2008/4/14

月イチ図書館・本屋大賞  

『ゴールデンスランバー』井坂幸太郎 新潮社
今年の本屋大賞の受賞が先日発表されたところ。
ケネディ大統領暗殺が題材。あれがもし日本だったらの恐怖。
突然首相暗殺の濡れ衣を着せられた元宅配便会社社員・青柳雅春。
「習慣と信頼を武器」に仙台の街を国家権力から逃げ回る。
生きるために選んだのは「習慣=過去」との決別。
最後まで頼りになるのは彼を信じる友人たち。
何事も日頃の行いが重要。学生時代のお友達は大切にしよう。

『螺鈿迷宮』海堂尊 角川書店
今回は東城大学附属病院のお隣、碧水院桜宮病院が舞台。
主役は不良医学部生の天馬大吉。
幼馴染に頼まれ終末期医療の取材のため潜入。
ついでに病院内で行方不明になった人物の捜査も依頼され・・・。
不幸の因果がぐるぐる回ってる。誰かが何処かで止めなきゃね。
今の医療制度では病院が病人を作ってる。お舅様を見てると確かにそやな〜と思う。
患者のできることは患者がするという桜宮方式は現実では無理なんやろうな。
姫宮もやる時にはやるのだ。

『エクサバイト』服部真澄 角川書店
キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタ、エクサで240=約1兆。
ゼタ、ヨタで280=約1.2禾予(ジョ)。
恒河沙、阿僧祇、那由他まで、まだまだ数字は続くぞ。
2025年の近未来。人は視線と連動したヴィジブル・ユニットを装着。
映像と音声を体内端末に記録することが一般的になった。
そのユニットを回収して歴史の再構成を目論む「エクサバイト商会」。
記録と記憶が時の流れに抗えるのか。
画期的な構想だったはずが、商売敵が現れ狐と狸の化かし合い。
映像プロデューサーのナカジは日本の代理店に選ばれるが、
同じ頃ジャーナリストだった母のユニットを相続する。
恐ろしいのは技術の進歩ではなく、女の生命力。

映画監督・河瀬直美氏がご子息出産の折、御自身の胎盤を食された話を思いだした。
「美味しかった」そうだ。刺身かな。わさび醤油でも付けたかな。
私の姉も子供の頃持病の治療のため、ソ連から輸入したスジ肉状の
胎盤エキスを身体に埋め込んでいた。なかなか効果があったらしい。
現在では液状に抽出されたものが使われているそうだが。
私なんかは、私が亡くなったらすぐに、
私が関わった全ての人の記憶から私を消し去って欲しいと思うのだが。
この世に私が存在しなかったことにして欲しいと。
でもそれって鬱の症状の一つだと言われた。

『ブックストア・ウォーズ』紺野圭 新潮社
40で独身の副店長・西浦理子。27でコネ入社のお嬢様・新婚の小幡亜紀。
もちろんお互い気に入らない。ところが2人の職場・ペガサス書房K店が閉店の危機!
本屋さんでなくても、女性社員同士のいがみ合いや男性部下のやっかみ、
横柄な上司にお行儀の悪い客、合併・吸収などお外で働いてると日常茶飯事。
やっぱり私、資本主義経済の一員になるのは諦めます。
消費者がお店を選ぶ時、安さだけでなく
商品がいかに大切に扱われているかってのも重要。
生産者から流通、販売店まで、愛情を受けた品は
工場で大量生産されたものでも顔が違うんだなー。

『キムラ弁護士、ミステリーにケンカを売る』木村晋介 筑摩書房
ミステリーだけでなく、恋愛小説・ベストセラーを取り上げ、
褒めるべき所は褒め、つっこむ所はつっこむ計37編。
さすが、と言うか当たり前に法的な矛盾点には鋭い。
それ以外の例えば医療系や女心に関してはもう少し理解してくれんだろうか。
私が「分かーる、分かるよ、君の気持ち」と読んだ女性犯罪者が
「理解不能な異常者」扱いされると、がっくりします。
それでも。
あちらとこちらの境界線上に立ってどちらの足に重心を掛けたらいいのか時々迷う身には、
筆者のように確固たる正義として存在できる人は心強い。
どんなに離れていても彼のいる場所こそが正しい方向だと知ることができるのだから。
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