1958(stereo)
独.グラモフォンが本格的にステレオ録音を採用します。この年に巨匠は同社と長期契約を結びます。後に西側自由主義経済の代表的なレーベルと言われる独.グラモフォンですが当時は戦後の痛手もありアーティストの充実度も他社と比べ今一つの感がありました。特に指揮者では1937年まで専属だったフルトベングラーがEMIと契約を交わした事が痛手になった様で戦後もそれを引き摺っていた様です。しかも其後,ベルリンでセンセーショナルな成功をしたカラヤンと契約を結びますが時は遅く戦争に雪崩れ込み音楽愛好家もレコード処ではなくなりました。戦後はカラヤンですらEMIのW・レッグに持って行かれる始末です。そこで絶好のタイミングになったのがステレオ録音方式の採用であると言えます。当時は既にカラヤンはベルリンフィルの音楽総監督に就任してましたので戦前から同楽団の録音を手掛けていた独.グラモフォンには好都合と言えます。カラヤンはレパートリーが広かったので同レーベルはフルトベングラー以上の恩恵があったと言えます。そこで推察ですが,K・ベームは新進気鋭のカラヤンに対してのアンチテーゼでなかったかと思われます。それはレパートリーの偏りを防ぎ幅広い客層の拡大が目的ですが,革新に対する伝統とも言えます。尚,以降の録音は全てステレオで収録されておりますので表記は割愛します。
1958
R.シュトラウス
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30
ベルリンPo(58.4.5〜7.ベルリン・イエス・キリスト教会)G-20MG0338
※「2001年宇宙の旅」に使われた演奏と言うのは誤認
L.V.ベートーベン
.交響曲第7番イ長調.op.92
ベルリンPo(58.4.17.ベルリン・イエス・キリスト教会)独DG-5235 147
※後のウィーンフィルの全集より好ましい演奏
同
「コリオラン」序曲.op.147
※ベルリンPo(58.12.4.ベルリン・イエス・キリスト教会)独.DG-2535 147
R.シュトラウス.
楽劇「薔薇の騎士」op.59
マリアンネ・シェッヒ(S.元師婦人)
クルト・ベーメ(B.オックス男爵)
イルムガルト・ゼーフリート(S.オクタビィアン)
リタ・シュトライヒ(S.ゾフィー)
ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(Br.ファニナル)
イローナ・シュタイン・グルーバー(S.マリアンネ)
ゲルハルト・ウンガー(T.バルツァッキ)
ジークリンデ・ワーグナー(A.アンニーナ).他〜
ドレスデンSt.Op.O.&.Cho
(58.12.8〜16ドレスデン・ルカ教会)G-MG8086/89
※ステレオ初期の名盤だが,現在はカタログ上,忘れ去られている演奏
1959
W.A.モーツアルト.
交響曲第32番ト長調.K.318
ベルリンPo
(59.10.1〜3.15〜16ベルリン・イエス・キリスト教会)G-MG2021
同.
交響曲第35番二長調「ハフナー」K.385
ベルリンPo
(59.10.1〜3.15〜16ベルリン・イエス・キリスト教会)G-20MG0359
同
.交響曲第38番二長調「プラハ」K.504
ベルリンPo
(59.10.1〜3.15〜16ベルリン・イエス・キリスト教会)G-20MG0359
※交響曲全集の先駆け
J.ブラームス
交響曲第1番ハ短調.op.68
ベルリンPo(59.10.ベルリン・イエス・キリスト教会) 独.DG-2535.102
※ステレオ初期の名盤!そのまま全集にでも成れば良かったのにと残念です。


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