BOOK OFFの通販で買ったDVDで、山川直人監督
『100%の女の子』『パン屋襲撃』を再見する。
共に、80年代前半に作られたいわゆる
<自主映画>で村上春樹が原作の短編。
今は亡き
趙方豪(
『ガキ帝国』『三月のライオン』)や、若い室井滋が懐かしい。
前にも書いたが、あの頃の<自主映画>は、我々8ミリ青年達にとっては
<あこがれ>だった。
石井聰互、山本政志、長崎俊一、矢崎仁司、手塚真。
彼らの創造した8ミリや16ミリ映画は、今でもキラキラした宝石のような存在だ。
山川監督も、そのひとり。
『アナザ・サイド』を、東大阪のどこかのホールで観たのは大学1年の時だったか?
そして、他の監督と同じように、
山川直人も35ミリ、メジャー映画デビューする。
で今日は、その
『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』 のパンフレット。
高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」他が原作。
三上博史演じるビリィ・ザ・キッドが、ギャングたちに襲われる店<スローターハウス>を守るため
『七人の侍』ばりに用心棒になるという話。
用心棒側には、
中島みゆき(室井滋)
宮本武蔵(内藤剛志)サンダース軍曹(加藤善博)等、
対するギャング側は、
ハリィ・キャラハン(原田芳雄)シャーロット・ランプリング(真行寺君枝)
ブルース・スプリングスティーン(塩野谷正幸)と
まったく冗談みたいな内容。
<活字発光シネマ>と云うコピーに、(て云うか原作に)この映画は負けてしまっている。
一人称の村上春樹と違い、高橋源一郎の原作は想像力がいる分、映像には不向きか?
(以後、高橋源一郎の原作は映画化されていない。)
ちなみに
「さようなら、ギャングたち」はNHK-FMでラジオドラマ化(15分10回シリーズ)されている。(泉谷しげると高沢順子が声の出演)
こちらは音声だけなので、かえって想像力をかき立てる。
原作のラストと違い
世界中の人々から音楽で金をマキアゲでいたGANG(ジョン・レノン)を暗殺しようとした
主人公(詩人)が
KIDS(ガキ)のジョン・ヒンクリーに撃たれて死ぬラストを、ゴダールの映画にかけて
(それぞれの回のサブタイトルは
@詩人のいる時間――あるいは…
Aギャングについて私が知っている二三の事柄
B中島みゆきソング・ブックスという名の女
C女の子はみなキャラウェイという名である
Dギャングから遠く離れて
Eわたしとベルギリウスのいる冷蔵庫
F小さな兵隊
Gギャングはギャングである
H勝手にしやがれ
Iピエロ・ル・フール)
描いた
大森一樹の脚本は見事であった。
オークションしたいひとは、こちらを見てね。
三上博史主演、林海象監督
『二十世紀少年読本』のパンフレットもあるよ。

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