VRMが鉄道模型レイアウトの設計過程を可視化する

2005/5/25 | 投稿者: ghost

啓明氏VRMを活用した固定式鉄道模型レイアウト造営計画が順調に進行しつつある由、祝着至極。で、本日は氏の以下のご発言を踏み台に我田引水的に持論を語る也。

いざ調べてみると、配線案について書かれているサイトや書籍は案外少ないように思える。

啓明氏は「配線案」という言葉を使っておいでだが、氏の意図はいわゆるトラックプラン、かつ、完成したそれではなくトラックプランが完成するまでの「過程」ではないかと思う。これは拙者自身、本格的に鉄道模型レイアウト作りを始めた折に、まったく同じ印象を持ったので非常に共感できる。確かに少ないのだ。鉄道模型雑誌に散在する施工手記を追えば皆無ではないだろうが、少なくともこのテーマに絞って体系的にまとめられたものは寡聞にして存じ上げぬ。

さて、何故ないのだろうか。考え得る第一の理由は「そんなものにはニーズがない」ということだろう。しかし、現にこうして図らずも拙者も啓明氏も共に、とりあえず探したのである。電波ゆんゆんな拙者はさておき、啓明氏はまっとうな鉄道模型愛好家であられるから、一般的にそのようなニーズがない、とは言えないだろう。
第二の理由は「そんなものを書く人がいない」だろう。以前から疑問に思っていたのだが、雑誌等に作例記事を書くモデラーの文章は、概ね「新奇な工法」と「レイアウトへの思い入れ」に集約される傾向がある。前者は、まさに大半の読者の求めるところであろうが、後者には疑問がある。誤解を覚悟で言えば、モデラーの少年時代の思い出などは読者にとってはどうでもいいのだ。が、実際には多くの施工手記にそういった内容が含まれる(時には紙面の半分近くを割いて!!)のである。そのことが非難された、という話も聞かない。
思うにモデラーが「レイアウトへの思い入れ」を書かざるを得ない理由は、そこにこそ彼(または彼女)がそのレイアウトをそのように作った必然性があるからに違いない。つまり、語ろうとしていることはまさに「どうやってこのレイアウト(プラン)が生まれたか」なのである。しかし、前述したようにレイアウトの設計過程を記した文献は少ない。
そこで第三の理由に思い至るわけだが、要するに「設計の過程を記述する手段がない」のが最大の要因ではないか、と思う次第。絵心でもあれば露知らず、あまねく全ての鉄道模型愛好家が未だ施工に及んでいない、自身の脳内だけにある「理想の鉄道風景」をビジュアルに表現する術を備えているとは考え難い。とは言え、文章で表現すれば退屈極まりない読み物になるのは必至だし、配置図面(いわゆるVRMレイアウターの画面)でもモデラーの思い描くそれは伝わらないだろう。

このように考えたとき、もっと世の鉄道模型愛好家諸兄にVRMを知ってもらいたい、と切に願わずにはいれないので御座候。レイアウト製作経験豊かな方がVRMを活用し、自身のレイアウトプランが着想から設計に至る過程をビジュアルに表現してくだされば、それは必ずや興味はありつつも着手に至れない多くのビギナーにとって、頼もしい資料となるに違いないのだ。
啓明氏が今回言及しておられる「光源について」「拡散と集中」「擬似遠近法」も、完成したレイアウトの写真から語るのは容易だが、設計の段階においてそれをどのように考慮したか、どのような試行錯誤があって設計が固まっていったか、を示すには、VRMのようなツールが有効な手段となるだろう。
このような施工手記の表現技法を唱導するべく、VRMユーザー諸氏に事例公開の協力をお願いしたい。貴君自身がリアル鉄道模型に通じている必要はない。貴君のVRMレイアウトが完成していく過程こそが、まさにそれになるはずだ。そして、以前にも論じたように、それは単に本稿で述べたことのみならず、VRMビギナーにとっても有益な読み物になるだろう。まさに一石二鳥。

みなさん、そんなに暇じゃないですか、そうですか。
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