昨日、<列車>は映画と違って、駅でとまることができると書いた。
(リュミエールが撮ったのも、駅への
到着だ。)
たしかに、そこに
停車する(人の乗り降り、出会いと別れ)ことによって、
新たなドラマが生まれる。(駅ホームの名シーンも
『ひまわり』『旅情』『祭りの準備』と色々あるが、ここではふれない。)
では、何だかのアクシデントにより駅以外のところで停車した場合はどうか?
人はそこから降りることも乗ることもできない。<列車>は一瞬にして
巨大な密室と化す。
で、今日は豪雪で立往生した豪華列車で起きる密室殺人(Mike 水野のサーガ
『シベリア超特急』にも影響を与えた)
『オリエント急行殺人事件』ビデオね。
原作は、言うまでもなくA・クリスティーの<
名探偵ポワロ>シリーズ。
大富豪の乗客リチャード・ウィドマークが何者かに殺された?犯人は乗客の中にいる!果たしてその動機は?巨匠シドニー・ルメットは、探偵の謎ときサスペンスを、イングリット・バーグマン、ローレン・バコール、ジャクリーン・ビセット、アンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、バネッサ・レッドグレープ、ジョン・キールガット、マイケル・ヨーク etc.と文字通りオールスターで描く
<グランド・ホテル>形式。
犯人は誰か?を問題とすると、これはかなりの
反則技!(ヒントは
『そして誰もいなくなった』の反対)
ポワロ役は、
『トム・ジョーンズの華麗な冒険』のアルバート・フィニー。
『ナイル殺人事件』『地中海殺人事件』のピーター・ユスチノフも映画では有名だが、彼のほうが丸顔でツケ鬚して、
原作に忠実で好きだな。
事件は<灰色の脳細胞>が無事解決するんだけどラストシーンの彼の後姿は、
すごく寂しい。
探偵は、警察と違って<犯人を捕まえる>じゃなく<事件を解決する>のが仕事。
被害者にも加害者にも、人間的には永遠にかかわることが出来ない。
<事件を解決する>=<真実を知る>ことでもある。
知らないほうがよい事も無理に知ってしまうこともあるのだ。
基本的に、
誰かが殺されないと、探偵の存在意義はないのだ。
オークションしたいひとは、こちらを見てね。
ルメットの監督作品は多岐にわたる。
核戦争の恐怖。
『未知への飛行 FALE SAFE 』
メラニー・グリフィスがユダヤ教を追う。
『刑事エデン追跡者』
マイケル・ケインとスーパーマンの対決。
『デストラップ死の罠』と各種パンフレットそろっているよ。

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