2006/1/28

たまにはとっても真面目な話  
VRMとは全然関係ない話だし、詳細を具体的には開示できない話でもあるんだけれども、学ぶべきことの多いエピソードに遭遇したので、ちょっと書いてみようと思い立った。暇で向学心を持て余している人だけ、読んでみてね。


ボクの妻は、ある分野で世界十指に入る多国籍企業にシステムエンジニアとして勤めているのね。いや、正社員じゃないし、有り体に言えば「無理して仕事したくない」という意図から最下流工程を敢えて選んでいるので、そんなにすごいことをしてるわけじゃないんだけれども。

そんな彼女の業務の1つに、その企業の対外向けWebサイトの管理があるんだけれども、そこでちょっと無茶なことが起こった。そのWebサイトには1つ間違えれば人の命に関わる情報が掲載されているのね。で、彼女はその仕事についたときに前任者のやり方があまりに杜撰だったので、きちんとした業務フローを定義して、絶対に間違いのおきない手順を確立したわけ。まぁ、Webサイトの間違いで人が死ぬことはないだろうけども、何か事故があって、たまたまそのときにWebサイトに些細なミスがあるとね、それを理由に訴訟沙汰になるってのは容易に想像できるでしょ?

で、彼女が知らないうちに、偉い人たちがそのWebサイトの刷新の計画を進めていたみたいで。偉い人たちはWebサイトの見た目にしか興味がなくて、とにかく派手で格好良いものにしたいと。で、Webデザイン会社にお金をバラ撒いて新しいWebサイトのデザインを作り、カットオーバー(新規の業務開始)の1週間前になって初めて彼女に「今度からこれでいくから」と示したわけさ。

で、彼女は唖然としたワケ。元のWebサイトはね、派手さはなくてシンプルだけれども、本当に間違いが起きないように綺麗に整理されていたのね。でも、新しいやつはとにかく派手でゴチャゴチャで。でも問題は見た目じゃないのね。驚くべきことにそれが全部手書きのHTMLなワケ。どうやって更新すんのさ、と。1つ新しいこと出すのに、たくさんのコンテンツを同時に直さないといけないし、しかも作業するのは彼女自身じゃなくて外部の業者なの。だから、伝言ゲームで事故が起きるのはもう確実なワケ。

ボクの妻は、元々はIBMのAS/400(現iシリーズ)っていう中・小規模の企業の主に会計システムを全部管理できるくらいのミニコンがあるんだけれども、それの中流工程プログラマーだったのね。中流工程って言うのは、ある程度、業務の流れまで把握してて、それをどうコンピュータ上に作るかくらいまで自分で考えてプログラム出来るってこと。だから、ミッションクリティカル(間違いが許されない)に敏感で、こりゃ駄目だと思ったんだけども、何せカットオーバーまで1週間でしょ。ちゃぶ台返し(ゼロリセット)も出来ないので、何とかしようと問題点の指摘だけは上司に伝えたのね。

そしたらその上司がキレちゃったの。この上司はね、会社の中ではシステム出来る人で通ってるんだけども、実は「インターネットはFrontPageで作られている」と思っている人なのね。それを超えるもの、自分の理解できないものは、知ろうともしないし、見ようともしないの。で、それを彼女に真っ向から指摘されたもんだからプッチンって。まぁ、彼女にまで話が伝わるまでに、誰もこのトンチンカンなプロジェクトの問題に気が付かないんだから、そういうオチはあり得たワケなんだけども、ボクの妻はボクに輪をかけてクソ真面目なんでね、ガチンコやって落ち込んでたワケよ。

結局その後どうしたかって話は、まぁ、どうでもいいのね。ボクもその会社からお金もらってるワケじゃないから、解決方法を教えてやるつもりもないしさ。でね、ボクがこのエピソードを通してみんなに感じて欲しいなぁ、と思うのはね、自分の知っている範囲が世界のすべてだと思っている人、自分の知らないことを学ぶどころか知ろうともしない人、自分のあやまちを人に指摘されて恥だと感じてキレる人、ってのが、いかに迷惑で危険でどーしよーもないか、ってことと、そういう人でも超大企業の部長や課長になれちゃうっていう、笑っていいのか呆れていいのかよくわからないこの現実についてなのね。

逆に言うとね、いろんなこと知ってるってのは、それはそれにこしたことはないんだけども、それは別にどーとでもなるからいいのよ。自分の知らない世界があるってことを知ってる人、自分の知らないことを常に学ぼうとしている人、自分のあやまちを人に指摘されて素直に受け入れて次のステップの糧に出来る人、ってのがね、いかに貴重で稀有で素晴らしいか、ってことよ。この、言われれば簡単なことをね、実直にやるだけでね、世界大企業のバカ部長やクソ課長以上の優秀な人材なのよ。わかる?

