前回の続き。
『96時間』の面白さが、
<娘のためなら、(敵を)皆殺し>であることは前回書いた。
はっきり言って、この娘は世間知らずの
バカ娘であり、
誘拐されるのも、無防備すぎてもっともだと思える。
あまり感情移入はできない。
にもかかわらず、頑固オヤジの主人公が敵組織を情け容赦なく皆殺しにしていくのに
不思議とカタルシスを感じる。
なぜなら、<皆殺し>が、
アクション映画の原点であるからだ。
東映の任侠映画を思い出そう。
高倉健さんの主人公は、敵に縄張りを奪われ仲間や親分を殺され、
耐えに耐えてから
最後には
怒りを爆発させ、敵に単身(相棒がいる場合もあるが)
殴り込みをかける。
目指すは、敵の親分の首ひとつ。それまでは子分たちを斬って斬って斬りまくる。
そうヒーローが目指すのは、敵の<大量虐殺>=<皆殺し>であるのだ。
で本日は、一見関係のないようだが
ジョン・ランディス監督のデビュー作
『ケンタッキー・フライド・ムービー』 のパンフレット。
パロディに継ぐパロディのこの映画で、
最も輝くのはブルース・リーの
『燃えよドラゴン』のパロディ。
猿顔の主人公(エバン・キム)は、CIAから敵の要塞に潜入して欲しいと頼まれて、
はじめは金を幾らくれるのかと断るが、幹部の一人が
「大勢、殺せるぞ。」と
言ったとたんに、ニヤッと笑い仕事を引き受ける。
ヒーローが夢見る
<大量虐殺>が、露骨に描かれた映画史上マレな瞬間だと思う。
さて、この<大量虐殺>=<皆殺し>にも、
法則がある。
1.いちばん悪い奴は、いちばん残酷的な殺され方をする。
2.死んだと思ってた奴が、最後の力をふりしぼる。
3.警察は、ことが終わるまで動かない。etc.
色々とあるがまたいずれかの機会に…
オークションしたいひとは、こちらを見てね。
こちらは人は死なないが、追跡して来る車が次々とぶっ壊れるのがカタルシス。
ジョン・ランディスの最高傑作、
『ブルース・ブラザース』のビデオはこちら。

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