2006/7/2

#21 クールかつホットなロック魂−45-50s殿(後編)  VRMユーザー紳士録
前編はこちら】

● メタ視点からネットVRM界隈を考えよう

VRM入道(以下入): 45-50sさんは、ネットVRM界隈をメタ認知できる数少ないネットVRMユーザーのお一人だと思っています。
45-50s氏(以下4): 僕自身が「自分の視点」を信じていないからそういう語り口になるんじゃないかと思います。もし僕が「自分の視点」だけからそのまま文章を書いたら、きっと今以上に独善とエゴと私利私欲でいっぱいの、とても読むに堪えない文章になるでしょう。
入: 私が45-50sさんをもう少しご年配の方だと思い込んでいたのも、なかなか20代でそういう認識に立てる人が少ないからです。大抵の人はエゴ剥き出しになるか、あるいはそう見られるのを恐れて沈黙しますから。
4: ありがちな言い方かもしれませんが、いま自分のいる場所からは地平線の向こうは、そして自分自身も見えないわけです。それを見るには、離れた別の場所に行く、つまり、他者の視点になりきるか、あるいは宇宙船に乗って上空から眺めるしかありませんよね。もちろん実際にはそんなことはできませんが、よく何か考えるときは想像、あるいは妄想でもってそれらの視点になったつもりで考えます。逆に言えばそうやって書いた文章は単なる妄想の産物に過ぎないのですが、それでも他所の視点に目もくれないよりは、妄想であっても思いを馳せること自体は大事だろうと思います。
入: そういう45-50sさんだからこそ、ネットVRM界隈全体を俯瞰したお話をしてみたいと思います。私の認識では、この半年くらいでネットVRM界隈の雰囲気が大きく変化したように思っています。これは、表面上はweblogの流行があるとは思いますが、それだけではないようにも感じています。
4: 変化とは、新しいユーザーが急に現れはじめた、あるいはより根本的に、新しいユーザーが現れうる環境が整ってきたということでしょうか。それとも逆に、現われはじめた新しいユーザーによって何か新しい流れができつつあるということでしょうか。
入: いい表現ですね。両方だと思います。
4: いずれにしても、weblog系ツールの充実が変化の理由かどうかはわかりません。むしろ個人的には、VRM侍の誉め殺しが遅効性の効果としてあらわれはじめたのではないかと考えています。誉め殺しに対してしばらく様子見を決め込んでいたネットVRM界隈の雰囲気がようやく緩んできたのが、半年前だったのではないでしょうか。最近はghostさん以外の方も、以前よりずっと積極的に他のユーザーの名前を挙げるようになりましたね。以前は一方的に自身の成果を発信するだけ、というと語弊がありますが、誰かから声をかけられることをただ待っていることが多かったのが、最近は相互交流に近いものができつつあるのかなという気はします。
入: ある意味、それは私が強く望んでいたことでもあります。
4: 僕のスタイルにも通じる話ですが、後発のユーザーはVRMにおいて自分固有のアイデンティティをもっていることは稀でしょうから、それを探すために必然的にそういう相互交流に流れが傾いたのではないでしょうか。

● 今、ネットVRM界隈に欠けているものは?

