もう20年くらい前のこと、松下政経塾出身だという30代の青年の講演を
聞きに行ったことがある。
松下政経塾といえば松下電機の創業者が作った金儲けのうまい経営者を育てる塾か?
くらいの知識で臨んだが、配布された資料や青年の講演を聴くと、塾是は、真に国家
と国民を愛し、新しい人間観に基づく政治・経営の理念を探求し人類の繁栄幸福と
平和に貢献しよう。とういう金儲けなどというレベルの話ではなかった。
私も当時40代に入り自営の事務所で地元中小個人企業を相手に10年ほど広告業を
営んでいたので売り上げ至上の広告業にあって、それらの話に興味を覚えた。
いつしか青年の主催する講演に出入りするようになり、都庁や国会議事堂見学や
茅ヶ崎にあるという政経塾に一日体験入塾にも参加させてもらった。
入口にあった「無税国家にしよう。」という筆書きの言葉がいまでも記憶に残る。
日本人は勤勉で貯蓄をする。
そうしたお金をうまく運用して無税にしようというものだ。
塾生は朝起きたら先ず館内の掃き掃除を義務づけられているという。
自分の足下も綺麗にできない者では国を綺麗にできないからだという。
既に松下翁は亡くなっており生前のビデオ映像で彼の国思うこと政経塾の
創設の意味を教えてもらった。
確か当時で50兆円の財政赤字で国家国益を考えない政治家をはじめ
官僚など現状の我が国を憂い新しい理念の下で国家を担う政治家や経営者を
育てるための政経塾だと知った。
横浜の市長をやった中田宏氏は当時、ゴミの中田といわれゴミ問題に精力的に
取り組んでいると塾生の意気を感じた体験であった。また、同席した松下翁に
共感した東日本ハウス創業者、中村功氏の話を聞く機会もあった。
漁火会という日本人の心を取り戻す運動を主催し大企業優先でなく中小企業を
応援する政治家を排出したいということだった。
中小企業を応援するというフレーズは私が広告業として独立する意志と通じるので
以来、この漁火会と共に青年を応援するようになった。
旧態の利権や不正な献金を是正する為に政党助成金といった制度や英米を真似た
二大政党論などが出始めたのも、この頃であった。
政経塾も「地域から日本を変えよう」といった運動が起こり旧来の体制を変
革するといった希望を感じた。
そうした新しい政治運動の気運が高まり日本新党ブームが起き細川政権の誕生であった。
かの青年も立候補し私も応援したが日本新党から立候補した小沢鋭仁氏が当選。
その後も青年は若さと松下政経塾出身を掲げ新進党などから選挙に挑んだが望みは
叶わなかった。
漁火会では全国の東日本ハウスの関係者や経営者を束ね運動を推進、渡辺昇一,
田久保忠衛他、保守の知識人を招いての大会を開催する一方で映画「プライド」
『ムルデカ』等日本軍を正しく検証した映画を製作上映。
また青年自由党という政党を立ち上げ若い政治家を立候補させ会長自らも立ったが
残念ながら認知されることはなかった。
バブルがはじけ次第に下降しはじめた経済のなかで新しい変革の気運も削がれていく。
金が無いのは首がないのと同じだと伯父貴にいわれたことがあるが・・・。
非核都市宣言、ふれあい、豊かな社会などといった言葉を標榜するような社会にあって
政治を生活や名誉の手段とする程度の集まりでは改革のための強固な政治集団とはならない。
あれから20年、私も還暦を過ぎ、半生を振り返ってみると、かの青年も自民党小泉政権で
比例区で念願の政治家に成ったがソ連崩壊、冷戦の終焉によって共産主義、社会主義の依る
術を失った左翼社会党や利権と政党助成金で金まみれの小沢一郎、鳩山邦夫といった元自民
党の似非保守政治家が身を寄せ合う民主党が「生活第一」といった今の日本人の堕落を
突いた電通あたりの工作で民主党政権誕生。無念にも彼もまた在野に下った。
日教組のボスといわれる輿石東を当選させてしまう我が県民性に絶望感さえ覚える。
