台風一過の平日の青空に、
少々調子が狂ってしまっているくらいよ。
と言うもの、前回記したように、学童のガキンチョ並みに
長い夏休みを手に入れてしまったから・・・。
出来れば後先のことなど考えず、ずっとこのままがいいわ。
でも残念ながら8月からはまた普通の日々に戻らねばならなくてよ。
あ、今考えただけでちょっとウツ入ってきたわ、やめやめ。
なので、このつかの間の幸福を存分に味わおうと決めたわ。
で、久々の家出もいいなぁと思ってワクワク。
そうよそれがいいわ。気力十分、体力まぁまぁ。
ああ、何処へ出ようかしら?
アブダビでも行っちゃう?ほーっほっほっほ!
と高笑いだけしてみれど、
青空の誘う声空しく、先立つものに若干どころか、かなりの不安。
今月末から8月頭にかけて恒例のスパルタワークに参加予定だし、
仕方なく、半径200キロ以内で、
なんとなくゆるい家出を計画しているわけなの。
でもね、そう、そのくらいが丁度良いのかも知れないわね。
だって、今、何処か気に入った場所に出会ってしまったら最後、
逃避願望マックスな私は、迷わず全てを捨てて、
永遠に戻らなくなる可能性が非常に大きいと思うから。
なので半径200キロ圏内の家出にしておくわ。
さて、つかの間であろうが、幸せは幸せ、
そんな幸せな私とは打って変わり、相変わらず過酷な日々を送る夫、
最近とかく癒されたがっているのよ。
昨年くらいからその傾向はあったんだけど、
休日の時間のほとんどを「癒し」に費やしたがるの。
そんな彼、休日ともなれば、ぼーっとしながらひとりごちてたわ。
でも、その独り言がちょっとやばかったの。かなり怪しいのよ。
どのくらい怪しいかって、DCカードのカッパとタヌキくらい。
程度の例えが既に怪しいような気もするけれど、
ま、いいわ。
以下、春から続く、そんな彼の独り言と、
そのため私達が出かけた場所の一部を振り返ってみたわ。
「緑がきれいになったね・・・」
参考画像“覚園寺(鎌倉)”
「あぁ・・・温泉に行きたいね」
参考画像“草津温泉 湯畑”
(自宅マンション前の山で鳴く小綬鶏の声に)
「コジュケイはすぐ疲れちゃうんだね」
参考画像“コジュケイちゃん”
「すずめとカモのデザインは完璧だよね」
参考画像“称名寺のカモさん(&カメさん)”
参考画像“どっかの冬のすずめ”
「はぁ・・・海辺でビールを飲みたいな」
参考画像“鎌倉のうどん屋で生ビール”
「カモメさんと触れ合いたい・・・」
参考画像“夏仕様のゆりかもめ(横浜港)”
「そろそろアジサイ列車の季節だね」
参考画像“箱根登山鉄道の車窓から(画像は2013年のもの)”
「・・・にゃんこ」
参考画像“にゃんこ”
・・・・、ヘンでしょ。
しかし鳥、好きだわねぇ〜。ってそうじゃなくて、
そう、以前とまったくの別人なのよ、言う事が別人。
最後のなんか、一体なんなのよ?一点見つめて「にゃんこ」って。
このままじゃそのうち死んじゃうんじゃないかしら?
だからね、ここで死なれちゃ困るから、
そのため週末あちこちへ夫婦で出かけることが多くなってたの。
正直、多忙だった私は面倒と感じることも無くはなかったけど、
でもまぁ、行ってしまえば楽しくて、
結局いつも私の方が数倍楽しく遊んでしまうことになるので、
「あなたの幸せは私の幸せ、私の幸せは私の幸せ。ならば行こう」
と、深い意味は無いと思いたい台詞とともに、
疲れ切った老体に鞭打ち付き合ってきたのよ私。偉い私。
「普通、夫婦って逆じゃん?
どっちかってぇと、妻の方が連れてって〜って・・・」
的な意見が多数寄せられて久しいけれど、
ほっほっほ、何おっしゃってんのかしら?
我が家の普通はこれよ、こーれ。
さて、
そんな夫婦・・・いや、両親に対して、
暇でいいわね的な視線を投げる、おそらく我が家で一番多忙な娘は
「パパ、大事にしてあげなね」とサラッと私に言いつつ、
彼女は彼女の人生を目いっぱい生きているわ。
その、溢れんばかりの若さダダ漏れな娘、先月末誕生日だったの。
それでね、面白いことに、
クラスメイトの男子君より手作りのパウンドケーキをもらってきたの。
誕生日の前に、
ケーキ作りとか結構得意なんで良かったら味見する?的な誘いを
別の男子君から間接的にメールされたという事を言ってたので、
「そんな、もらっときなさいよぉ。
男の子から手作りお菓子なんて、ママだって2回しか・・・」
とママの高校時代の話をしてさしあげようかと思ったのだけれど、
「あったりまえじゃん。もちろん!って返事しといた」
と、私の過去の数少ない自慢話をすっぱり遮られてしまったわ。
著しい成長。
で、先月末、誕生日当日、ライブだった私が夜遅く帰ると、
リビングのテーブルに、半分以上食べたパウンドケーキがあったの。
それで味見してみたんだけど、これがなかなか美味しいのよ。
作ったのが男の子というだけで、かなりハードルは下がっているけど、
いいえ、それでも十分美味しくできていたわ。
「あいつ、本当にいいやつなんだ。
イケメンじゃないけどね。」
と言う娘に対し、
「イケメンじゃない?
