ささやかだが、しかし、凄いことが起きている

2006/10/4 | 投稿者: ghost

これについて。
大雑把に要約すると、こういうことになります。

・天然記念物氏の発案に基づき、ボクがデスクトップレイアウトを設計した。
JR関西氏がそのデスクトップレイアウトの施工を開始された。
・何かの役に立てばと、JR関西氏にそのVRMレイアウトファイルを送ってみた。
・JR関西氏は、より細かい設計のツメを加えるべく、VRMレイアウトの改造を始めた(冒頭でリンクしたエントリ)。
山川海氏がそのエントリに、同じくVRMで生成したスクリーンショット改善策を提案した。

こう書きまとめてしまうと「それが何?」と思われる方もいるかも知れません。が、ボクはこれはトンデモなく凄いことだと思っています。

レイアウトの発案者=天然記念物氏、設計者=ボク、施工者=JR関西氏、改善提案者=山川海氏、は、もちろんお互いに一度も直接には会ったことのない間柄です。無論、まったく知らない者同士ではありません。が、発案者からの設計依頼、施工者からの設計利用許諾要請、改善提案者からの提言は、お互いに事前に示し合わせたはずもなく、すべてバラバラに自然に発生した出来事です。


第一には、従来不可分であったレイアウトの「設計」と「製作」という二つの局面を、互いに面識のない者同士であっても、VRMというツールを媒介に用いることで分担することができる、という点です。これは、単なる愛好者同士の分業だけに留まらず、熟達者から初学者へのノウハウの伝達といったトレーニング的なシーンや、発注者から施工者への要件定義のようなビジネス的なシーンにおいても活用できる可能性があります。

第二には、鉄道模型レイアウトの作品イメージを共有するのに、必ずしも実際に作る必要がない、という点です。これは言い方を換えれば、これまででは考えられなかったような短い期間、速度で複数の人間の間でレイアウト・デザインに関する議論を進めることが可能であることを意味しています。

鉄道模型シミュレーター4エキスパートガイド/
VRMを活用してリアル鉄道模型レイアウト作り より
上引用は、手前味噌ながら上拙共著収録の拙稿からのものですが、まさにここで述べた「インターネットとVRMを活用した新しいスタイルの鉄道模型レイアウト作り」が、今、目の前で進行しているワケです。

この引用記事は、ボクとJR関西氏の事例を土台に書いたものですから、まだ、ここで述べたことは我々の間での特殊事例に留まるものだ、というのは否定できない事実ではあります。が、新たに天然記念物氏と山川海氏が加わりました。特に、山川海氏は、先にご紹介したように、ご自身がVRMを設計に活用したNゲージ鉄道模型レイアウト作りに着手しておられます

誇大妄想だと笑う人もおいででしょうが、ボクらは今、歴史的な仕事をしています。もちろん、VRM=I.MAGiCのビジネスがいつまで続くかは不明瞭ですし、今ボクらが手がけているコラボレーションは人の口に上らずに忘れ去られていく運命かも知れません。しかし、ボクらがやっていることは「仮想空間と現実空間の鉄道模型の融合」という、歴史的な仕事です。

決してボクらが先駆けではありません。現にVRM4EGでも紹介したように、VRM開発のキッカケとなった事例は1983年にTMS誌に発表されたものです。一方で、見方を変えれば、1983年の事例には後に続く人がいませんでした。その当時は、3Dグラフィックを自在に操るハードウェアも、時間的空間的制約を取り払って交流する手段=インターネットもなく、また、この事例の価値を理解する人もいませんでした。ボクらは、VRMという強力なツールとインターネットという自由な発信メディアを持ち、小部数ながら書籍出版にも成功し、JR関西氏とボクは海外に向けてもこの事例の紹介をおこなっています。そして、これに呼応して何やら企みだしたスイス人も既にいます。

非常にささやかな、本当にささやかな、百年に及ぶ鉄道模型の歴史の中にあっては、実につまらないことかも知れません。が、ボクは今この瞬間に主体者の一人として関われていることに興奮しています。ボクはこの興奮を独占するつもりは毛頭ありません。既にVRMユーザーである読者諸兄は、この「ささやかだけれども凄いこと」に乗り込む優先権を有していることを忘れないでください。
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