ネットVRMユーザーがVRMユーザーのすべてではない

2005/5/22 | 投稿者: ghost

本稿はVRMovies BBSに投稿した拙文をリライトしたものです
実際のところ、ネット上で活躍するVRMユーザーの指向するところは、必ずしもVRMユーザー(ネット上に登場しない潜在的なユーザーも含めて)総体のそれを代表していないと考えるべきだろう。有り体に言えば、我々はマイナーな存在である。

例えば、リアル鉄道模型の場合。
漠然とした通念として「王道は情景付固定式レイアウトである」といった認識があると思われる(これ自体、故山崎喜陽氏を中心とするTMS誌のプロパガンダの結果とする見方もあろうが、ここでは捨て置く)。が、それに反して、実際のところ鉄道模型愛好家(数輌気まぐれで買った人も含めて)全員を母数にすると、固定式レイアウト作る人の割合はさほど多くないことは想像に難くない。つまり、実際には鉄道模型趣味のひとつのジャンルに過ぎないマイナーな存在が王道とされているワケだ。
このことに異を唱える人がいないわけではないが、その声はあまり広がらない。これは、たとえそれが正しくない認識であったとしても、その見た目のインパクトから業界の広告塔としてそれなりに価値があるからだろう。「鉄道模型の王道は情景付固定式レイアウトではない」が証明されたからといって、誰も得はしないのだから。

VRMもまた然りで、大半の、つまりネット上で作品を公開したり毒を吐いたりしない「まっとうなユーザー」は、実のところそれなりに綺麗なCGで車輌が描画さえされていれば、地面テクスチャやストラクチャのバリエーションには無頓着なのではないか、と考えるのはそれほど突飛なことでもあるまい。つまり、VRMのメジャーな遊び方は、実は仮想空間に情景付固定式レイアウトを作ることではなく、いわゆるお座敷運転を再現することである可能性が高い。
ある意味、V4で実装されたスクリプト機能は、マイナーな存在であるレイアウト職人・毒吐きユーザーへの鎮静剤のつもりで処方されたものなのかも知れない。「VRM4が皆さんが満足できる程度に充実するまでこれで遊んで待っててください」といったところか。

一方で、再びリアル鉄道模型界の動向へ目を向けると、昨今改めて固定式レイアウト(含むセクション)向きのストラクチャラインナップが充実しつつあるのもまた事実である。業界全体の流れとしては、情景付固定式レイアウト構築を、本当の意味で鉄道模型趣味の王道に押し上げたいニーズがあるのかも知れない。
そう考えたとき、VRMの今後に活路を見出すひとつの方向性として、そういった広義の鉄道オモチャ業界の流れの中に、如何にして乗じていくか、紛れ込んでいくか、というのが課題ではないかと思う。その課題はVRM開発側の課題ではない。
鉄道模型メーカーがレイアウト製作意欲をそそる商品を流通させて市場を刺激するように、VRM開発側もまた、レイアウト製作意欲をそそる部品・新機能をリリースして我々を刺激するしかない。それをどう料理するかは、ひとえにマイナーな我々ひとりひとりにかかっている。

ネットVRMユーザーの指向性(それ自体、一枚岩では決してないが)がメジャーになる必要性はない。が、料理のバリエーションを豊かにするには、料理人の数は多いほうがいいに決まっている。そう考えたとき、少なくとも拙者は、自身が豊かな料理をしようと精進し続けると同時に、その料理を「あ、オレもやってみようかな」と思ってもらえるように盛り付けていきたいと思う。
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