映画『
BEST GUY<ベストガイ>』(1990年
,平成2年)を今GyaO!で無料配信しているようなので、改めて観た。
日本版『
トップガン』といった内容の映画で、
日本の
主力戦闘機F-15Jイーグルとそのパイロット“
イーグルドライバー”を描いた作品。
実際に『トップガン』を意識して作られていると感じます。
以下、ごく個人的な感想&5段階評価をこの機会に少しだけUP。以下、やや
ネタバレあり、注意。
この映画の良い点は、わが国の防空を担っている航空自衛隊の
F-15Jイーグル戦闘機を、娯楽作品という形で広く世に公開していることだと思います。
国防に関して無闇やたらに秘密主義であるよりも、市民社会にとってはずーっと素晴らしいことだと思います。GJ
戦闘機としての
F-15イーグルは、
F-14トムキット戦闘機に比べると優雅さでは及ばないようにも個人的には感じますが、F-15イーグルの方が武骨で男っぽさがあるようにも思えます。
映画ではF-15Jの離陸直後のほぼ垂直な上昇も描かれておりますが、これはF-14トムキャットには出来ない芸当でもあり、この能力は高高度を侵入してくる当時の“
仮想敵国”の
戦略爆撃機に対しても大きな脅威を与える有効な能力だったのではないでしょうか?
大戦中の
戦略爆撃機 B-29に対して有効な対抗策が無いばかりに国土を焼かれた歴史を持つ国の国民にとっては、F-15Jは1990年当時の“仮想敵国”の戦略爆撃機に対しても大変に頼もしい機体だったのではないか?と個人的には感じます。
1990年当時のF-15イーグルは間違いなく
世界最強の戦闘機であっただろうし、この映画に描かれているF-15Jの姿はF-15イーグルの最も輝かしい時代のものだと思います。
この映画に描かれているF-15Jは、文句のつけようが無いくらいに素晴らしいと思います。
ただ、娯楽映画としては脚本が
バブル臭くて、その欠点はぬぐえないと思います。
今の構造的な不況の時代から1990年頃の
バブル真っ盛りの時代を振り返ると、
バブル臭くて超ムカつきます。

本来だったら今のこの時代に享受すべきだった富を、
バブル経済のあの時代に“
種籾ごと先食い”してしまったから、今の構造的な不況があるのではないか? という強い疑念が怒りとともに沸々と湧いてきます。

バブルでお金があるからいろんなモノをてんこ盛りにしよーとして、何が何だか訳が分からなくなってしまったドラマ、・・・って感じの映画でした。
「自衛隊なんかダサい」と言うセリフがありましたが、別に自衛隊に限らず、“マジメな仕事はダサい” , “バブリーなハヤりな仕事がカッコいい”とゆーのが
バブル時代の価値観だったように記憶しております。
『ダサくない空自』,『ハヤりなバブリーな空自』,『バブリーな女をゲットできる空自』を演出しよーとして、そんな風なドラマになっちゃったのかも。
主人公は別に
チャラ男でなくても娯楽映画として充分に成立し得たのではないか?とは思いますが、その点こそが“まさに
バブル”なのでしょう。
この映画には
バブリーな分だけドラマに時代を越える普遍性がありません。他の時代の人達が観たら、嘲りや蔑み,反感,反発を買いかねないドラマでもあると思います。
恋はあっても良いとは思いますが、主人公のチャラ男要素をもっと省いて、「訓練やスクランブル」,「事故」,「コクピット内でのパニック」,「民間航空への転職話」等々を中心にドラマを作った方が良かったのではないか?とは感じるのですが、それは今の時代が
バブルではないから、なのでしょうか?
これらの点が
F-15Jの素晴らしさを相殺して余りあるので、娯楽映画としては正直言って厳しいものがあると思います。
しかし空撮シーンの割合は非常に多く(本家『
トップガン』より多いかも)、
その方面では大変に満足のできる映画でもあるかと思います。
そっち方面の御仁には“
超お薦め”とも言えるでしょう。
最後にこの作品に対するごく個人的な5段階評価を。
空撮 5.0 素晴らしいの一言
特撮 3.0 悪くはなかった
ドラマ 1.0 バブル臭キツ過ぎ
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