2006/12/26

スハネフのエンジン音デッチ上げ作戦  VRMナノ?
カテゴリ“VRMナノ?”を新設しました。読んで字の如く、ここで提唱した“ナノ−タネ”を自ら実践する企画です。要するに「VRMレイアウト作りに役立つ技術記事ではあるけれども、実はVRMの話ではない」という内容になります。ゆえに“VRMなの?”です。うまいこと言うなー、我ながら。

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VRM4第5号ユーザー限定になるんですが、とりあえずここで紹介したポータブル編成“EF65+14系「あかつき1号」”をダウンロードし、ビュワーで見てください・・・というか、聴いてください。スハネフ15に近付きますと、オハネからは聴こえないノイジーな音が聴こえてきます。特に機関車次位だと、EF65の機械音も混ざっていい感じです。

要するに、12系・14系の床下の発電用ディーゼルエンジンの音を表現してみたワケですが、今回、これを実車からの録音を使うのではなく、PC上で純粋にデジタル合成した音でやってみました。
上野は地下ホームだから反響で音が割れる。東京は騒がしすぎてきっと無理。

ボク自身はいわゆる「録り鉄」経験がないのでアレなんですが、上引用のmoko氏や、やはりその筋の作例を出してくれているtoukaidou211氏の話を聞くと、鉄道車両のピュアな音だけをVRM用に切り出すのが容易ではないことがわかります。

無論、本物サウンドに越したことはないですから、その筋はその筋で精進いただくとして、引き篭もりインドア派なボクとしては、PCの前に居ながらにしてピュアな音だけを作りたいな、と思い、実験的にやってみた次第です。


今回使ったのはコレです。

クリックすると元のサイズで表示します
<DreamStation DXi>

アナログシンセサイザー(のエミュレーター)です。

既にこの時点で多くの読者がドン引きのような気もするのですが(VRMより高価だし)、フリーのものもあるようですし、意外に直感的に好みのサウンドが作れるので、とりあえずは引かずに読んでください。

最初にやったことは“スハネフ エンジン 音 mp3”でググって目指すべきサウンドを確認することでした。幸い、いろいろ出てきます。で、適当なヤツをダウンロードしてスタジオウェア(ボクの場合はcakewalkです)に取り込みます。

あ、勘違いしないように。この音をパクったワケではないので。このトラックのパンニングバランスを右へ振り切って、片耳のみから聴こえるようにした上で、上掲のアナログシンセの音は左から鳴るようにし、両耳に聴こえる音が似るまでシンセの音色をいじくった、というのが今回の方法論です。先進的なのか原始的なのか、既にワケがわかりません。

音作りの戦略についてお話しておくと、アナログシンセサイザーというのは、モノにもよりますが、基本的な波形の音を積み重ねていって(synthesize=合成する、ですから)音を作っていきます。まず、エンジン音の奥底に聞こえる音程を100Hzくらい(とりあえず普通のドレミファの2オクターブ下、とでも思ってください)と見積もり、これをノコギリ波(音の強弱変化が直線的な波形、機械的な音になる)で出力しました。これが、パネル左上のOSCILLATOR1(oscillator=発振機の意)です。

これだと単に音程の低い「プー」という音がするだけです。よりノイジーな感じを出すべく、もう1つのノコギリ波を少しずらして重ね、音色を「ブー」に近づけます。これがOSCILLATOR2のお仕事。続いて、OSCILLATOR3にはいわゆるホワイトノイズを高い周波数で出力させ、「ブー」を包み込むように「ジャー」という音が出るようにしました。

この時点で既に雰囲気的には実物のエンジン音に近い感じにはなっているから驚きです。ここで改めて実音の方をよく聴いてみると、音程にゆっくりとした周期的なうねりがあることに気づきました。機械工学は門外漢なので詳しくはわかりませんが、おそらくはエンジン及び車体の構造に起因するものなのだと思います。これを再現すべくLFO(Low Frequency Oscillator=低周波発振機)を重ねます。これでゆったりとした音のうねりが加わります。

さらに、ちょっと音の厚みに欠けるような感じがしたので、歪み要素(パネル中のDIST=distortion)を加えてやります。いかにもコンピュータ音、という感じではあるのですが、かなり実音に近いものが出来ました。この時点で実音に対して欠けているのは、直感的には環境音のように思います。つまり、我々が鉄道車両の音を聴く際は、機器の発する音のみを聴いているのではなく、周辺からの反響音も合わせて聴いているワケで、シンセサイザーは純粋な音を発振する分、その環境音に欠けるワケです。

そこで、以下はアナログシンセの作業ではなくなりますが、ここにリバーブ(いわゆるエコー)を加え、さらに、より金属音っぽさを出すべくフェイザー(cakewalk付属のプラグイン的にはコーラスの一種なんですが)を、最後に実音のバランスに近づけるべくイコライザー(いわゆるグライコ)で高音部の悪目立ちを押さえたのが、今回リリースしたポータブル編成ファイルに収録されている“スハネフ発電機エンジン音もどき”です。

実際には、VRM4は音声リソースをループ再生しますから、ループ時の「ブッ」というノイズを押さえるべく、cakewalkが吐いたwavファイルを波形編集ツール(コレを使いました)で頭とケツの音量が揃うようにトリミングしています。今回はこの行程がやや不徹底で、わかる人にはループのタイミングがわかってしまうと思います。この点は研究の余地ありです。まぁ、実音から音声リソースを作る場合もコレは問題にはなるんですが。

