「我は元の神・実の神である。この屋敷にいんねんあり。このたび、世界一れつをたすけるために天降つた。みきを神のやしろに貰い受けたい。」
とは、親神天理王命が、教祖中山みきの口を通して仰せになつた最初の言葉である。
家人は、この思いがけぬ啓示にうち驚き、再三言葉を尽して辞退したが、親神は厳として退かれぬにより、遂に、あらゆる人間思案を断ち、一家の都合を捨てて、仰せのままに順う旨を対えた。
時に、天保九年十月二十六日、天理教は、ここに始まる。
よろつよのせかい一れつみはらせど
むねのハかりたものハないから 一 1
そのはづやといてきかした事ハない
なにもしらんがむりでないそや 一 2
このたびハ神がをもていあらハれて
なにかいさいをといてきかする 一 3
世界中の人間は、我が身思案に頼つて、心の闇路にさまようている。
それは、元なる親を知らず、その心に触れぬからである。親神は、これをあわれに思召され、この度、教祖をやしろとして表に現れ、その胸のうちを、いさい説き聽かされる。
いまなるの月日のをもう事なるわ
くちわにんけん心月日や 一二 67
しかときけくちハ月日がみなかりて
心ハ月日みなかしている 一二 68
(天理教教典第一章 おやさま より)

0