2011/7/19

『100,000万年後の安全』  映画

今日本人が抱える最も深刻な問題、原子力発電所。
その是非ではなく、核分裂の際にできてしまった廃棄物の処理について、
美しい自然を持つフィンランドでのドキュメンタリー。

フィンランドのオルキルオルト島。
世界初の高レベル放射線廃棄物の永久地層処理場が建設中。
そこはフィンランドの言葉で「オンカロ(隠し場所)」と呼ばれている。
18億年間変動のない地層に500mの穴を掘り廃棄物を埋め封印するが、
廃棄物が完全に生物に対し無害化するのに10万年かかる予定。
しかし6万年後には氷河期が訪れこの地は放棄されるだろう。
その後オンカロを未来の人類、もしくは生物が見つけてしまったら。


原子力発電所を作り出した当時は、放射性廃棄物が
こんな厄介な代物だとは想像しなかったに違いない。
きっと技術がすぐに発達して、簡単に処理したり
有効利用できるようになると踏んでいたんだろう。

現在、廃棄物は水に漬かっている。しかし地上の環境は不安定である。
宇宙に飛ばすには爆発の、海底に沈めるには環境汚染の危険性がある。
安全に処理するための技術もまだ軌道には乗らない。
もし未来人がオンカロに出会ってしまっても、掘削できる技術があるなら、
それが危険だという程度の科学技術も持ち合わせているだろう。
だから埋めちゃえ。大丈夫だ。


…いや、古代人も穴ぐらい掘れたぞ。
そうだ手紙を書こう。未来人に向けて。メッセージを石に刻もう。
国連公用語6カ国語で。文字が読めないときのために絵も使って。
学者や放射線医、企業役員や政治家がそれぞれの意見を述べる。
そこに「何か」があることを「忘れることを忘れないように」するために。


生来の天邪鬼な私には脱原発・廃原発・卒原発・縮原発の
大合唱が聞こえると、ちょっと待てよと思う。本当にそれでいいのか。
原子力をコントロールする技術を放棄してしまっていいものか。
科学を発達させるのに最も有効な方法は商業として成立させることだ。
子供の健康や自然環境、10万年後の未来を心配する人と同じぐらい
自分の金儲けしか考えない人は存在する。
彼らのほんの気まぐれで世界経済は動いている。

今から10万年前はネアンデルタール人から新人へ移行する時期だった。
今から10万年後、人類が絶滅していなくても全く別の種族になっているだろう。
全くの赤の他人のことを心配するなんて、気の遠い計画ではある。
人類はその責任と義務を負ってしまったのか。
フィンランドの放射性廃棄物処理の協議委員会には神学者が参加しているのだ。

北欧に残るルーン石碑。
ひっくり返して地面に接する部分に書かれていた文字を読み解くと、
「これに触れたモノは呪いがかかる」。
未来にも私のような天邪鬼はきっといるだろう。
「ペンキ塗りたて」と書いてあれば触りたくなり、
「立ち入り禁止」とあれば、つい足を踏み入れてしまう人間が。

どうも私は放射線に関して呑気に構えすぎているようだ。
子供がもう大きくなってしまったせいもあるけれど。
地球上の生物はその誕生の時から宇宙線を浴びて進化してきた。
これからも絶滅と進化を繰り返していくだろう。
50億年後、太陽が膨張し地球を飲み込むまで。
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