『ワールド・オブ・ライズ』を試写会で観る。
ディカプリオは、
『タイタニック』のイメージを払拭したいのか、今回も
無精髭で荒々しさを見せるが、いかんせん
線が細い。
愛した女が誘拐されるやいなや、自ら人質になるのは
スパイとしてはどうなのか?
それより、わざわざ体重を増やして、腹が
メタボになったラッセル・クロウの
ふてぶてしさが頼もしい。
自分は安全なモニターだけで監視するチーフ役で、単なる
<筋肉バカ>ではないことを証明した。
監督は、
リドリー・スコット。
『エイリアン』『ブレードランナー』『テルマ&ルイーズ』『グラディエーター』とヒット作を連発。
今回も、独自の
<光と影>を使った撮影が目を引くが、悪くいえば、何でも撮れる監督なので
作家としては、思い入れは少ない。
で今日は、リドリー監督が日本で撮った
『ブラック・レイン』 のビデオ。
マイケル・ダグラス&高倉健の日米刑事コンビが、日本人ヤクザ
松田優作と死闘をくり広げる。
ごぞんじの通り、優作はこれが
遺作となった。
念願のハリウッドデビューなのに、癌に犯された体をおして鬼気迫る演技を見せる。
裕也さんや島木ジョージのヤクザぶりも楽しく、
地元大阪ロケなので、見なれた風景が無国籍になっていて面白い。
ところで、題名の「ブラック・レイン」だが、
当初、
噂になった話だと優作の役が
ヒロシマで被爆した戦災孤児で、文字通り
『黒い雨』(今村昇平)を浴びた設定だったと伝え聞く。
ラストのマイケル・ダグラスとの対決に、その時のような
黒い雨が降る。
残念ながら、単なる噂だったみたいだが、
もしそうだったら、
『ブレードランナー』の
ルドガー・ハウワーの叫びのような
レプリカントの苦しみを思わす、伝説の
カルトになっていたのにと惜しまれる。
オークションしたいひとは、こちらを見てね。
リドリー・スコット監督作
『グラディエーター』のパンフレットもあるよ。

0