特別委員会」を設置して、今後の高山市議会のあるべき姿を求めて議論に入ったところです。2元代表制における議会の役割をしっかりと見据えるため議論です。様々な課題が山積しています。3分科会に分けて週1回のペースで精力的に調査研究する中で議論を進めています。
1ヶ月を経過したところで、少しこれまでの経過と今後の議論の進め方を再考したいと思い、昨晩から件の本を引っ張り出したと言うところです。
昨今「議会基本条例」の制定が各地の自治体で続いています。1999年の地方分権一括法等による分権への流れは、地方自治法の改正にともなって昨年6月の改正まで続いてきています。今後も様々な改正が予定されています。
基本的には、長の権限に頼る自治体運営から、真の2元代表制がその機能を発揮する自治体運営へ、議会の持つ権限を活用すべきということに落ち着きます。
そうした中にあっては、戦後の地方自治制度発足に当たって、上から押しつけられた会議規則ではなく、自らの自治体にあったその活動原則を規定する「議会基本条例」に基づく議会運営への転換がもとめられているといえます。
そういった点から言うと、松下先生の「自治体は変わるか」は、まさにその点について自治体議会の課題をズバリ指摘された著述といえると思います。
議会改革とその基本条例に関する本や特集も、何冊か読ませていただいています。講演会等にも参加しました。調査にも出かけてきました。しかし10年ぶりに読み返した本が一番ずしんと心に響きました。
もう少し頑張って特別委員会の議論と、分科会の調査研究に望みたいと思います。

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