特に若い人。みんな、それを目指してね。そうじゃないと、マジでもうこの国は駄目だから。ひょっとすると既に手遅れかも知れないけどね。でも、他人のせいにして被害者面したらね、ボクの妻のアホ上司と結局同じになっちゃうから、みんなには諦めて欲しくないのね。ボクも諦めないし。

でもね。こういう真面目な話ってね、普段できないでしょ。伝わらないし。しかも、みんな口では「そんなの当たり前じゃん」って言うのよ、出来ない癖に。だからね、ボクはVRMの世界でさりげなくお手本を示してるのよ、それこそ命懸けで。ふざけてやってるフリしながらね。ギャグの1つでもないと、こんな深刻な話、読めないし理解できないでしょ。でも、ボク、ふざけてるように見えて、計算づくでいろんな含意を込めてるから、ありとあらゆるものに。で、たった一人の人でいいから、それに気付いてね、それぞれの生活の中にフィードバックしてもらえたらね、何と言うか、ボクはボクが生かしてもらっていることに対する恩返しが出来ると思うのよ。

そういうこと。
最後まで読んでくれて、ありがとね。
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2006/1/29  10:29

投稿者:ghost
> 自分自身がそうならないように。

まったくもっておっしゃる通りだと思います。
他人の過ちを指摘するなんていうのは簡単ですから。で、私も気まぐれでこうして妻の上司のバカっぷりを晒してみたんですが、じゃぁこの人に悪感情を持っているか、というと、我が最愛の妻に一時なりとも辛い思いをさせたヤツですからまったくないと言えばウソになりますが、この程度のアンポンタンに負けて帰ってくる妻の能力限界もあるワケで。
で、この人にはむしろ感謝したいくらいです。お陰で、ささやかながらこうして皆さんと大切な何かについてお話しできたと思うので。

一方で、この上司をどうにもしてあげられない、という無力感だけはどうしようもないですね。可哀想です、こういう人は。

> 後に続く人を絶望させないためにも。

私もかくあるべく今後も電波ゆんゆんです。
あ、「ゆんゆん」はもういい?
失礼しました。

2006/1/29  9:43

投稿者:trs2004jp
それが会社の上司だったら会社をやめることができる。政治家だったら外国に逃げることもできる。でも人間のほとんどがそうじゃないのか、だから世界のシステムがそうなっているんじゃないかと思って絶望していた時期もありました。今日はとりあえず、自分もそうなんじゃないかと自省してみます。自分自身がそうならないように。後に続く人を絶望させないためにも。

2006/1/28  11:19

投稿者:ghost
それはそれでわかるよ。>由羽殿

でも、諦めたのは人生のほんの一部であって、誓った人生自体を諦めてないからでしょ。いろんなことがあるけどさ。頑張ろうね、お互い。

2006/1/28  0:43

投稿者:由羽
何かを諦める事で得られる事もある。
もうpaxilは飲まないと人生に誓ったから。

#身に覚えが無いのに連続投稿の濡れ衣を着せられました:-(

2006/1/28  0:42

投稿者:ghost
感謝するのはボクの方だ。
キミたちが「何か」を得てくれたのだとしたら、それこそが唯一ボクにあり得る救いなのだから。
三人三様の言葉にありがとう。

2006/1/27  22:51

投稿者:快速特急INAJI
自分に足りなかったことを気づかせていただきました。

ghostさんの話を読んで、月曜日からの友達との会話がさらに楽しくなりそうです。

http://sky.ap.teacup.com/shinano383/

2006/1/27  21:57

投稿者:急行303M
社会人になってみるといろいろ変わった体験をします。それまでの世界とまったく違う…
自分自身それに対する変革とか(所謂社会人としての自覚)というものがまだなってませんが失ってはいけないものがあるというのも感じています。
まさにghost氏が今日語って折るようなこともそのひとつではないでしょうか。
社会人の奇妙な体験はウチのブログで時々愚痴っていますが少なくともそういう反面教師を手本に成長してゆくのも手だと思ったりします。ああはなりたくないって…
私の仕事は基本的に柔軟性と機動性と根気強さが求められます。だから人間として失ってはいけないものが多いことに気づかされるときがあるんです。
今日、ひとつ新しいことを気づかせてくれたghost氏に多謝。

http://www.geocities.jp/kyukou303m/

2006/1/27  18:16

投稿者:toukaidou211
最後まで読んでみましたけど。ほんとその通りだなと思います。実際、まだ会社に通ったことも、アルバイトもしたことありません。しかし、「自分の知っている世界」「知らない世界を知ろうともしない人」の話では共感しました。僕自身、どうこう生意気いえる立場ではありませんが、なんとなくでも話が理解できたと思います。

http://tetsudougazou.hp.infoseek.co.jp/

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