窯の工場にも寄ってきた。
ボクの窯は、0.7立米というサイズだ。最近は小さいサイズばかりだそうだ。先の釉薬小瓶と同じで、趣味でこの窯を買う人が多い。
工場も継続しているんだから、大したものだと思う。ほぼ一生モノだしね。窯の水準が高いともいえる。その信頼か。
窯工場の前は、店舗になっている。
囲炉裏が什器に・・・!
呑み屋にしようよ〜
と、今はここを担当している長女に言う。
粘土は、山肌に見られる原土を乾燥させ、そのままはたいてふるいにかけ、水簸し焼き物用に使えるが、それは安定性が無いため、出来上がった粘土を使う。
出来上がったとは、様々な土を混ぜ合わせ、発色、粒度、焼成温度などを調整したものを言う。石が入っていたり、きめ細かいものを造ったり様々な種類がある。その粘土の産地の味の違いもある。
さて、笠間粘土だが、原土そのものでは使えない。
これに各作家レベルで別な焼成に強い粘土を混ぜ、使うことになる。
しかし、それと好みとは違うのだ。だから他の産地の粘土を使う。
バリエーション豊富だからね!
そこに笠間の作家のジレンマがある。
伝統産業指定であるからお客様が来る。
どれが笠間焼なのか?
笠間焼とは何なのか?
そんな質問が来る。
笠間で作陶しているから笠間焼・・・そう答えるしかないのだ。
信楽やその他産地の粘土を使い自由にやっていることには違いないのだから・・・。
しかし、お客様は、笠間焼そのものを探している方もいらっしゃる。
また、知りたいと・・・。
この窯やさんはそんな事も考えている勉強家なのだ。
新しく、笠間の原土を精製する方法を考え付いた、というわけだ。
粘土には、頁岩、ガイロ目、木節粘土といった粘土、また鉄分等金属物質からなっている。その頁岩物質を取り除き、鉄分を調整する事により、成形、焼成に耐える粘土となる。
笠間の粘土ですよ〜
そう言える日が来るのか・・・。
「匠のまつり」でハピョ〜できるかな?