GHQ占領政策の戦後体制を真の独立国家として検証せず経済のみ優先とされ外国勢力
つまりソ連、中国共産党、北朝鮮の工作組織、
朝鮮総連等々に工作された日教組や左翼、マスコミメディアとアメリカに去勢され自民党と
いう保守の姿をしながら利権漁りの世襲政治家が国家観もなく、我が国を貶めてきた。
松下翁や本田宗一郎、盛田和夫などといった戦後復興の経済界の旗手ともいわれる
経済人が去りグローバル化した時代を迎え、株主を重んじる西欧型経営者では
国家国益など軽んじてしまうのだろう。
敵は戦後一貫して我が国日本を我がモノにせんとしてきた、その原動力となるのが一時
30兆円ともいわれるパチンコ産業である。
庶民の娯楽がギャンブルと化しオープンセレモニーや経営氏族の結婚式など県会議員や
国会議員の姿を見たが誰も変だと思わない世の中にあって、日本全国至る所に大型店と
して進出。平日にあっても駐車場は新車のような車列が絶えない。
都会の駅前なども開店といえば人の列が蟻のごとく続く。
日本型経営が消え非正規雇用社員、季節労働者、パートにアルバイトといった
雇用関係では致し方ないのかも知れないが、これらの収益が北朝鮮やそれらに
繋がる反日勢力、もっともいけないのが警察組織の利権にもなって日本解体の
原資になると思うと情けなさを通り越して天を仰ぐしかない。
我が国のこれら売国奴の集大成が今の我が国の姿であると思う。
世襲政治家が跋扈するなかにあって政治家を目指す志を持った青年を応援すべく
松下翁は私財70億円をもって人類の繁栄幸福と平和に貢献し我が日本国家の隆盛を
願ったはず、その政経塾出身の政治家がいまや38人とも
いわれているが民主党には28名もいる。地方自治体首長や地方議員を含めると、
政経塾出身の政治家は80人に達するというが、政経塾出身がとうとう総理大臣に
なるまでになったが、餌をたらふく喰った豚のようで吉本のお笑い芸人かと思うような
風貌で男の気骨など微塵も感じない。家内などは気持ち悪いという始末だ。
いまの国状と政治の姿を松下翁はどう思うだろうか。嘆かわしい限りである。
チャンネル桜の水島氏も同じ団塊の世代の不甲斐なさを嘆くが私も村の区長役を
任じ区民にせめて元旦には日の丸を飾ろうと提案しても横を向いている。
北朝鮮の拉致の問題など口にすれば個人でどうにもならんことなど、どうしようもないと
一蹴され右翼ですか?で終わりだ。
区長といえば体育協会の常任理事だという秋の体育祭の準備会で担当者いわく年々
参加者が減っているという。
東北大震災などが起こり国旗掲揚の際、国歌を唄って気持ちを盛り上げたらと提案しても
執行部で検討しましたが唄わない方がいいという意見があるので例年通り唄わないことに
しましたの回答。そういえば平和憲法を守る、九条の会などと大書きした看板が立つ地域だからだろう。
社会教育委員の時、新しい歴史教科書をつくる会の資料を配ったら、誰だこんなものを、
この席に持ち込んだのはと県庁職員であった男が息巻いた。週休二日で高給を得、死ぬまで
国家によって保証された身分のくせにと思った。
新旧役員親睦会の席で隣でほろ酔いの元中学校校長だった教育長に、新しい歴史教科書に
ついてどう思うか訊ねたが「賛否両論あるから・・・」で逃げてしまう。
教育長、月の手当が57万円だと知って彼らには天国のような国なんだろうと思った。
戦中派の伯父貴が言う、日本人はダメにならんと分からない国民だから大声でアジるより
日頃の生活態度で洗脳していくしかない。ともいったが、その伯父貴も最近は僕はもう
諦めたという。
青年よ奮起して欲しい。国民に我が国の真実を訴え売国奴政治家と戦って欲しいと願う
この頃である。

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