帰ってきて早々,悪い知らせ。練習会もちょっと乗る気失せて早めに撤収。
通称「スペイン」と呼ばれる健軍の公共の公園。我々が代々守り続けてきた最高の練習場に、ついに「乗り入れ禁止」のお達し。
遅かれ早かれいつかはこうなるだろうとは思っていたが,こんなに早くとは。
そうならない様にいつも注意を払っていたつもりだったが・・・。
いま、熊本勢は若手が増えて大きな成長をしている。とても良い事だと思う。自分が教えてあげれる事は惜しみなく教えてきた。でも一番分かって欲しい所が,もう1つ分かってもらえていなかった事がとても残念でならない。
こんな事を書くと批判を受けそうだが,正直言って「バイクトライアル」というスポーツの「普及」は全く興味が無い。自転車で遊ぶ事、自分が楽しくてしょうがない事,それがたまたま「バイクトライアル」だっただけで、自分が楽しそうに自転車で遊んでるのを見て、それに興味を持って下が増えてくるのは大歓迎してきた。大会に出ようが出まいが,上を目指すも良し,ただの趣味でも良し,もっと言えば別にトライアルでなくてもクロスカントリーでもダウンヒルでもロードでも何でもいい。俺にとっては「自転車仲間」という大事なメンバー。その仲間の中で俺は「トライアル」をやっていただけの話し。そう言う意味ではある種の「普及」なのかもしれないが,俺が教えたかったのは「トライアルの技術」なんかじゃなかった。若い子と大人が同じ自転車で共通の遊びをやる。その中での様々なルールやマナー、社会性を覚えて欲しかった。知っている人もいるかもしれないが,自分の目に付く所では仲間にも色んな注意をしたり話し合ったりしてきた。若い子には怒ることもあった。そこで何を伝えたかったのかを理解してくれてなかった事が残念だ。元々マイナーでマニアックな世界の中でその技術だけを教えて追及するチームならば、こんなにも人数は増えなかっただろうし,そうではない「自転車仲間」としての技術以外の楽しみ方を教えたり、その他の物を共有できる楽しさがある人達が集まっているのが、ココまで人数が増えて離れない理由だと思うし、熊本のチームらしい所だと思う。
日本特有?かどうかは分からないが,特殊な事をやっている小人数はたいがい良い目では見られない。ましてやそれが若い連中だったりすると尚更だ。
街中の公園で良くやっているスケボーやBMXの連中が良い例である。彼等は自転車が好きで,スケボーが楽しくて,まぁ、値段や見た目の入りやすさから若い中高生が爆発的に多い種目だが、世間一般の印象として・・・正直良くない。
好きで楽しくて何が悪い?夢中になって何が悪い?何も悪くない。それは俺も同じ事をやっている。じゃぁ何であんなに人口が多いにもかかわらずスポーツとして確立されてメジャーになれないのか?理由の1つは上に書いた通り、特殊な事をやっている若い小人数のグループ。それだけで変な目で見られる世の中である。そこまではなにも悪くない。問題はそこから。それを覆すだけのきちんとしたマナーやルール、その他色んな問題をクリアできるか・・に他ならない。
ゴミ,タバコ。第一はそこからだ。我々は公共の公園を使わせてもらっている訳だから当たり前のルールは守らなければならない。若い中高生の中には(イイ大人になっても出来ない人もいるが)それさえも守れない人が居る。ストリートスポーツに限らず、それらが守れない人は公園の使用以前に問題外の話し。
しかしもっと大事な事は「公共の場所」であると言う事。散歩を楽しむ人、ペットの散歩、みんなが利用できる憩いの場において、我々はその他の人達に対して最大限の配慮,注意をしなければならない。ベンチやテーブルは一般的に見ても明らかに自転車やスケボーなどで乗ったりするものではない。そりゃぁ、良い高さだし丁度良い遊び道具だが,それは一方的な我侭と言うもの。マナー,ルール違反の何物でもない。最大のイメージダウンはそこから始まる。
若者が沢山集まって公園で煙草は吸うわ、ごみは捨てて帰るわ、ベンチやテーブルはお構いなしに傷つける。おまけに他の利用者を「邪魔」な目で見る。そりゃ嫌われるわ。結局メジャーになれずにスポーツとしてもなかなか確立されない。勿論公園には「スケボー、自転車乗り入れ禁止」の看板。そうすると若者は昼間乗れない分、夜に集まる。夜にその集団がいるもんだから、なお良く思われない。悪循環の悪循環。で、「近所のスケボー少年が・・」位の扱いとイメージが出来あがる。メジャーになれないよね。
じゃぁ、彼等にちゃんとした指導者や、自分達が楽しく乗って遊んで行く為にはどうして行くべきかを教えてあげれる「大人」がいたらどうだっただろうか・・?少なくとも俺はそんな現場を目の当たりに経験もしてきたし、色んな活動にも関わってきたから、「近所のスケボー少年が・・」と言う扱いは絶対にされたくなかったから若い子達にも口うるさく注意したりしてきた。
このスポーツが・・というより俺達が彼等と同じ道を辿って、同じ扱いを受けたくなかったから。メジャーにしようとは思っていないが,もう少しは分かって欲しい。一般の目から見たら、夜の公園でたまってタバコ吸ってるスケボー少年も俺達も一緒の人種にしか映ってない訳で,そこをどう差別化して行くかというところを考えて行動しなければならないわけよ。今回悔しいのは,少なくともそう言う事を考えて行動できる大人が上に立っていながら、乗り入れ禁止になってしまった事なんだよね。例え苦情が出たその時の現場に自分がいなかったとしても、その意思は若い子達が継いでいて欲しかった。伝えきれなかった自分も悔しい。俺もイスやテーブルで遊んだ事はある。昔の話し。やっぱダメだよね。
じゃぁ、岩や段差はいいの?って問題もあるが(笑)まぁ、あからさまに一般的に良く思われない事ってあるよね。その中で例えば、ロックセクションで子供が遊んでいたり、こちらが遊んでいる時に子供が入ってきたら必ず譲るとか、歩行者などの通行人が見えた時には必ずバイクから降りて足を止めるとかさ。通行人から言えば直接的に進路を妨害するような事をしていなくても、こっちが近くでうろうろしてるだけで邪魔,危険,不快にさせてしまうことを忘れちゃいけないし,「そこまでしなくても・・」ってところまで下がって行動しなければ,最初から俺達は良いイメージが無いんだから,上には上がれない。ゼロからではなくてマイナスからのスタートだからね,そもそもが。
若いからしょうがないのも良く分かるし,自分がそうだった時もあるから誰が悪いとかはどうでも良い。ただ、そんな経験者がいながら、ちゃんと教え導いてやれなかった事が残念な出来事だった。若い彼等にはまだ分からない,知らないものを持っている大人が、トライアルというただ1つのきっかけを元に、何を教えて行けるか・・だよね。トライアルの技術なんてどうでも良い。
楽しく,自分が一番好きな事をやる為に、最低限守らなければいけない事があることを知って欲しかったのだが,まぁ、逆に考えれば彼等(我々)はそれを身を持って経験したわけで,充分にこれからの糧にはなったのではないだろうか。
とはいえ、これでは俺も個人的にあまり面白くないので、近くそこの管理者に話し合いに行こうと思っているが・・・・。
俺達は車があるから何処にでも行けるけど、あいつらこれから何処で乗るんだろう・・?また別の公園で同じ目に会わなきゃいいけど・・。