11月4日高山市議会倉田議長、松山副議長は國島市長と面談し議会として行政に望む今後の留意点などを伝えました。これは、今回の新型コロナウイルス禍による市民生活への影響と今後の課題について、9月議会中に行われた質疑を踏まえ、10月19日に議会全員協議会を開催し意見交換した内容を纏め、今後の市政運営上において考慮願いたい事項として伝えたものです。以下でご覧ください。
高山市への情報提供
各常任委員会の共通の調査事項として新型コロナウイルス感染症による影響と課題について、9月の各委員会においてその対応策を踏まえた現況のご報告をいただき、多くの質疑がなされたところである。
委員会での意見をカテゴリーごとに整理し、それを基に10月19日に全員協議会を開催し、改めて課題について意見交換を行った。
議員からの意見は別紙のとおりであるが、現時点においての議員の留意・懸案事項とお受け止めいただき、今後の対策や次年度予算の編成において検討を願うなかで、参考としていただきたく情報提供を行うものである。
令和2年11月4日
高山市議会議長 倉田 博之
別 紙
新型コロナウイルス感染症対策に係る議員からの意見
〇ウィズコロナおよびコロナハラスメント
・様々な分野での停滞は、コロナハラスメントがその根底にある。
・過去の疫病ハラスメントの学習が生かさせていないのではないか。
・コロナハラスメント防止は、あらゆるツールと機会を捉え繰り返しの広報が必要。
・「ウィズコロナ=ウィズリスク」の正しい認識を広める取り組みが乏しい。
・正しく恐れることの意味を浸透させる施策、具体的で明確なメッセージ発信が必要。
〇住民ケア
・受験生に対するケアが必要。
・就職・就学のサポートが手薄い。
・若年層の自殺率を懸念。窓口等の充実など防止策を望む。
・経済面の困窮が市民や子どもたちの精神的な萎縮を誘発。住民経済の救済支援を望む。
〇医療・介護
・インフルエンザなど他の感染症との同時流行に対応できる医療体制の構築は喫緊の課題。
・介護施設の資材や機器の不足は続いている。さらに手厚い支援の検討を。
・高齢者の外出自粛が、フレイルや介護度を進行させる。早期の取り組みが必要。
・感染者が出たときに本当に必要なものが足りているのか予想がつかない。地域医療・介護など、表面だけでない実情を認識するさらなる努力を。
・医療福祉の現場の苦悩には、PCR検査の活発化が改善の鍵だ。
・病院で亡くなる方の看取りさえできない。終末を迎えられた人の尊厳はこれでよいのか。
〇経済対策・事業所ケア
・経済対策として飲食やイベントなど段階的な開放期。コロナ封じ込め社会から対応社会構築へ移行すべき。
・市の行動基準と通達が事務的役人的であるため、地域振興に資する飲食の機会等について私的案件であっても職員が踏み出せない。個人の自覚と防御姿勢は十分ななかで、いつまでもリスクゼロを求めるのではなく、これからは経済循環に意識を持つべきだ。
・観光は戻りつつあるが内需の停滞が甚だしく、消費の喚起は最重要施策。
・呼び込みを控えながらも、国内客は戻りつつある。近場で閉塞感を開放する場所に高山が選ばれている。市民の幸福感・生活の充実感は来訪者数の大小ではなく、見るべき数字をきちんと見ていくべき。
・Gotoで人出が戻りつつあるが、本当の経済循環につながっている実感がない。
・Goto効果に格差が出ている。解消策を。
・Goto効果は平日に薄い。対策を。
・Goto後の急激な冷え込みが心配。
・外食産業の極端な低迷から農畜産業の消費対策は喫緊の課題。動物は日々飼料を消費し成長する。
・清酒メーカーの打撃により酒米の作付け契約が激減。通常米も価格暴落で支援が必要。
・年末に向けた倒産増、年度末に向けたコロナ不況の第三波が心配。追加支援と調査が重要。業界からの要望には、空振りを恐れず目いっぱいの対応をお願いしたい。一方で、個別事業や融資について、効果や市民生活への反映の後追いの調査も必要。
・一番目の感染者になりたくない市民意識がプレッシャーになり、リスクゼロに過敏になっている。意識の変換が実体経済をまわすポイント。
・観光産業の復興に向け、積極的な観光PRなど打ち出してよい時期と判断。早期に。
〇財政・総合施策・アフターコロナ
・これまでの国・県・市の支援は隅々まで行き渡ったのか。実態把握としっかりした分析を基に、長期化を見越しての対策が重要。
・終了した対策を検証し、現状把握と分析から足らざる支援を手厚く実行。
・国県だけに頼らない、地域特性に則した独自支援は乏しく感じる。状況把握ができていないからではないか。深刻さの受け止めは十分なのか。
・市民の精神的ダメージがどういった社会変化につながるのか心配。
・対症療法も大切だが、これからの方針を明確に示して将来に繋げる支援が必要。
・対症療法だけでなく次のステップを見据えた支援策や振興策を望む。
・緊急事態ばかりに気を取られず、予算計上する事業を毎年確実にこなしていくことが行政に求められている。それが結局コロナ対策にもつながる。
・合併時財調在高と現在在高の差額は、効果のある対策ならば充当しても許される。
・地域事情に即応した市単独の支援はもっとあってよい。交付税参入の配慮もあると聞く。
・思い切った施策の財源としては財調がある。国の交付決定も有効に使うべきだし、税収減少も見込まれるが、今年度不用額も多いはず。
・潜在していた課題がコロナによって顕在化した。将来的な産業構造や医療・介護などどう整えていくかを総合的に示すべき。
・行政がどういう状況を創造したいのかわからないし、市民に明確に伝わっていない。
・一刻一刻変わっていく状況の中で、それでも安心できる情報を具体的に発信してほしい。
・施策の効果はすぐに見えないものもあるが、今必要なのは市民のやる気を引き出す元気づけの施策。
・アフターコロナ3年後の市の明るいビジョンを市長所信として発信すべき。それが市民へのエールとなる。どうなるかわからない的な雰囲気ばかりではいけない。
・現状対応もアフターコロナも、一次産業の育成が重要なポイント。
・リモートワークなど働き方や社会様式の在り方の変化をとらえて総合的な政策を整えるべき。
・デジタル化社会への変化は必至で、未来志向の市政設計が重要。
・市民が出向くことが当たり前の市役所の業務にも変革が求められている。
〇子ども・子育て
・子どもたちへの影響は必ずあるはず(学力・体力・精神面)。データ分析に加え潜在する変化をしっかりキャッチし、素早く対応すること大切。
・心の教育相談の充実。大人からアウトリーチしていく工夫。
・他県からの学習旅行呼び込みを施策としながら、自らは近場に限定するのは矛盾。
・保育・DV・児童虐待など、表面だけでない実情を認識する努力を。
・全国的に荒れる子どもが増えていると聞く。市の実態を把握されたい。
・少人数学級をもってゆとりのある学校現場とすることが、コロナ社会において子どものためにも職員の働き方改革にもつながる。
〇市民活動
・飛騨全域での感染例は1例のみなのに市民が過敏で、大切な地域コミュニティに重大なダメージを与えている。市民活動の集まりにガイドラインを明示するべき。
・市民活動の解放に向けて市の強いメッセージが必要。

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