僕自身、世間では団塊の世代などと言われ、競争社会で子育てや家庭をおざなりにし
てきた、そのツケが現在の乱れた風潮の原因だなどと批判されるが、その時代ごとに
役分があり敗戦後の復興を戦中派の人々が行い、その経済成長の下支えと消費を喚起
して来たと僕は自負している。過日も長男から過去を批判されたが、その都度精一杯
仕事や家庭を気遣い生きてきたつもりである・・・何も無かった我々の貧しさの中で
アメリカや欧米の文化に触発され、それなりの何かを創造してきた。
確かに教育や社会のシステム、政治の貧困は目に余るものがあるが、きょうの家々の
豊かさを築いてきたことを当たり前のような顔をして親を批判したりニートだフリー
タ−などと小さな了見でおだててみせるマスコミや識者の姿に「おいッコラ、勝手な
こと言ってんじゃねエよ・・・」と吠えてみたい気もする。
これだけモノもお金もある社会になって次の時代を切り開く役分が、若者の使命特権
じゃないか・・・ぶら下がってんじゃねえよ成上がれ!!
そこに人生の醍醐味がある・・・・と矢沢の専売特許を僕も思うのだが。どうやら息
子の学校生活を今にして聞かされると、そうした世界観や使命感のようなものの教育
は行われないようだ。まあ、親自身が現実の生活だけに汲々していた罰だと今頃、反
省しても時遅しかも知れないが、気付いた時点で再挑戦するしかない・・・。
もちっと、自分達の国を誇りに思う、この国の生い立ちに感謝する視点でモノを考え
る日本人社会であって欲しいと思う。国も家も何代か架けて築かれていくものであっ
てローマは一夜にして成らず^^ガウディーやコロンブスの偉業を知れば一人の人生
など永遠に築かれてゆく世界に於いて一瞬を担うだけのものであって、その持続性と
継続が未来を形作る。だから現在の私達の日本にとって一番重要なことは、どんな国
として生きるのか、そのビジョンを確立することが急務ではないだろうかと思う。
技術立国?農業国?観光の国?ヘッジファンド国?それとも遊んで暮らせる国?
少なくとも天然資源国ではないから、やはり人間資源国家として世界に貢献すること
であろう。小子高齢化だとか財政破綻だとかモラルの低下だとか癌保険が健康がと不
安な事柄が氾濫し人々を煽る傾向があるが、そんなものに動じない自立した大人に成
る為にも、たまには世界を観てくるのもいい・・・・しかし、テレビ芸人の海外番組
で中には我が同胞と現地の人々を馬鹿にした思い上がった恥知らずな連中もいるが^^
この春から長女がパリに一年間留学するという彼女なりに何を掴みどう成長するか来
年の今頃が楽しみだ。
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隣にイタリアでファッションの勉強をしてきたという日本の青年がいたが、彼も、も
っと日本の歴史を学んでいれば、もう少し凛とした姿勢になっていただろう..
日本に帰って頑張れよと激励の意味で握手をしたら汗をかいた冷たい手であった・・。
やがてジェットが祖国に近づくと前面のスクリーンにNHKのニュースが映し出され、
お馴染みの男性アナウンサーに懐かしさを感じた。やがて、灰色の空をした成田空港
へAM8:00頃着陸。手荷物を持って機内の出口へ向かおうとした時、時計の広告が乗っ
ていた機内ブックを探したが無くなっていた。わざわざ、あのスチュワーデスに断わ
りを入れ持ち出すつもりでいたが無い。仕方ないから別の席に残されたボールペンで
いたずらされたものを手にした。呉越同舟というより仲間で行ったツアー、欲しいな
ら、そう言えばいいじゃないかとHの背中を見た。
無事、空港を出て成田エキスプレスに乗った。
スペインのことが、いっぱい詰まった身体は別席にいた白人の男と話をしたくなった。
M氏とHから離れ、その若い白人の男の席に行った・・・・・。
28才イギリス人で静岡の沼津にあるヤザキという会社へ派遣社員としてやって来たそ
うだ。奥さんもいるというので、彼女も一緒に連れてくればといったら彼女は日本が
好きじゃないそうだ。僕は今、スペインへ行って来て興奮している。50才に成ったが、
これからもっと頑張ると言ったら彼は自分は50才に成ったらホビーをやると言った。
僕の思いがワーカホリックに感じたのだろう・・・確かに人生働くだけが脳じゃない、
趣味も大切だと思う、50才でリタイアして趣味に生きる。優雅なイメージだが現実の
周囲を思い浮かべると果たしてそんな人生をやっている人間がいるのか?
しかし何かにチャレンジする気持ちだけは一生失いたくないのが男の気概じゃないだ
ろうか?と思ったことを彼に話したかったが、そこまでの英語が出来ないので頷くだ
けだった。まあ、デザイナーなどといった職制は考えてみたら趣味のようなものだか
ら初めからホビーの人生だったと彼から教えられたような気がする。
新宿駅から中央線の特急「あずさ」に乗り換え、もう家まで2時間ちょっと三人共やっ
と落ち着いて来た。ホームの売店で買った缶ビールを開け、最後の乾杯!バッグから
バルセロナで買ったサラミを取り出し舌鼓を打ちながら一路、甲府までの最後の旅を
楽しんだ。Mさん、Hよ、お疲れさま^^
▲スペインにインスパイアされて描いた・・・・・。
以上をもちまして「僕のスペイン紀行」を終ります。
皆様、長らく、おつき合い有難うございました・・・また、おいでください^^
皆様へ合掌^^

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