2007/12/11

レイアウトコンテスト2007総括(その2)  霊魂補完計画
ある意味において、レイアウトコンテストの大賞作品というのは、その時々の、広くはいわゆる“ネットVRM界隈”に対しての、狭くはVRMを楽しむ銘々のVRMユーザーに対しての“課題設定”だ、と考えることが出来ます。

2005年2006年の大賞作は(それぞれの作者にそういう意図があったかどうかはともかく)どちらかというとミクロな一発ネタに走りがちであったネットVRM界隈に対し、マクロ的な情景作りへと皆の目を向けさせるカウンターアタックの役割を果たしました。

そして、今年の大賞作は、いよいよ充実してきたVRM4を使って、情景のみならず(レイコンの総評の表現を借りれば)「架空の鉄道」を作ることが出来ること・・・しかもそれは、見るだけではなく、参加することが出来る!こと・・・が可能であることを強く印象づけるものでした。

これに追従するには“VRMスクリプト”という大きな壁(後日論じますが、スクリプト自体は本質的な壁ではありません)があるため、必ずしもマクロな情景作りほどの勢いで浸透することはないと思われますが、それでも、今後のVRMユーザーの作品傾向に少なからず影響を与えることは確実でしょう。

ここで問題となるのが、その作品の見せ方、特に“非VRMユーザーに対する見せ方”ではないか、というのがボクの只今の関心事です。

マクロな情景作りがなされたVRMレイアウトは、もちろんVRMビュワーでその情景の中を飛び回ってこそその魅力を満喫できるものではありますが、引き気味のスクリーンショットによっても、その魅力を非VRMユーザー=これからVRMユーザーになるかも知れない鉄道ファンに伝えるには十分であったと言えるでしょう。

これに対して、45-50s氏の今回の大賞作のようなVRMレイアウトは、前回述べたようにスクリーンショットのような手法のみでは、その本当の面白さが伝わりそうにないですし、むしろそれは、本当の面白さを矮小化してしまう恐れすらあります。

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<情景もスクリーンショットだけで本当にOK?/junichi氏「ローカルプラン」より>

いや、それを言えばマクロな情景作りにしても、スクリーンショットのみで十分にその魅力を伝えることが可能であったかどうか怪しいものです。

たとえば、上掲スクリーンショットはjunichi氏の部門賞作です。パッと見、細部まで作り込まれた立体的な情景に魅入られますが、実はこの部分の最大の魅力は、上下線に見える向かって左側の分岐が、全体ではリバース線構造となっていて、一方の線を通過した列車がもう一方の線を続けて通過することであり、さらには、巧妙な沿線の地形造成の効果で、運転台視点からでは俄かに同じ駅を通過したと感じさせないところ、にあります。

この面白さはスクリーンショットだけでは伝わりません。であるからこそ、junichi氏はコンテストの結果発表からほどなくして、運転台視点から撮影した動画を公開されたのであろう、思います。

思えば、ボクが2003年以来、VRM動画にこだわり続けているのも、スクリーンショットだけではVRMの面白さを、未体験の人に伝えるのは困難だ、と考えているからです。が、そのボクですら、今回の大賞作については、仮に音声付の動画を生成したとしても、その真の魅力を伝えるコンテンツを作れる自信がありません。

しかしながら「この面白さを知りたければVRM(作品鑑賞に必要なパッケージすべて)を黙って買え!」と言うのは、どうにも乱暴に思えます。いかんせん、VRMは使う人を選ぶアプリケーションであり、万人にお勧めできない一面もあります。が、同時に、VRMの購入にまで至らなくとも、その魅力を知る人を少しずつでも増やしていきたい、という衝動もまた、抑え難く抱いているのはボクだけではないはずです。

そういう意味で、読者諸兄に対し、今から翌年のレイアウトコンテストのレビュー祭まで、を目安に各自で考えてみて欲しいと思っているのが「どうすれば、インターネット上のコンテンツとして(たとえば)45-50s氏の大賞作の魅力を非VRMユーザーに伝えることができるか」その方法論の研究です。

ボク自身、その答えは持ち合わせがありません。また、仮にそれが見出せたとして、少なくないネットVRMユーザーが真似ることが出来るような、一般的な方法論に落とし込めるかも未知数ではあります。

もちろん「VRMはそういう製品なんだから、しょーがないじゃん、なんでユーザーが開発販売元の至らなさをフォロしなきゃならないのよ」という態度もアリかとは思います。なので、誰にも無理強いはしませんし、この研究に参加しない人に対して「オマエは真のネットVRMユーザーではない!」みたいなことを言うつもりもありません。

つまるところ、これはmoko氏の今年度の作品にボクが見出したのと同じ“伊達と酔狂”です。VRMという、与えられたものを与えられたまま遊び、思いつくままに不平を述べる・・・まぁ、それはそれで楽しいのですが、そこから一歩はみ出してですね、与えられたものを与えられた以上に使いこなし、思いついたら無理やり実行あるのみの“伊達と酔狂”、その狂気的な面白さを、皆さんと分かち合っていきたいな、というのが、ボクの思いです。

あ、もちろん、開発元/スーパーバイザー各位におかれては、伊達と酔狂のユーザー風情に笑われないように、翌年のレイアウトコンテストを目指して精進してください、と申し上げておきます。
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