4月公開の『
リズと青い鳥』を6月に入ってからようやく観て来ました。
TVアニメ『
響け!ユーフォニアム2』や劇場版アニメの2作目『
〜届けたいメロディ〜』の続きにもあたり、小説『響け!ユーフォニアム』シリーズの『
波乱の第二楽章』前後編2冊分の一部を部分的に原作とする内容でした。
劇場版のパンフが欲しかったけど、その劇場ではもう完売済みでした。orz
今更ですが、せっかくなのであまりネタバレにならない範囲でのごく個人的な5段階評価&感想等を少々。
面白さ 4.5 前後 (個人的には5.0)
お薦め度
原作もチェックしてる人 5.0 以上
アニメ版のファンの人 5.0
“ユーフォ”の一見さん 4.0 前後
『波乱の第二楽章』前後編の文庫本2冊分を約90分の映画の尺に強引に詰め込もうとしているので、今回の映画版にはそもそも尺的に無理があります。


その点が今回の映画版のウィークポイントとも言えるでしょう。
そのためか、今回の映画版『リズと青い鳥』では沢山の登場人物の中でも、特に
希美先輩と
みぞれ先輩(以下、“
のぞみぞ”)の二人に絞った内容でした。
原作版よりも登場人物が大幅に整理され、物語的にも“のぞみぞ”の二人に特化した内容になっております。
また、“ユーフォ”シリーズの一見さんにとっては、原作版よりもよりソフトな内容になっているようにも感じます。
脚本が
吉田玲子さんということもあって、個人的には最後まで安心して観ていられました。
(『マリみて』とか『けいおん!』とか『ガルパン』とか『ハルチカ』の脚本の人なので、今回の原作を扱った内容であっても、安心していられました。)
本編の主人公である
久美子には妹体質な所があって、実の姉である
麻美子さんにだけでなく、
葵ちゃんや
あすか先輩にもすがるようにして追い詰めてしまう所があります。
原作版では、自己嫌悪に陥っている希美先輩に対して、久美子が更にすがるようにして追い詰めてしまう場面もあります。
しかし今回の映画版ではそういう類の場面はあまり無かったようにも感じます。
他にも、みぞれ先輩の地雷を踏みそうになる
高坂さんを
優子先輩が止めてたりとか、希美先輩を追い詰め過ぎな優子先輩を
夏紀先輩が止めてたりとか、原作版よりもソフトな内容にも感じました。
いわゆる“
北宇治カルテット”のメインの4人
(久美子,高坂さん,緑輝,葉月)は、今回の映画版では登場機会がかなり削られております。
むしろ“のぞみぞ”の二人と正副両部長の優子先輩と夏紀先輩の4人が主な登場人物でした。
加部ちゃん先輩もいなかった。
・・・ところで、希美先輩は会計だったのか?知らなかった。
(部費を滞納している部員がみな男子だったような気も。気のせえ?)
みぞれ先輩の直近の後輩である新入部員の
剣崎さんにはセリフが多かったけど、他の新入部員はあまり登場してなかった。
W鈴木にはセリフがあったけど
奏には無かった。
求と
小日向さんに至っては、映画を一回観たきりでは、個人的には発見できなかったよ。orz
多分どこかの場面には入っている筈なんだろうけど・・・。
リズや
青い鳥が登場するシーンでは、何か『魔女の宅急便』とか『ハウルの動く城』とか『メアリと魔女の花』とかの、ジブリアニメ系のテイストも感じました。
上級生にもキツい言い方で正論を振りかざすあの図書委員には、髪型は違うけど、何となく『氷菓』の伊原摩耶花を感じてしまいました。
あの図書委員と“のぞみぞ”の場面を見ていたら、“のぞみぞ”の二人を面白キャラにすると『けいおん!』の律と澪になるよーな気も?・・・個人的にはしてしまいました。
おいらは恥も外聞も無いオッサンだけど、味噌汁ぶっかけご飯は無いと思うな。個人的には今回の映画版での最も衝撃を受けた箇所でした。猫は大好きだけど、人は猫ではないと思うっス。^^;
ところで、フレンチトーストを騙ったトラフグな女子と、味噌汁ぶっかけご飯の女子は同一人物なのでせうか?だとしたらキャラ立ち過ぎ。(^^)
かつての低音パートは田中帝国とも呼ばれていたそーですが、だとすれば今年のフルートのパートはさしずめ傘木王国と言った所でしょうか? 希美先輩、同じパートの後輩女子にモテモテであります。
息をするように練習をするみぞれ先輩と、部内での政治闘争にとらわれて一度は吹部を去ってしまった希美先輩とでは、スタートラインが同じなら演奏の実力に差が出るのは当然なのかも。
息をするように練習をする境地と言うのは、何か芸事を極めるには理想的な状態かと思います。普通は逃れようの無いこの世の様々なしがらみに絡め取られて、なかなかその状態にまでは状況が昇華しないのではないかと。
立華編の
梓のように嬉しくって楽しくって際限なく練習を積み重ねられる状態というのは、普通はそうそう有り得ないと思います。
梓は家庭環境ではあすか先輩との対になっておりますが、
性格面では梓は希美先輩との対にもなっているようにも感じます。
もし希美先輩が立華編の梓のようにブランクも無く伸び伸びと努力を続けることが出来ていたら、みぞれ先輩に釣り合うだけの演奏力が身に着いていたのではないか?とも思えて惜しまれます。
それともやはり立華編における
栞先輩と
未来先輩のような関係になっていたのでしょうか?
外部指導者の
新山先生は希美先輩の顔と名前を覚えたばかりで、まだ希美先輩のコトをあまりよく知らなかっただけだったのではないかと。希美先輩が気にし過ぎなだけな気もします。(それとも、フルートだからフルートには評価が辛いのでせうか?…深読みし過ぎ?)
原作の方では、新山先生は前年からの顔馴染みでもある久美子にも声をかけていたことは、ここではネタバレになるのでナイショ。
前年のあすか先輩の実例を実際に見せ付けられてしまったら、指導者側の立場としたら、本人に志望と能力があるのなら野に埋れさせたくないと思ってしまうのは人情かも。
原作版での剣崎さんの描写には、奏の目を通したフィルターが何かとかかっていて、その“
奏フィルター”を通すと、剣崎さんはなかなかな策士に見えたりもします。(^^)
しかし今回の映画版ではその奏が殆んど登場していないので、“奏フィルター”はありません。
その分だけ
“素”の剣崎さんが今回の映画版では描かれていたようにも感じました。
同じパートの他の一年生たちからみぞれ先輩の担当を頼み込まれている感じ?
その辺りの所は、原作版の久美子の目線からは見えない所でもあり、良い意味で原作版とは異なる印象を受けました。
みぞれ先輩と打ち解けようとする剣崎さんと、後輩の剣崎さんのリードの面倒も見てあげるみぞれ先輩とが、ともにいじましくも見えました。
気丈で捉え所のない剣崎さんが声を上げて泣き出すシーンには、不意を衝かれました。涙腺決壊しそーになったよ。
今回の映画版では、新入生の新キャラで特に目立った活躍をしていたのは剣崎さんだけ。
今後のアニメ版での展開においても、剣崎さんは要注目の登場人物かと予想します。
・・・以上、今の段階ではネタバレを避けるべく、今回の劇場版の本筋とはあまり関係の無い所での感想でスた。(^^ゞ
一読者的には“ユーフォ”シリーズのアニメによる続編は、劇場版アニメよりもTVアニメに向いている原作のようにも感じます。
可能であればいずれはTVアニメでの続編を希望であります。
http://liz-bluebird.com/
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