現代になり、庶民の交通機関となったこの時代に、さすがに<列車強盗>するバカはいなくなった。(ウェスリー・スナイプスの
『マネートレイン』なんてのはあったけど)
しかし
犯罪は日進月歩。常に
人が考えないアイデアを考えていく。(映画も同じネ。)
で、大都市の地下を這うようにはしる地下鉄が航空機のように乗っ取られたらどうなるか?てのが今日紹介する
『サブウェイ・パニック』 のビデオ。
原題は「ペラム駅1時23分発」、日本題がこうなったのは、公開当時
『大地震』『エアポート´75』と
パニック映画ブームだったから。でもこれはPanicというより、れっきとしたクライム<犯罪>アクション。
監督はジョセフ・サージェント、後に
『マッカーサー』や
『ジョーズ`87/復讐篇』などを撮るが、文句なしの最高傑作!
乗っ取り犯人ロバート・ショーと地下鉄公安部部長ウォルター・マッソーの無線機だけによる(現場と司令室が離れていてお互い声だけで対峙しない)虚々実々の駆け引きは、後の
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」的捜査ものに大きな影響をあたえた。(
『交渉人真下正義』なんて、まるっきりこれのパクリ。)
ところで、映画と地下鉄(てか列車)には
大きな共通点がある。
filmはそれ自体はリール状のもの、映写機を通ってはじめてレンズで拡大投影される。(映画になる)
その映写機は、パーホレーション(filmの穴)に沿って1秒間に24コマの正確な動きでfilmを送っていく。
これって
、線路に沿って走る列車とまったく同じ構造じゃないか!
列車は駅でとまるが、映画はそうはいかない。
はじまったが最後、終点(エンドロール)まで
NON STOPで走り続けるしかない。
それゆえ、映画の中の列車は、
暴走しなければ話がはじまらない。
終わらない映画がないように、線路もいつかは終点にたどりつく。
脱線か?衝突か?そこで、はじめてスリルと
サスペンスが生まれる。
コマとび、パーホレーションの欠如で映画が止まることは、
死を意味するのだ。(filmが熱で燃える。)
オークションしたいひとは、こちらを見てね。
ジョセフ・サージェント監督の
『白熱』のパンフレットもあるよ。

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