『
響け!ユーフォニアム』の
特設サイト
にある『
北宇治吹部だより』が、実は更新されていたことに暫らくの間気が付きませんでした。
『北宇治吹部だより』の第11回『
だけどあのとき』が、最新刊『
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編』の発売日前日の10/18(水)付けで更新されていたのに気が付いたのは、不覚にも11月に入ってからでした。orz
『北宇治吹部だより』の第1回〜第9回までの内容はユーフォシリーズの4冊目で短編集の『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツのはなし』の1〜9話までと(一字一句まで確認した訳ではありませんが)同じ内容。
『北宇治吹部だより』の第10回や今回の第11回は4冊目の短編集には収録されておりませんでした。
今回の『北宇治吹部だより』の第11回『だけどあのとき』に描かれている
あすか先輩と
香織先輩の組み合わせ
(以下、“あすかお”)は、『第二楽章 後編』における
希美先輩と
みぞれ先輩の組み合わせ
(以下、“のぞみぞ”)との対になっているようにも感じます。
『第二楽章 後編』における“のぞみぞ”の二人が不器用すぎるのに対して、
『だけどあのとき』における“あすかお”の二人はずっと器用に感じます。
立華編の梓・あみかや未来・栞と比べても、ずっと器用な二人だと思います。
みぞれ先輩は人付き合いの特別に不器用な人だとしたら、それに対して香織先輩は人付き合いの特別に器用な人とも言えるでしょう。
香織先輩はみぞれ先輩よりもずっと器用に自分の気持ちを相手に伝えているし、対するあすか先輩の方も希美先輩よりもずっと器用にそれを受け流しております。
“のぞみぞ”の二人は不器用すぎますが、それに対して“あすかお”の二人は器用すぎるくらいに器用で、好対照を為していると思います。
香織先輩はあすか先輩と比べても更に生き方の器用な人なのではないか? とも感じます。…香織先輩は多分本当にあすか先輩の心の内が読めているのではないかと。^^;
特にアニメ版などでの香織先輩の愛情過多に対して、あすか先輩が微妙に冷たかった理由が個人的には納得できまスた。^^;
ガンダムに喩えて言うと(ガンヲタでスミマセン)、ミライさんに告られた時のスレッガー中尉な感じ?

香織先輩は恐らくはある日突然
滝昇のような男が出来るタイプにも見えるので、今の香織先輩の言葉を信じたら先々傷ついて捨てられるのは自分の方だと、あすか先輩は勘も頭も良いから何となく解っているのではないでしょうか。
あすか先輩としては香織先輩には普通の友達でいて欲しいから、香織先輩の愛情が過多な時には、微妙に距離を取ってしまうのだと思います。(^^)
香織先輩は人望も技量もあるので正副どちらかの部長に収まっていてもおかしくない先輩だと思えます。
香織先輩や葵ちゃんは二年次に三年と対立した当時の一年生たちに肩入れしたから、当時の三年生たちには良く思われてはいなかったのではないでしょうか?
それが部長や副部長の指名を受けなかった理由でもあるのではないか?と個人的には思えてしまいました。
あすか先輩は
高坂さんのように特別になりたくて特別になった訳ではなくて、楽器を続けるために努力をしていたら周りから特別と思われるようになっただけであります。
久美子の予感するように、もしあすか先輩がこのまま楽器を辞めてしまったら、恐らくはあすか先輩は普通の人に戻って行くのではないか? とも思えます。
このお話の救いとしては、あすか先輩が特別でも普通でも、そんなことには関係なく香織先輩の気持ちは変わらないのだろうと思われる所です。それは本編の『第二楽章 後編』にある通りなのだと思います。“のぞみぞ”の二人よりはよっぽど救いがあるようにも思えます。
あすか先輩という縁に触れた際の反応についても、あすか先輩の強さに弾き返されてしまう
葵ちゃんと、その強さに惹きつけられる香織先輩とでは、好対照を為していると感じます。
今回の第11回『だけどあのとき』は第3回『
あの子には才能がある』との対になっているようにも感じます。
『あの子には才能がある』に描かれていた葵ちゃんの感じたあすか先輩の冷たさは、今回の『だけどあのとき』を読むと、実は冷たさなどではなくて寧ろあすか先輩の優しさだったことが判ります。
本当はあの時あすか先輩は葵ちゃんにも部に残って欲しかったのだと思います。でも自分のエゴや因縁のために辞めたい人までをも巻き込む訳にはいかないから、あすか先輩は葵ちゃんを引き留められなかったのだとも思えました。
特に葵ちゃんのケースでは、受験を控えた進学クラスの雰囲気は、恐らくは他の教室とは違っていたのではないでしょうか?楽器云々の話は後付けの理由にしか過ぎないでしょう。
葵ちゃんも切なかったのではありますが、葵ちゃんの立ち位置からは見えなかっただけで、恐らくはあすか先輩も同じように切なかったのだと思います。
そうは見えないのは、“隠すのが得意”だから、だと思います。
でもさすがに希美先輩が辞めてしまう時にはあすか先輩も引き留めたし、今思うとその引き留め方には何となく“恨み節”も混ざっていたような気も。
“あんたアタシを見捨てる気?この一年を我慢すれば良いだけのコトでしょ!?アタシなんか、楽器を続けるために何年耐え続けていると思って…!!“ 的な? ^^;
それでも振り切った希美先輩が、後にあすか先輩に冷たくあしらわれたのは、別のある意味では報いだったのかも?
最後に
晴香先輩びいきの身として一言だけ。
晴香先輩が“雨女”だとか“メンタル弱い”だとか、全くの言い掛かりであります。

晴香先輩はごく自然に普通な人なだけであります。
周りの人たちが濃すぎて強烈な人たちだらけな環境が異常なだけであります。
あんなに強烈な人たちだらけの渦中にいたら、誰だって一度や二度は泣きたくなる筈です。
それに晴香先輩が“雨女”なら、他の面子は嵐や旱魃を呼ぶ人たちだらけでしょう。
周りがパンチの効いてる強烈な人たちだらけだから、晴香先輩や葵ちゃんのような普通の人が割りを食っているだけなのだと思います。
周りの面子がキツ過ぎるだけで、晴香先輩は別にメンタルが弱い訳では決してないと思います。
・・・一読者的には、久美子が特別を目指すのはいいんだけど、キッツーな人になってしまわないかが少し心配であります。
てゆーか、お願いだから立華の副部長の人みたくだけはならないで。(ToT)
今回の『北宇治吹部だより』の第11回『だけどあのとき』の更新は、もしかしたら未だ気が付いていない人もいるかも知れませんが、アニメ版の続き等が気になる人にはお薦めかと思います。
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