2006/4/26

ここしばらくのネットVRM界隈をウォッチしていて、面白くなってきたなーと思うことがあるのでそれについて書きます。特に誰がどーこーという話ではないので「クリリンのことかー!!」的な反応をしないように。っつーか、半分くらいは自画自賛ですから。

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ボクがネットVRM界隈に参入した当時−2003年半ば頃ですが−のネットVRM界隈のコンテンツの主流は、VRMレイアウトファイル現物の公開が主でした。少なくないスクリーンショットも存在しましたが、それらはVRMに収録されている車両の紹介であったり、ダウンロード可能なレイアウトの添え物でしかありませんでした。手前味噌ながら、そういう当時の状況に一石を投じたのは他ならぬボクであり、言うまでもなくそれは「VRM動画」というスタイルです。これに少し遅れて、「加工スクリーンショット」というスタイルが、複数のVRMユーザーから同時多発的に登場しました。

「VRM動画」と「加工スクリーンショット」には2つの共通した意義を見出すことができます。
1つには、それまでのVRMコンテンツが概ね「VRM自体を見せる」ことを目的としていたのに対し、動画や加工画像は「VRMによって描かれた世界を魅せる」という性格を持っていたことです。今思うと、こういうムーブメントが台頭してきた頃に出版された「鉄道模型シミュレーター3レイアウトコレクション」において、「魅せるレイアウトを作る」がテーマ設定されていたのは、当時の担当者であるTAMO2氏の慧眼の為せるところであろうと感心します。
もう1つは、それまで同じ「VRMユーザー」に向いていたネットVRMユーザーの目が「非VRMユーザー」に向き始めたことを象徴している、という点が挙げられます。つまり、動画にも加工画像にも、VRMを持っていないネット上の閲覧者をして「へぇ、VRMってこんなことが出来るんだ」と思わせたいという意図が、明に暗に含まれていた、ということです。
概括すると、2003年から2005年半ばくらいにかけてのネットVRM界隈の潮流は、その功罪はさておき「外部への訴え」を指向していた、と言っても過言ではなかろうと思います。


この流れが、2005年の半ばから変化したのを感じています。ネットVRMユーザーの視線は再び内側を向きつつあるようです。ただ、これは単純な先祖返りではありません。
2003年以前のそれが「キミはVRMを持ってるの?ボクもVRMを持ってるよ!」という「仲間信号」の域を出ていなかったのに対し、現在に連なる流れにおいては明らかに「ボクはVRMをこう使っているよ!キミにも出来るよ!」という、ある種の「啓蒙思想」を大なり小なり含んでいることを見て取ることが出来ます。
何がこのような転換のキッカケになったのかは定かではありませんが、2004年末に登場したVRM4が(誤解を招く表現ながら)想像以上に難物であることが認知されだしたのが丁度この頃であり、そのことに危機感を感じたユーザーが、同時多発的にノウハウのシェアを始めた、という解釈が可能でしょう。
これまた手前味噌ながら「VRM侍」の「誉め殺し」による誘導効果も無視できない要因であったと思われます。暇な方は誉め殺しの過去ログをザッと読み返していただいても面白いと思いますが、そもそもこれらの記事は、一見してあるユーザーを誉めているように見えて、その実は、そのユーザーの事例から普遍的な何かを抽出し、それを真似ることを他のユーザーに勧める、というスタンスで書かれています。逆に言うと、誉め殺されるためには「他のユーザーの参考になるコンテンツ」を書く必要がありました。もちろん、これはボクがそういう誘導意図を持っていたからです。

「蜘蛛の糸」の[GJ]タグも、ほぼ同じ意図で振り出しているのですが、少しハードルを高くしました。
素晴らしい事例の出てくる速度が、とても個々にレビューを書けるものではなくなってきた(これがはてなブックマーク+RSSを採用した直接の理由です)ので、「誉め殺し」の際におこなっていた「ghostが事例の意味するところを読み解く」が抜け落ちてしまっていますから、その分は、個々の事例の発表者、すなわちコンテンツを書いた人に依存せざるを得ません。
そういうワケで、[GJ]タグは、テクニックが優れているか、ネタとして面白いか、ではなく(もちろん、それは前提条件ではありますが)「それを読めば他のVRMユーザーが真似れるだけの情報を含んでいるか」を評価基準に置いています。逆に、どんなに凄いテクニックや面白いネタであっても、単なる自慢話に見えてしまう(本人がどう思っているかはさておく)コンテンツは敢えて無視しています。
そして、誤解のないように申し上げておくのですが、これはボクが誘導を意図してそうしているのではないという点です。既にそういうムーブメントが走り出しているのを感じたのを受けて、ボクはそれを後追いしたに過ぎません。つまり、これはネットVRMユーザーたる皆さんが生み出した流れなんですね。これは、考える以上に凄いことですよ。

で、誉めっ放しもアレですので冷や水を浴びせておきますが、視線が内側を向くというのは、同時に外側への視線を失うことも意味しています。素晴らしい事例紹介が増える一方で、それが生まれるに至った経緯や文脈を理解していないとわからないコンテンツの公開が増えているように感じます。つまり、非VRMユーザーが読んでも、まったく意味不明な場合があるということです。有り体に言えば「内輪ウケ」。
諸兄にVRMの宣伝広告塔たれ、と力説するつもりはありませんが、同じエネルギーを費やすのであれば、それによって新たなユーザーをVRM界隈に引きずり込み、I.MAGiCが儲かってボクらの楽しめるパッケージが増える、というスパイラルを意識しておくことは悪いことではないと思います。世界征服計画が、これをターゲットしていることは、言うまでもないでしょう。
加えて、濃密なノウハウが日々公開されていく一方で、これを何らかの形で整理する必要性を感じています。一発ネタがボンボン出ては消費されていく、というのは生産的ではありません。優れた事例紹介をビギナーのニーズに合わせてすばやく引き出せる何らかの仕組みがあれば、お笑い優先の一発ネタの積み重ねですらネットVRM界隈の資産に化けます。
現時点においてボクはこの問題に対する解を見出せていません。これについては、諸兄と一緒に考えて何かを作り出していきたいと思いますし、独自に何かを(ボクが突然「世界征服」を宣言したように)ブチ上げてくれる人がいれば、歓迎します。
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