それ、関係ないだろう!
ケーキ作ってくれた事に対して必要な情報じゃないだろう?
イケメンだったらなんだってんだ?!
第一イケメンってどんなの言うんだよぅ!
言ってみろよぉ!」
とムキになっているおっさんが一人いたんだけどね、
「うわっ、うざっ!」
の一言で片付いていたわ。
どう?なかなか理想的に成長してるでしょう?
ちなみにその後、娘が、
「彼氏は別の人ってこと、パパには内緒にしといて」
って私にだけ耳打ちしたことは、ここだけの話にしといて欲しいわ。
あれかしらね、
こうなったら娘は早いとこ稼がせて巻き上げるもの巻き上げてから
とっとと嫁がせること企んでみてもいいかしらね。
まぁそんなふうに、時間的に余裕のある幸せをかみしめて、
平和に日々暮らしてみて、
ふと、気付いてしまったことが、
あるのよ。
それはね、、、
一番危ないくらい疲れていたのは自分だったんだ、ということ。
そしてその疲労を、家族に少し伝染させてしまっていたことにも。
哀しいけれど、気付いてしまったのよ、疲れている夫を見て。
そして、
あまりに私が「夢見るな現実を見ろ」と言いすぎたあまり、
絵を描くことを止めてしまいかけている娘を見て・・・。
知り合いの彫刻家が彼女の絵を見て「ぜひその道へ進ませてあげて」
とまでおっしゃってくださったのに、
母の私が日々「美術じゃ食えない」との、暴力的な言葉を吐き、
いつしかとっくにその道を諦めている娘を見て、
初めて気付いてしまった、いや、気付けたのよ。
なんて私は疲弊しちゃってたんだろう、って。
痛いわね。
ひりひりするわ。
っていうか、そんな娘の微妙な変化にも気付けなかったわ。
彼女はどんな状況でも人生をめいっぱい楽しんでいたし、
それでただただ安心していた愚かな母だったのよ。
でも夫は弱いわ。
だから、夫が出した数々のSOSのおかげで、
私は、そんなことに気付くことができたのよ。
愚かすぎて、笑っちゃうわ。
そして、ふと思ったの。
どっちにしろ、疲れる人生なんだもの、どうせ疲れるなら、
好きなことをやって疲れていただきたいわ、と。
娘はもちろんだけど、夫にもね。
そのために、今、二人とも沢山努力しているわけじゃない?
で、私は?
愚かよね。本当に。
やみくもに働いて、家族を養ってる気になっていたわ。
多分、昭和のオヤジ化していたと思うわ。
外でこれだけ苦労してるんだから家の中くらい好きにさせろ的な。
私の母はそんなことした?父よりも仕事では信頼され、
人間的にも大きかった母は、そんなこと一言でも言った?
いや、ちっさすぎでしょう私。
地面に額を打ち付けて二度と顔あげられないくらい猛省。
猛省ついでに四国へ渡って、
五体投地しながら八十八か所を廻った方がいいと思うのだけど、
でも半径200キロルール適用外でしょ?
仕方ないから脳内お遍路で猛省よ。
ああ、猛省したって、激痛は軽減されもせずよ。
それでも気付けて良かったと思うのよ。
ふと、
先週にお会いした病床の叔父様のことを思ったわ。
叔父様、もう最期の時が近いってのに、
線形計画法の本とiPadが手元に置いてあったわ。
毎晩毎晩、勉強するのが本当に好きだった方で、
小さなころ泊まりに行くと、いつも
夕食後〜お風呂までの間、ずっと机に向かって勉強なさっていたわ。
おそらく、死ぬ間際まで、勉強なさりたいんだと思う。
勿論比べるもんじゃないけれど、じゃ私は、どうなのよ?
死ぬ間際まで、やっていたいことって、あるのかしら?
って・・・。
大丈夫、時間はあるわ。
そう敢えて言ってみるのよ、家族のため自分のため。
それぞれ、家庭によって異なるとは思うのだけど、
やっぱり女はね、母はね、影響力があるの。
なので、あまりに疲れすぎてはいけないものだと思ないこと?
残念ながら、女はそう作られているとしか思えないのよ。
そう、あまりに残念ながら。
ということで・・・
台風一過の青空が誘うままに家出!
行ってきます。ぶははは。
言葉は、大事に使わなきゃいけないわね。
特に、身近な人に対する言葉は。
皆様は私みたいに愚かじゃないとは思うのだけど、
それでも、日々、良い言葉を、意識して使ってみていただきたいと。
そして、幸せでありますように、と、
切に願う限りだわ、
私のために。