「橦木倶楽部通信 第6輯」に載った「伊藤圭介記念室」を見て、「吉川文庫」の文字が目に留りました。この文庫は吉川芳秋氏の旧蔵書からなっており、医学・本草・洋学・人物伝・郷土史関係の図書や和古書などが含まれています。 吉川芳秋氏は伊藤圭介研究の第一人者であり、医学・本草学研究等幅広い方面で活躍し、1967年に第8回CBCクラブ文化賞(くちなし章)を受賞しています。
「吉川文庫」には司馬凌海の著書「七新薬」も収蔵されています。これはポンペの講義を基にして書かれており、佐倉順天堂の佐藤泰然の弟子・関寛斎が校閲しています。出版に際しては銚子の山サ醤油・浜口梧陵の経済的援助がありました。
吉川芳秋氏には「晩年名古屋時代における司馬凌海」(現代医学 1967年3月)と題した論文があり、その中で明治初期の名古屋医学界を紹介し、好生館病院の横井信之や後藤新平の名も出て来ます。


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