2006/10/24

#23 瑞西からこんにちは−Willi Leopold殿(後編)  VRMユーザー紳士録
前編はこちら】

● ヨーロッパから見た日本の不思議

VRM入道(以下入):私はBSP/VRM News from Japanを通して、決して多くはないですか、いくつかの日本のVRMユーザーのVRMの活用事例を紹介しました。これらに対して、どのような感想をお持ちですか。
Willi氏(以下W):失礼な表現になるかも知れませんが、最初に私が感じたのは、日本のVRMユーザーが作るVRMレイアウトが、意外に小さいことです。私は、TOMIX Fine Trackについて調べたときの経験から、日本の鉄道模型レイアウトの多くが、住宅事情によってその大きさが制約されていることは承知していました。ですが、VRMにはそういう制約はないでしょう?
入:それはおっしゃる通りですね。その疑問に対する明確な回答を私は持ち合わせませんが、仮説としては、日本のVRMユーザーを含む鉄道模型愛好家は、レイアウトの大きさよりも密度にこだわる傾向がある、と言えるかも知れません。あくまでも一般論ですが。
W:まさにその点についてはヨーロッパやアメリカの事情とは対照的であるように思います。ヨーロッパやアメリカの鉄道模型レイアウトは、それがリアルであるかヴァーチャルであるかを問わず、とにかく大きいですから。しかし、私は日本人の作る小さなレイアウトを魅力的にも感じます。特に、初心者にとってそれは良いお手本になり、結果的に趣味の間口を広げていると思います。
入:印象に残った日本のVRMユーザーはいますか?
W:あなたを除いて?
入:もちろん。私は、私自身が異常な例であることは承知していますから。
W:では、45-50sさんの名前を挙げておきましょう。彼のweblogは定期的に拝見しています。しかし・・・
入:?
W:言うまでもないと思いますが、私にとって日本語で書かれたWebサイトを読むのは、なかなかの苦行です。ほとんどの場合、それは日本語のみで書かれています。I.MAGiCやTOMIXの公式サイトといった、企業ですらそうです。私には、まったくその理由が理解できません。彼らは海外の我々に何かを売ろうという気持ちがないのでしょうか。
入:・・・あぁ、それは日本人の一人として、常々恥ずかしく思っていることです。
W:機械翻訳を使って挑戦はするんですよ。でも、ほとんどの場合、得られる英文は意味をなしていません。そういう意味で、あなたのやってくれたことには大変感謝しています。
入:いや、下手糞な英語で申し訳ない限りなんですが。それはともかくとして、私は以前からインターネットにおける日本人と他国人、特にアルファベット文化圏の方との非対称性に問題意識を持っています。我々があなたがたのWebコンテンツに触れるのは容易ですが、あなたがたが我々のWebコンテンツを読むのは極めて困難です。なにせ、使われる文字の数の桁が違いますから。
W:我々も、日本に関心がある以上、日本語を学ぶべきであるとは思っていますし、実際に学んでいる欧州人は少なくないですよ。
入:そこです。私は、特にヨーロッパの方々は、BSP/VRMに限らず日本発の情報に飢えておられるのではないかと思っているのですが、実のところはどうなんでしょうか。
W:答えはイエスです。私の関心事に限って言っても、ゲームと鉄道の分野について、もっと日本からの情報発信が欲しいと思っています。日本は、ゲーム機の開発でもそうですし、そのソフトウェアの生まれる地としても、非常に魅力的です。SEGAや任天堂やSONYといったメーカーから、創意溢れるゲームが我々の手元に届きます。特に、ロールプレイングゲームについては、日本は伝説的な存在とすら言えます。
入:私自身、以前そういう方面でヨーロッパの方々と親交があったので、よくわかります。
W:また、私にとってより興味があるのは、やはり鉄道であり、鉄道シミュレーションの分野に関する日本発の情報です。鉄道ファンでなくとも、ほとんどのヨーロッパ人が“新幹線”のことを知っています。
入:パリで、私の顔を見ながら“シンカンセン?シンカンセン?”と微笑むおじさんに会ったことがありますよ(笑)。
W:ヨーロッパで入手可能なNゲージ機関車の最高峰だって日本発、つまりKATOです。いくつか持っていますが、素晴らしい製品です。しかし、何故かTOMIXの製品をスイスでは見かけません。彼らは我々に売りたくないんでしょうか。また、TAITOもそうです。私は“電車でGO!”に魅せられた多くのヨーロッパ人を知っていますが、彼らは売る気がないようです。こんなに私たちは欲しているのに!

● お互い地球の裏側に住んでいるけれど

入:話題を再びVRMに転じましょう。BSPはもう死んでしまったわけですが、今後についてはどうお考えですか。I.MAGiCに何か期待することはありますか。
W:I.MAGiCには、とにかく日本の中でだけビジネスをする、というポリシーを改めて欲しいです。VRM4を持って、ヨーロッパの市場に乗り込んで来て欲しい。I.MAGiCが決して大企業でないことは承知していますが、今日においてはインターネットを通じてそれが可能なはずです。英語のWebサイトを作り、英語版のVRM4をダウンロード販売するといったように。VRMを欲しがるようなヨーロッパの顧客で、数百メガバイトのダウンロードを躊躇する人なんていませんよ。
入:日本のVRMユーザーに対してはどうですか。
W:I.MAGiCがヨーロッパ市場に参入するのを後押しして欲しいですね。それは皆さんにとっても利益のあることだと思います。そして、VRMのファンは日本以外にもいることを忘れないでいて欲しいです。
入:最後になりますが、BSP/VRMは、Williさんにとってズバリ何でしょうか?
W:凄いシミュレーションです・・・価格も凄いですが(笑)。しかし、正直に言ってBSPは大きな失望と苛立ちのみを私に与えました。しかし、BSPは別のものを私にもたらしました。それは、あなたや45-50sさんといった、日本の方々との出会いです。BSPは死んでしまいましたが、今後も、何らかの形で日本の鉄道ファンと交流していきたいと思っています。共通の興味と趣味さえあれば、地球のほとんど裏側に住んでいようが、言葉や文化の隔たりがあろうが、貴重な交流が可能であることを私たちは証明できたと思います。鉄道ファンは、どこにいても鉄道ファンです。そして、私たちがこうしてノウハウや経験を分かち合えることは、最も素晴らしい人間の美徳であると、私は思っています。
入:私も強く同意します。本日は地球の裏側からありがとうございました。
W:お礼を言うべきなのは私の方です。あなたの努力を通じて日本の皆さんと知り合えたことは、私にとって何物にも代え難い喜びですよ。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2006/10/24  16:16

投稿者:jrkwansai
こんにちは
レオポルド氏のご意見はごもっともでしょうが、メーカーとしては、内国販売だけで利益の上がっている商品を、わざわざ手間とリスクを覚悟で輸出することは、ないと思われます。
商品は、売りっぱなしでいいといったものではありません。文化や商習慣の全く違う海外でアフターサービスやサポートをするコストは、莫大なものとなろうかと思います。
その上に言葉の障壁もあり、まさに八方塞ですね。どうしたら、この障害を乗り越えることができるようになるのでしょうか?ネットの時代になったとはいえ、「瑞西でもVRM、TOMIXを愉しんで頂きたいと思えども、瑞西はあまりに遠し」ですね

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