2008/11/29

月イチ図書館・なせばなる  

3週間でハードカバー6冊。
家事をしつつ、映画も観て、DVDも借りて、TVでニュースもワイドショーもスケートも見て、
お姑様の相手もして、子供の尻を叩きながら。
なせばなる。やればできる。無理が通れば道理が引っ込む。

『決壊(上・下)』平野啓一郎 新潮社
連載されていたのは2006年11月〜2008年4月だが、話の舞台は2002年。
その間の社会問題がぎゅぎゅっと濃縮され詰め込まれた。
何故人間は人間を殺してはいけないのか?被害者の人権保護は?罪の償いとは?
犯罪者を異端視する必要性から次々に作られる精神病名。
主流から一人が離脱することによって堤が破れるように犯罪が広がって行く様子。
今年6月に起きた秋葉原殺傷事件と酷似していると指摘されていたが。
現在の報道では、あまりにも実際の犯人の動機がしょぼ過ぎる。
主人公を誤認逮捕する京都府警の思い込み捜査の表現に、こんなことある訳ないと思ったが、
舞鶴の事件の捜査方針を聞き及ぶと不安になってくる。冤罪やったらどうすんねん。
本題とは外れたエピソードが延々続のには辟易するが、
作者本人はそちらの方が大切なんやろうなあ。

『新世界より(上・下)』貴志祐介 講談社
こちらは逆に「人は人を殺すものだ」が大前提のRPG風。プラス衝撃の結末。
1000年後の超能力者が生活する日本で、殺人や戦争を回避するために
心が管理されるようになっっていった。
一見穏やかな社会で、生まれてしまった歪はどう処理されるのか。
「さっきまで美しいと思っていた花を見て、その毒々しさ、おぞましさに身震いした。」
生物としてのヒトは、強力な殺傷能力を持たないが故に
攻撃を抑制するシステムが備わっていないと説明する。
ヒトがボノボ型に進化してもチンパンジー型に進化しても、
大して明るい未来は望めそうにないな。
人間よりもPanasonicやTOSHIBAの自走式アーカイブス・ロボットが自律進化して
1000年後も立派に働いており、日本の家電メーカーの技術に感謝・感激。
いや、これからがんばって創ってね。

『図書館革命』有川浩 メディアワークス
『図書館シリーズ』の完結編。
作品の内容がテロに利用されたためメディア良化委員会に目を付けられた作家を図書隊が匿う。
私は「片手落ち」とか「盲判」てな言葉はできることなら使いたくないし、
他の表現に置き換えられるならそれに越したことはないと思う。
こう言う考えは既に言葉狩りに毒されているんだろうか。
辞書が言葉の持つ意味すべてを記載しているとは限らないんだが。
逃走劇の最後に阪神百貨店のおばちゃん店員に助けを求める彼らは偉い!

『ホルモー六景』万城目学 角川書店
『鴨川ホルモー』の壮絶な?戦いの裏に隠された人間模様。
あのコとあのコの馴れ初めとか。試合の勝敗を決した裏事情とか。
第三景『もっちゃん』で時代を錯覚させることができるのは京都ならでは。
二条寺町の角には今も果物屋さんがあり、三条通りを真っ直ぐ西に進むと(場所は違うが)
文房具も扱う書店があるから。頭の中で一挙に時計が動き出す感覚にじんわり。
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