静岡県掛川市の掛川駅と静岡県湖西市の新所原駅の間を浜名湖北岸回りで結ぶ第三セクターの天竜浜名湖鉄道。
公式サイトは「
天竜浜名湖鉄道ウェブステーション」です。
主力の車両のTH2100系は伊勢鉄道のイセV型に似ていますがそれもそのはず、全国の非電化路線第三セクターと新潟鉄工所(現・新潟トランシス)が相談して作った画一規格の「第三セクター向け軽快気動車」を導入したからです。
元は国鉄二俣線だったこの路線。
計画段階では「掛川から遠江二俣、三河大野を経て岐阜県東濃地方の大井(現在の恵那)に至る鉄道」として、現・明知鉄道の明知線と一つになって「遠美線」となる予定だったといいますが、軍事上の要請で「浜名湖鉄橋が敵の軍艦に破壊された場合の迂回路」(実際に浜名湖鉄橋が破壊されたときに迂回路になった)として終点を新所原に変更されて現在に至っています。
この路線を旅するには「天浜線みちくさきっぷ」で決まりですね。
値段は1,200円、掛川→新所原(下り)と新所原→掛川(上り)の片道で設定されています。
掛川〜新所原間の通常運賃が1,280円なので、単純に「掛川〜新所原を乗り通すだけ」ならあまり得した感じがしないんですが、途中下車を愉しみたいなら俄然こっちのほうがよろしいかと。
何故なら通常の切符は「途中下車前途無効」だからです。
古きよき時代の国鉄駅という感じの天竜二俣駅。

天竜浜名湖鉄道の本社がある「拠点駅」で、駅構内にある扇形車庫は「登録有形文化財」に指定されております。
菜飯と田楽が名物の和食の店「彩花彩菜(さいかさいさい)」が入っております。
気賀駅より徒歩三分の気賀の関所。

浜名湖北岸回りの街道は別名「姫街道」と呼ばれます。
浜名湖と遠州灘を繋いでしまっている今切水道の名が「縁が切れる」に繋がるとして嫁入りには嫌われたことからこちらの街道が裏街道として使われたわけ(「公儀の通行」、つまり「大名行列などの通路」としてはこちらの裏街道は通行禁止だったようだ)ですが、関所はしっかりと設けられていて「出女」を主に取り締まっていたといいます。
「当時あった場所にそのまま復元されている」というわけではありませんがそれでも雰囲気的にはいいですよ。
因みに関所というと古代の不破・逢坂や江戸時代でいうなら箱根・新居のように「道順に行こうとするとどうしても通る必要がある場所」に設けられる場合が多かったようですね。
浜名湖に一番近い駅、浜名湖佐久米駅。

こちらの駅には喫茶店「かとれあ」がテナントとして入っています。
これらの駅のみならず天竜浜名湖鉄道の駅は飲食店がテナントとして入っていることが多いですね。
国鉄時代はただの「佐久米」駅でした。
「浜名湖に一番近い」ことから「浜名湖佐久米」としたのはいいのですが、ただ浜名湖に一番近いとはいうものの駅からの眺めは東名高速が邪魔ですね。
因みに横の牛みたいなものはずばり「トイレ」です。
浜松市の三ヶ日町が「蜜柑」のほかに「和牛」の産地でもあることから牛の形をしているとのことですが……和牛なら和牛らしく全体に黒か茶色でも塗っとけ!と突っ込みを入れたくなりました。(^_^;)
※写真で解ると思いますがどこからどう見てもホルスタインにしか見えません。(^_^;)

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