RVC Japan RCL-3311(Laudis) 1984 LP
1950年4月13日の実況盤である。RIAS放送と在るが、原盤は、伊.Laudis と言う海賊レーベルなので当然、音源ルートも正規では無い!どうもアマチュアがエアチェックしたテープが元になっている様である。そんな音源でも我が国では大手レコード会社が原盤契約を結び発売していたので不思議なものだ!これこそ現ベルリン放送協会の原テープからCD化でもして欲しいものである。曲は、ブラームスの交響曲第1番である。日本RVC社の技術者が卓越してるのか、悪いながらも何とか聴ける状態だ!まだ新興オケだった楽団は、1948年12月に最初の演奏会を行い、翌年にフェレンツ・フリッチャイを音楽監督に迎えて、ようやく本格的な活動に入った。これは更に翌年の演奏記録である。最近、巨匠の全盛期の実況録音が、相次いでCD化されているが、所謂、海賊音源もまだ健在な様だ!実際、まだ在るだろう?と思う位に目に付くものは、思ったよりも少ないが、其れでも無いよりは、マシと思うしか無いかも知れない!さて針を降ろすと求心性の強い引き締まった響きが聴こえて来るが、細部が聴き取れないので、楽団の合奏能力について論ずる事が出来ない!しかしながら強豪で重い音色は、ドイツ色が強く、如何にもドイツでブラームスを演奏している雰囲気満載である。テンポの点では、些か早めなので、其れが推進力に作用し勢いも在る。勿論、テンポの動きも在り、其れが楽想の表現に対して、とても適切である。聴いていると、どんどん音楽が進む印象が強い!第2楽章を聴いてもそうだが、響きが常に立体的であり、スコア上の曲の設計が浮かび上がる面も在る。其れも在り、曲の陰影も充分に表現が出来ているので、曲に感じる哀愁も恰も浮かび上がるかの如く表現されている。第3楽章は、不思議な位にアッサリ始まるが、其れが終楽章への移行を簡潔にしている要因に思われる。終楽章冒頭は、意外と柔らかく決まる。其れから急速に勢いが増して来る印象が在る。例のアルペンホルンの模倣は、雄大さよりは、岩山のゴツゴツした光景が浮かぶ程の男性的な響きがする。主部の一体感は素晴らしい!終止部に向かって音楽が膨れ上がる趣も在る。終止部も正に正統派って感じだ!もっとこの手の演奏は、良い音質で聴きたいものである。

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