『
楽園追放 -Expelled from Paradise-』をAbemaTVの配信で観た。

2014年
(平成26年)のフルCGアニメによる劇場版映画。
TOKYO MXでの地上波放送を見逃していたので、今回のAbemaTVでの配信は嬉しかった。(^^)
せっかくなのでこの機会にごく個人的な5段階評価&感想等を少々。
面白さ 4.0〜4.5 前後
お薦め度 4.0〜4.5 前後
SF分が濃いので、SF音痴な人には薦めにくいかも。
あと、CGアニメが嫌いな人には薦めにくいかも。
全編フルCGによる劇場版アニメ。
一本の商業映画として採算ベースに乗っているのなら、今後はこの手のアニメは日本製でも増えて行くのかも。
個人的には手描きアニメの方が好みなので、CGアニメが面白いと今後は手描きアニメが減って行きそうにも感じられて少し寂しい。
CGアニメはよく動いてはいるのですが、その動きには人間臭い面白みには欠けているようにも思えて、今一つ物足りなさを感じます。

でも蛍光色等の発色が良いです。この辺りの所などはCGアニメの強みだと思います。
衛星軌道上(ラグランジュ・ポイント)に住む物理的な身体を持たない
電脳パーソナリティな人々と、いまだに地上に住む物理的な身体を持つ人々が並存する未来世界を描いたSF映画でした。
電脳パーソナリティが地上に降りる際には、物理的な身体“
マテリアルボディ”を一時的に再生して、そこに人格である所の“電脳パーソナリティ”を載せて地上世界である所の“
リアルワールド”に赴くようです。
“電脳パーソナリティ”と“マテリアルボディ”の関係は。『攻殻機動隊』で言う所の“ゴースト”と“義体”にあたるのかと。『涼宮ハルヒ』シリーズで言うと、朝倉涼子の消滅や復活のタネ明かし的な内容にも感じました。
物理的な肉体を持たない情報体のみの人格って、肉体を失った霊魂と大して変わらないような気も?
物語の後半には、人格を獲得して野生化していた人口知能の
野良AIも登場します。
「人格を獲得して野生化した野良AIは人間か否か?」の問いに対して、友人になれるなら別にどちらでも構わないし、それってもう人間ってコトでいーじゃん、とゆー登場人物たちによる結論付けには、微笑ましく感じられました。(^^)
『攻殻機動隊』の『2ndGIG』とか『イノセンス』とかを何となく思い出してしまいました。
声優陣も割と豪華。主演が
釘宮理恵なので釘宮ファンは要チェックかと。
アムロの中の人が友情出演ってテロップに書いてあった。
ところで、友情出演ってホントーにノーギャラなの?
AIの声が
神谷裕史なので、どーしても『ミス・モノクローム』のルーちゃんを思い出してしまいます。^^;
タイトルは『楽園追放』ですが、実際には“地獄からの開放”或いは“地獄からの脱出”でもあったのではないか?とも感じます。
或いは全体主義独裁国家からの亡命に成功したエージェントの物語?
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』とかで言うと、蜘蛛の糸を登り切ったような物語だったのではないかと。
「奴隷になってまで楽園に暮らしたいとは思わない」というセリフも物語の途中にありましたが、個人的には「奴隷というよりは囚人」,「楽園というよりは収容所」という印象がありました。楽園というよりも“大衆ケットー”ってゆー感じ?
種としての人間の強みは多様性にあるのではないか?と個人的には感じているので、“楽園”の名の下に多様性を放棄して画一化された作中の人間社会には、絶滅は見えても未来があるようには思えません。
半永久的に生き永らえる囚人と、有限の肉体に閉じ込められた自由人と、どちらを幸福と思うかは人それぞれかも知れませんが、おいらの好みのラストでした。
デストピアしか知らないで育った人達がデストピアをユートピアと勘違いしているってことって、現実世界でも意外と多かったりなんかして?
・・・てゆーか、もしかして我々も決して他人事ではなかったりなんかして?
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