2006/11/19

現代ローカル風景/櫻隼氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2006参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

昨年の大賞受賞作「敦賀(しおじ氏)」に勝るとも劣らぬ、写実的かつ高密度な作品であり、今回の参加作品の中でも抜群にハイクオリティであることから、その大賞受賞は誰人にも異論のないところであろうと思うし、VRM4からVRMに入門した諸兄にあっては、この作品をお手元のPCで楽しむためだけであっても、VRM3特急列車大全集1&2を購入する価値があることはボクが保証する。

本作の見所は多岐に渡るのだが、特に他VRMユーザー諸兄にも今後の参考にしていただきたいという意味合いを込めて、作中の駅構造に注目していきたい。

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本作には、計4つの駅を認めることが出来る。

かつてボクはレイコン参加作を作るヒントとして「駅は1つだけを徹底的に作り込め」と書いたことがある。これは、基本的にVRMではI.MAGiCが提供する部品の配置の妙を競う他なく、その表現には自ずと限界があることによる。つまり、似たような構造の駅をダラダラならべるくらいならば、そのエネルギーを1つの駅を個性的に組み上げることに振り向けよ、との提言であった。

これに対し、櫻隼氏は類稀なる胆力でもって、作中の4つの駅をどれも見事なまでに個性的に仕上げている。ボクの論法に沿えば、氏は本作を作るに当たり、コンテスト級レイアウト4つを作るのに必要なエネルギーを投じている、ということだ。

上掲スクリーンショットは、作中に2つ存在する橋上駅舎構造を有する駅であるが、どちらも出来合い部品の組み合わせで実現されているとは思えないほどに個性的である。いずれも共通して「屋根式プラットホーム」が用いられている(上写真のホーム屋根と下写真の橋上駅舎屋根)が、パッと見、同じ部品が使われていることを感じさせないのが見事だ。

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プロトタイプとなっているTOMIX製品が古いこともあって、持て余しがちな「TOMIX対抗式プラットホーム」「TOMIX木造駅舎」も、氏にかかれば地形とのコンビネーションでかくも個性的な情景に生まれ変わる。“古くからある駅舎の上に、後年になって谷を渡る近代的な跨線道路が設けられた”といったような、本来VRMレイアウトにあるはずのない“歴史”すら感じさせるのだから驚きだ。

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築堤部に設けられた上掲の駅にあっては、最早評する言葉もない。「ビーム橋脚」をプラットホームに用いるのは、決して新奇な着想ではないが、この構造には目から鱗が落ちた。

櫻隼氏の作品が我々に示しているのは「VRMには手間暇さえ惜しまなければ何でも作れる可能性がある」という、古くはこてつ氏が“無理矢理ストラクチャ”を通じて示した手法の、まさにその極限である。そういうワケで、氏にはボクから謹んで“無理矢理大王”の称号を贈りたいと思う。

え、嫌ですか、そんなの?

*     *     *

余談になりますが、ハンドル名「櫻隼」は「さくらはやぶさ」と読むので正しいのでしょうか。英語版レイコン結果速報には既にそう表記してしまっているのですが、間違っていたらご指摘ください。>櫻隼殿

*     *     *

2006/12/17追記

おいちゃん氏による本作のレビューにもご注目あれかし。

http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50385589.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50385773.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50387478.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50389142.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50389443.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50390249.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50392805.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50393120.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50396317.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50399334.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50407938.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50417692.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50440192.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50459365.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50462281.html
http://blog.livedoor.jp/idobatakaigivrm3/archives/50464506.html

2006/12/11追記

新快速氏による本作のレビューにもご注目あれかし。

http://black.ap.teacup.com/sinkaisokublog/30.html
http://black.ap.teacup.com/sinkaisokublog/54.html

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2006/11/21  7:36

投稿者:ghost
つまるところ“才能”というのは「あることを長期に渡ってやり続けて、モノにする過程を惜しまないでいられる力」に尽きるのであって、櫻隼殿がいろんなことに興味が移りがちな多感な時期を通じてVRMに取り組めたことこそが“才能”なのですよ。

まぁ、やってる本人は「楽しい」としか感じていないとは思いますが、それは自分を少しずつ向上させていく過程を楽しめているから。逆に、楽をして成果だけを手に入れようと考える人、そのようにしか考えられない人は、実際にそれは達成不可能だから常にしんどい、楽しくない。

まぁ、そういうもんです。期せずして手にしたその力をいろんな方面で活用して活躍しちゃってください。あ、VRMの方もよろしく。

> テクスチャ

礼には及びません。むしろ、こちらが御礼を言いたいです。ネットVRM界隈における成果物の分かち合い、高め合いを推進するボクとしては、大賞受賞者の役に立てたのであれば光栄の極みですし、何より持論の正しさの証明でもあるので。

2006/11/21  3:03

投稿者:櫻隼
才能というか、単にユーザー暦が長い(小6のときにVRM1 TOMIXを始めてから早7年)とも言えますが…

また申し遅れましたが、今回の作品の地形テクスチャーの一部に、ghostさんの作成されたもの(BSP向けレイアウトに使用されていたもの)を使用させて頂きました。このテクスチャーが無ければこの作品は生まれ無かったといっても過言ではありません。この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

2006/11/19  16:55

投稿者:ghost
> 国鉄がJRになった年に生まれました。ギリギリ10代

マジっすか!?

mokoタンなんかもそうだけど、続々と台頭する才能溢れる若手に、オジサン、ちょっと焦っちゃうッ(はーと)。

2006/11/19  15:39

投稿者:櫻隼
こちらこそ、素晴しいレビューをして頂き、有難う御座います。結果発表の次に(それ以上に?)VRM入道でのレビューを楽しみにしておりましたのでw

>会議室でのご活躍は拝見しております。
有難う御座います。プライベートが忙しいので、時々解答するのがやっとではあるのですが…

>同世代なんでしょうか?
国鉄がJRになった年に生まれました。ギリギリ10代です。母の実家の九州へ毎年「みずほ」か「さくら」で帰省するという幸せな環境(w)で育ったので、ブルトレには思い入れがあります。

2006/11/19  10:52

投稿者:ghost
わざわざの御降臨、痛み入ります。
っつーか、明らかに「釣り」になってしまっていて面目ない(w>櫻隼殿

称号は冗談ですのでご寛恕いただきたく。
会議室でのご活躍は拝見しております。今後ともVRM界隈を盛り上げる旗手として期待しておりますので、よろしくです。

> もちろんブルトレファン

同世代なんでしょうか?
ボクは72年生まれですが。

2006/11/18  21:06

投稿者:櫻隼
はじめまして。"無理矢理大王"こと櫻隼です(笑)
駅をはじめ、様々なストラクチャーを個性的に仕上げる事にはかなりこだわったので、それを評価して頂き、さらに称号まで頂くとは大変光栄であります。

>ハンドル名
「さくらはやぶさ」で正しいです。そんな私はもちろんブルトレファンです(笑)

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