鍋屋町風信

「山吹の歩み」を読み返すと、石町の項「この町に住んだ町人たち」の中に
観堂屏風の元の持ち主・美濃屋伊六について
　　町方御役所御用達　次座　美濃屋伊六（書店)
とあり、美濃屋伊六は尾張藩お出入りの商人であることが分りました。

江崎氏は本当に良く調べておられます。
下は「山吹のあゆみ」の末尾に載っている江崎公朗氏の写真です。


著書の題字は「石井小伊勢氏（石井直三郎夫人）」とあります。
石井氏は地元の方でしょうか？

「佐藤律子　染付の器展」が今日から三越で始まりました。先日に開かれた斉藤則行さんに引き続いてです。佐藤律子さんはせともの祭の常連で、どんなものが並ぶのか楽しみにして出かけました。


これまでに無いほどたくさんの作品が並べられており、あれもこれもと目移りがしてしまいました。最後にエイヤッと白磁の杯を選びました。１２月１０日にはこれを持って参加します。


１０日の帰り道で白磁の杯を割ってしまいました。私の不注意で作者には申し訳直ことをしてしまいました。
そんな訳で、何とか繕い、これからも大切に使っていきます。

昨夜、鵜飼さんに学区の「もちつき大会｣に誘われて、山吹」コミュニティーセンターへ出かけました。センターの前では鵜飼さんや消防団長の佐藤君ら勢ぞろいし、コンロの蒸篭から湯気がもくもくと出ていて、エライ人の長い挨拶が済むのを待っていました。やがて、開会式も終り、餅つきにも勢いが出てきました。


センターの中では「あべかわ」、「あんころ」、「のりまき」などボランティアの方々が作って振舞れており、私もお相伴に与りました。町内からは会長さん、老人会のエライ方々も参加され、出来立てお餅に舌鼓を打っておられました。

静観堂屏風に関連して、元の持ち主・美濃屋伊六のことが岸雅裕著「尾張の書林と出版」に載っていました。この中で明治５年の「名古屋縣管内蔵版箇所取調書」が紹介されていて、美濃屋伊六は永楽屋東四郎に次いで尾張第２の出版元であることが分ります。ちなみに第３は風月堂孫助で蔵版数は美濃屋伊六の半分以下です。
多くの書籍は共同出版の様で、永楽屋東四郎や菱屋藤兵衛ら尾張の書林の外に、三都の大手書林の後に名を連ねているものもあります。
そんな訳で、小牧町（現・石町）の美濃屋伊六は文化文政から明治まで続く尾張屈指の書林であることが分りました。明治に入っても永楽屋東四郎は盛んでしたが、風月堂孫助は勢いが無くなったようです。