洒落のつもりで着手したワリに順調に作業が進んで、それらしい音を得ることが出来ました。所要、2時間程度。慣れればもっと早く出来そうです、目指す音にもよりますが。今回目指したのは純然たる機械音ですが、チョッパ作動音やVVVF駆動音なんかは、どっちかというとシンセサイザーの発音原理に近い電子音ですから、むしろこのアプローチの方が面白い音が作れるんじゃないか、とか思っています。

今回のエンジン音については、既にいくつか内々に改善を指摘するコメントを頂いてますので、近々リベンジするつもりです。また、何か他にテーマがあれば振ってください、挑戦してみますので。合わせて、読者諸兄におかれても、アナログシンセサイザーに限らず、他のツールで同様のアプローチを試みられた際は、是非レポートをお願いしたいと思います。
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2006/12/28  16:35

投稿者:ghost
> 個人的には要らない派

ボクもどっちかってーとそうですw

> N-S2-CLくらい

いやいや。N的にはそうかも知れないですけど、広義の鉄道模型的には(特にメルクリンHOとか)アレゲな分野ですよね。

そういう意味で、こんなことも出来るぞ的なデモとしてはやっていきたいですね、本家は何もする気ないみたいだしw

具体的にはもうちょい先の話になると思いますけど、デジタル的に作ったサウンドを含むポータブル編成から“音付きデモムービー”を生成するのを誰かにやって欲しいです。例によって早い者勝ちで。

2006/12/27  23:49

投稿者:由羽
亀れすスマソです。
効果音の是非ですが、個人的には要らない派です。
だって、「鉄道模型シミュレータ」でしょ? と思うです。
N-S2-CLくらいじゃないですか? まともに走行音奏でようとしてる製品って。
てゆーか、冬休みの宿題増やさないでください_| ̄|○

2006/12/26  19:51

投稿者:ghost
見た目にはあんまり意味がなくて(ソフトだから、どうとでもできる)これは第一には過去のアナログシンセに慣れた人が違和感なく使えるような配慮であり、第二には“懐古趣味”なんだと思います。

値段はピンキリです。本文中にも書いたように、ボクの手元にあるのはcakewalkの付属品で、USB接続の入出力デバイス込みで3〜4万円だったように記憶してます。ハイエンドになると10万超えます。

余談ですが、つい先だって発売されて思わず買ってしまった http://d.hatena.ne.jp/asin/B000K7KKP8 があるんですが、ムーグのMS-20だけで音を作る、というアプローチのトラックがあって面白かったです。丁度、このエンジン音を作った後に聴いたので、発作的にやりたくなりましたが、ハマると帰って来れなくなるので、ちょっとペンディング中。

2006/12/26  19:33

投稿者:はやぶさ
リアル対シンセ・・・今後の対決が楽しみw
ところでDreamStation DXiですが
何か3世代前?くらいのシンセサイザーを思い出すようなコンソール(で良いのかな?)だよね。見ただけでゾクっとしました。
ミニムーグとかソリーナとか、はたまたローランドのジュピターとかジュノー(こっちが本家だよねw)を思い出して萌えました。
音作りにハマリそうな井手達ですが・・・してその価格は?

2006/12/26  0:33

投稿者:ghost
まぁ、ボク的には中の人に対しては「とっとと普通の81出せ、ゴルァ!」の方が圧倒的に優先度高いんですがw。

無論、たとえば編成オブジェクトが速度(加減速状況)をパラメーターとして出力して、それを受けてアナログセンセ的な発音エンジン(仮称)が音を出すみたいな実装は面白いと思いますし、多分それくらいのことは(ドップラーを組み込んだくらいなんで)中の人も考えてるでしょう。

問題は、それを使いこなすだけのポテンシャルが、VRMユーザー総体にないであろうことが、スクリプト会議室の閑古鳥さ加減からも明らかなことじゃないでしょうか。

このテーマにしても、まだ着手してないんでアレですが、その気になれば今の実装でもスクリプト制御でなんとでもなりそうな気はしてます。っつーか、ボクには可能です、手前味噌ながら。スクロールでフレームワーク化も出来るでしょう、やろうかと思って振ったけど誰もノッてくれなかったんで放逐中ですけどね。つまり、ボク以外の人はやらないと思うんですよね。

いや、由羽殿ならやれると思いますけど、と何気にプレッシャーwww

冗談はさておき。大袈裟な話になっちゃいますけど、ネットVRMユーザーの個人的なニーズ(ぶっちゃけ、ドカンと花火を上げて目立ちたい)と、VRMユーザー総体のニーズ(VRMでとりあえず遊びたい、出来るならもっと面白く)は、実は全然別物でつながってない、とか思うワケです。で、たとえば由羽殿の言う「効果音をシンセサイズ」ってのは、どっちなのかな、とか。

一方で、今回ボクがやったような、ある意味で極北的なタネ供給も、たとえそれが誰にも追従されなかったとしても、やはり必要なのかな、とか同時に思うんですね、なんか矛盾してますけど。

ちょっとまとまり悪い、っつーか、年明けからのテーマかな、と思って、コメントへのお返事というよりは、自分の思考メモとして書き残します。

2006/12/25  23:23

投稿者:由羽
素晴らしい試みだと思います。
が、これこそ中の人がすべき事ではなかろうかと。
音が単純な車両は良いけど、加減速時、惰行時の音がバラバラな動力車(VVVFとか最近のディーゼルとか)は悩みませんか?
特にターボディーゼルだと加給やブローオフの音が・・・

(効果音をシンセサイズできないのかとアンケートに書いたような、書かなかったような・・・)

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