滋賀県の中にあって何故か「西武グループ」、なおかつ車両もまたその大半が西武からの移籍車両(現在のところオリジナル車両は電気機関車くらいしかないはず)であるなど「西武色」の強い近江鉄道。
近畿日本鉄道が「国鉄の駅が近くにある駅」に当初「近鉄」ではなくて「近畿日本」をつけていたのは実はこの近江鉄道の存在があるかららしいですね。
※どちらも略したら「近鉄」になってしまうから。
米原〜貴生川の「近江鉄道本線」のほか高宮→多賀大社前の「多賀線」、八日市〜近江八幡の「八日市線」が存在します。
このうち米原〜彦根はJR西日本の東海道線(琵琶湖線)と並走していますが、何せ単線なのでおいそれと増発するわけにも行かず、この区間での勝負は初めから諦めている節があります。
因みに米原〜貴生川間が本線なのは実はややこしいことに「近鉄(近畿日本鉄道)」が絡んでいます。
実は近江鉄道は「多賀大社と伊勢神宮を電車で結ぼう」と本気で考えていたらしく、貴生川から更に参宮急行電鉄(=現在の近鉄)伊賀線の広小路まで延伸して参宮急行電鉄に乗り入れして伊勢神宮=宇治山田駅まで直通する予定だった(実際に近江鉄道はそのための用地買収交渉にも入っていたらしい)といいます。
だがよくよく考えてみればこの計画、かなり無謀でかつ非現実的だということが誰がどう見ても明らかですよね。第一、近江鉄道と伊賀線はゲージが同じ1067ミリゲージ(伊賀線および近江鉄道はその昔国鉄との「貨物の受け渡し」を行っていたから国鉄と同じ1067ミリが採用されたといいます)だからいいとしても問題は参宮急行電鉄本線(=現在の近鉄大阪線桜井〜伊勢中川及び山田線伊勢中川〜宇治山田が1435ミリゲージだということです。いやはや近江鉄道は(伊賀神戸まではいいとしても)いったいどうやって乗り入れるつもりだったのやら……貨物の受け渡しをしていたから近江鉄道本線と伊賀線は改軌することは出来ません。当時のことですから三線軌条(デュアルゲージ)が一番妥当だと考えてはいたのでしょうけどね。
※結局頓挫しましたが(^_^;)

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