入: 同意します。さて、何事もそうなんですが、変化というものには常に良い面と悪い面があると思います。今のネットVRM界隈の良い点、というのは何ですかね。
4: まさに、より積極的な相互交流がはじまりつつあることです。これは将来、Bahnsim PROを介しての日欧の交流がはじまったときにも、間違いなくよい影響を与えるでしょう。あと、ネットVRM界隈って平和ですよね。荒らしとか、罵詈雑言とか、ネットVRM界隈はとりあえずそんなこととは無縁で、ネットVRMユーザーの皆さんの人柄ゆえだと思います。
入: でも、平和っていうのは、悪い面もありはしませんか?
4: そうですね。荒れないというのは、裏を返せば同じ様な人たちが馴れ合っているだけだから、とも言えますから。そういう意味では、ほかの仮想鉄道系ゲームやリアル鉄道模型のような隣人との交流はもっとあっていいかもしれません。そのためにはもっと我々の知名度を上げなければいけませんけど。
入: 私もそこが課題だと思っています。相互交流は確かに活発になっているんですが、まだまだ「自分のWeb/blogに他のVRMユーザーを招き寄せる」だけに留まっているように思うんですね。それはそれでいいんですが、こういうのって、チャネルが合わない人から見れば単なる内輪ウケだし、昔から交わってないと非常に入り辛くなってしまうと言うか。内部では交流が盛んな「閉じた村」と言うか。
4: 閉じた村といえば、せっかくユーザーたちが築き上げてきたVRMの資産が参照しにくいことがありますね。
入: そこですよ。VRMを知らないとVRMネタは読めない、わからない、というのでは、先ほどおっしゃったような「我々の知名度を上げる」にも貢献できないし。ただ、ネットVRM界隈ではそういう外へ向かう意識への評価がまだまだ低いのかな、という気がするんですね。ネットVRM界隈の中に限っても、わかってくれる人だけをターゲットしてネタを撒くことの繰り返し、みたいな。
4: でも、難しいですよね。外部にも理解されるように整理した情報発信を継続的に保守するのっておそらく想像する以上に面倒な作業でしょう。決して水を差すつもりはないのですが、たとえばあるネタが有用か否かの取捨選択にしても、有り体に言えば選択者の主観で決めてしまうのはあまりよろしくないですし、特に自分の選択眼は客観的だという自負のある人が行うのはまずいでしょう。かといってブレのない明確な採用基準を策定するのもなかなか難しいと思います。
入: むしろ私なんかは、その「選択眼」を複数の人が競い合ったりすると面白いと思うんですけどね。VRM侍はそういうあり方の例を狙っていたんですが、45-50sさんの仰るように「ghostは自分の選択眼が客観的であることを自負している」って誤読してた人の方が多いような気がしています、それが嫌で「出家」したんですが(笑)。こういうのって、ライバルがいないと駄目なんで。
4: さきほどネットVRM界隈が平和だと言いましたが、ghostさんも仰るように、それは健全な批判意識が欠落している、ということでもありますよね。その根っこには自己完結を良しとする観念があるように思います。ネットVRM界隈が外へ向かって閉じていると同時に、個々のVRMユーザーの多くがほとんど自覚なしに閉じている。
入: そこらへんが現在のネットVRM界隈の限界なのかな、と思いますね。もちろん、だから駄目だ、というワケではなくて、今はコミュニティ進化のそういうステップにネットVRM界隈が差し掛かっているってことだと思うんです。
4: 界隈がなんとなく停滞していることは感じていても、では具体的に何をなすべきか、についてはさっぱり思い至りません。できるのは、せめて自分の過去資産だけでもアクセス性を高めるために目次を作ることと、レイアウトやスクリーンショットに他のVRMユーザーの皆さんの資産を積極的に取り入れて、自ら開かれた相互交流の実例を示していくことくらいです。
入: いや、そういうことの積み重ねにこそ価値があるんだと、思いますよ。ネットVRM界隈的にも、そして、それに挑戦する本人にとってもね。

● そんな45-50sさんが“誉め殺し”たいVRMユーザーとは?

入: 期待に違わず、濃いお話を伺うことが出来て楽しかったです。蛇足的ですけど、対欧州工作にレイアウトを供出していただいてますが、UKロックに造詣の深い45-50sさんから、対欧交流の今後について一言。
4: 英語に慣れるべくUKロックを聴きまくることをお薦めします(笑)。
入: それ、あんまりVRMとは関係ないし(笑)。
4: 今回Bahnsim PRO砲兵隊に参加させていただいたのは、Bahnsim PROのためというよりも、自分のVRMレイアウトが欧州ユーザーに楽しんでもらえるかもしれないということへのワクワク感からです。大学生になったばかりの自分には、まだまだ外国は遠い存在ですから。日欧ユーザーの交流については、明確なビジョンはないです。何しろどんなものになるのか想像が付きません。ただ彼らがBahnsim PROを使って一体どんなレイアウトを作ってくるのかということには大いに興味があります。あとは、欧州ユーザーの中から「Homekoroshi - VRM Knight」みたいなのが出てくれば面白そうですが。
入: ああ、私もそれ読みたいです(笑)。向こうの人は一般的に批評精神旺盛ですから、私のような中途半端な斬り方ではなく、それこそ馬上から槍で串刺しにするような突っ込みをしてくれる人が出てくるかも知れませんね。では、お決まりのヤツを。ボクは出家して「誉め殺し」は止めたんですけど、遠慮なく誰かを誉め殺してください。
4: まずは啓明さんですね。啓明さんの作品には不思議なリアリティが感じられて、学ぶことが多いです。一見王道のつくりなのに誰にも真似ができないという、これはすごいことですよね。もう一人はfoxさんです。foxさんはいまのネットVRMユーザーで最もビギナーに開かれた方ではないでしょうか。ビギナーからエキスパートまで皆の役に立ついくつものWebといい、そこかしこにテクニックの詰まった巨大レイアウトやムービーといい、ネットVRM界隈に無くてはならない存在だと思います。
入: 最後に。ズバリ、45-50sさんにとってVRMとは何ですか?
4: “創造力のちから試し”です。
入: ありがとうございました。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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