
数字で見る高山市の経済@
高山市制度融資のうち、小口融資と経営安定資金融資についてH28年度までの8年間の実績を見てみました。H20年度はリーマンショック後の影響を反映して、資金需要が伸びた年度でした。
小口融資ではH20年度予算額は補正も含めて8億2千万円、5倍協調融資ですので融資枠は41億円。融資実績は14億8、926万円でした。融資枠に対する融資実績額は36%でした。
H28年度では予算額5億円、融資枠は25億円。融資実績は6億1800万円。融資枠に対する融資実績は25%となっています。
制度融資は、「十分な予算額を確保して緊急事態に備える」と以前はよく説明されました。しかし執行率を見ると(融資実績率)、H20年度を除き3割弱で推移することが多かったため、議会は予算規模を縮小して、他の政策経費に充てられる道」を指摘し、H24年度以降予算規模を縮小してきました。それを反映して執行率は39%程度に高まりました。使われない予算は不用額として死に体の政策経費という事になります。H25.26.27と予算が減額されてもそれなりの融資実績が残せてきましたが、H28年度は融資金額がそれまでの約6割まで低下した6億1800万円となり、融資率も25%とガクンと落ちています。
それではもう一つの経営安定特別資金融資を見てみます。ここでもH20年度では高い資金需要が生まれています。小口融資よりは融資金額も高めで推移し、限度いっぱいの返済期間を利用されることも多いため、その後の資金需要は抑えめであったことが伺えます。それでも東北大震災の影響からH23,24では一つの山が見えます。その後H25.26.27と融資金額も融資実績率も低下していましたが、H28には融資金額が8億9千万円、融資実績率は32%と伸びています。
H28年度では、小口融資と経営安定資金融資では逆の傾向となっていることが見て取れます。
このことからH28年度は、零細企業にとっては小口の設備投資や積極的な投資活動が控えられ、経営面での資金繰りのための資金需要が増した、大変厳しい年であったと言えるのではないでしょうか。
観光客の入込数が450万人を越した報告されています。大変観光が脚光を浴びておる面は否めませんンが、その割には市内の景況感は一向に良くならないとも言われます。いわれる補観光の波及効果が市民生活の隅々まで行き届いていないのではないか。
しばらく数字の面から高山市の現状を見ていきたいと思います。

0