東山動植物園の植物園門から入ってすぐ左手に「植物会館」がある。園内の案内をしてくれるガイド・ボランティアが常駐しているし、様々な園芸展が催されている。私が訪れたときは、それは見事な皐の盆栽展が開かれていた。
会館の奥に「伊藤圭介記念室」がある。名古屋外大の鶴本さんから「圭介文書研究会」というのに参加していたという話しを聞いた。圭介独特の書体の日記を解読することがいかに困難であるかを聞き及んだが、帰国子女でバイリンガルの彼女が、古文書そのものといってよい史料と向き合っている姿は想像がつかなかった。しかし、何にでも真正面から向かって行く、そのチャレンジ精神は素晴らしいものであると感心する。
私が記念室を訪れた日曜日は、まさにその研究会が催されており、5〜6名のメンバーが日記とおぼしき史料と睨み合いをしていた。私も学生時代に「古文書」の講座を受講したが、未だに全く読めない。
ところで、先日、このブログで平和公園にある伊藤圭介の碑を取り上げたところ、伊藤圭介の曾孫という、埼玉にお住まいの伊藤輝雄さんからコメントがあった。来名され東山植物園の「伊藤圭介記念室」も訪れたということで色々つながりが出来ていくことにびっくりしている。
そもそも「伊藤圭介記念室」は、伊藤圭介の子孫の方々から医学・植物学・日記など、数多くの貴重な遺品の寄贈を受け、これをもとに昭和55年に新しく建設された「植物会館」内に開設されたものである。これらの遺品は、平成7年3月名古屋市指定有形文化財(歴史資料)第102号として指定され、特にその中の日記は240冊に及び、現在先述の「圭介文書研究会」の手により解読が続けられ、『伊藤圭介日記』第1集〜11集まで刊行され、もうすぐ第12集が刊行されるということである。
*参考 黒川治愿・伊藤圭介の碑
http://silver.ap.teacup.com/syumoku/72.html

植物会館の伊藤圭介記念室。

「圭介文書研究会」の掲示。今日は中に入れません。

地道に解読を続ける「圭介文書研究会」のメンバー。

記念室の中の展示品を覗き見る。

おまけです。盆栽展の作品。こういう根気のいることは日本人にしかできないでしょうね。

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