話によると
小林多喜二の小説『
蟹工船』が今静かなブームだそうですね。ブームを支えているのが若年層だという話も聞きます。
『蟹工船』は昔おいらも乱読していた頃に読みました。
でも
プロレタリア文学の作品って、そー言えば本屋さんの店頭でもあまり見かけたことがありません。単においらの気のせえ?
まぁ本来なら、“
今どき流行る筈もないジャンル”だとは思うんですけどね。
『蟹工船』はプロレタリア文学の代表作の1つでもあり、それなりに評価されるべき作品だとは思います。

『蟹工船』に描かれているような世の中にさせない為にも、「
最低限の労働運動は絶対不可欠である」と言う理念を
労働組合の
組合員が学習する為に、
毎年メーデーの頃に細々と読み継がれる、・・・って程度の読まれ方なら穏当だと思います。
しかし
そのような作品が今時ブームになってしまうようなら、そんなのは世の中の方が間違っているんだと思います。

ある意味で
景気対策や
貧困対策等の
社会政策の失敗の証明であり、
失政の証しでもあるのではないでしょうか?

今時この本がブームになってしまうということは、
約10年4代続いている森派(現町村派)政権は、社会政策の面ではやや
反動に過ぎたのではないでしょうか?
次に内閣が代わる際には、仮に自民党政権が続くとしても、
せめて党内派閥間での政権交代くらいはして欲しいと個人的には考えます。
(もちろん今までよりももっと悪い内閣では、全く意味がありませんが。)
『蟹工船』は娯楽作品としてもそこそこ面白いとは思いますが、文体には若さと言うか荒削りなものを何となく感じます。


もし作者の小林多喜二氏がもっと長生きしていれば、もっと面白い作品を、もっとパンチ力のある作品を、もっとスゲぇ作品を書いていたのではないか?とも考えると、大変に残念に思います。
特高警察の拷問で亡くなったと聞いておりますが、
社会に対して殆ど何の生産性もない奴輩が、権力をカサにきて才能ある若者を殺してしまうなんて、いくら戦前のこととは言え、あまりにも間違え抜いていると思います。
それを同じ日本人どうしなのに、そんなことをしてしまうなんて、本当に愚かなことだと感じます。
ただこの『蟹工船』は読むべき本ではあると思いますが、毒が強すぎるので個人的には子供にはあまり読ませたくはありませんね。




おいらは二十歳過ぎでの初読でしたが、それでも正直言ってちょっとキツかったっス。(>_<)
30歳前後以降の方なら問題なくお薦めできるかとは思うけど、学生さんの場合はこの作品の強烈さに心が打ち負かされないように、心を強く持って気合を入れて読む方が良いのかも?
『蟹工船』は当ブログで昨日触れた『
図書館戦争』

で言えば、『
メディア良化隊』に真っ先に“
検閲”,“
発禁”されてしまうような作品なのでしょう、…とついついそう思ってしまいました。
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