「響け!ユーフォニアム 波乱の第二楽章 前編 読んだ」
本
『
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編』を読んだ。
まだ出版されたばかりなので、今の時点ではネタバレにならない程度にごく個人的な感想等を少々。
今回の『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編』
(以下、『第二楽章 前編』)は、
立華編の2冊を含めるとユーフォシリーズの8冊目にあたるかと思います。
ユーフォシリーズ本編は3冊目で綺麗に完結していたので、本編の本格的な続編は無いのではないか?という不安も個人的にはありましたが、それは全くの杞憂で済みそうです。
そんな予想を覆すような本格的な続編であります。
今回の『第二楽章 前編』はユーフォシリーズの原作版を読んでいた人になら超お薦め。
アニメ版を2期までチェック済みで物語の続きが気になる人なら、原作版はこの巻から読み始めてもまぁまぁ問題ないかと思います。
(4冊目の短編集『ヒミツの話』の14話目と7冊目の『吹部日誌』を押えれば、より完璧かと思います。)
今回の『第二楽章 前編』では
立華高校の面々は
梓しか登場していないので、立華編2冊が未読な人でも話はつながります。

梓は立華の新入生たちにビビられているよーであります。梓は今でも久美子のことを心配をしているよーでもあります。
そんな訳で、アニメ版2期以降の物語の続きが気になる人や早く続きを知りたい人には、今回の『第二楽章 前編』はお薦めかと。
物語の時間軸としては、
久美子たちが進級して2年生になった新年度の始業式の日から夏休み前の辺りまで、でした。
今回は登場人物たちが一学年分まるまる入れ替わるので、新入生の新キャラが大量に登場します。
どの新キャラも個性的でありながらも、『ユーフォ』の世界観を壊すことなく自然に馴染んでおります。「キャラ作りがうまいなぁ」と感じてしまいました。
新2,3年生については、アニメ版のキャラも生かされているようであります。
久美子の役職上の相方は、前巻の『吹部日誌』では
みぞれ先輩でしたが、今作では
加部ちゃん先輩
(アニメ版での『チームもなか』の『か』の先輩?)であります。
釜屋つばめさんがどの人なのか、アニメ版の1期10話を観直してしまいまスた。
作者の方は今脂が乗っている時期なのかも?とも感じます。個人的には今から後編が楽しみであります。
あまりネタバレにならない範囲の感想としては・・・、
晴香先輩びいきのおいらとしては、
あすか先輩や
香織先輩や
葵ちゃんの存在感は吹部に割と色濃く残っているのに、それに比べて小笠原晴香前部長を思い出してくれる部員が少ないよーな気が…。
小笠原先輩は、影の薄さがおいしいなぁ、と。^^;
後編の発売も近くなったので、前編のややネタバレな感想を(9月末日付けで)少し追加。
以下、ややネタバレあり。注意、であります。
クラスメートにもなった同学年の釜屋つばめさんは、久美子や緑輝に対して、ヱヴァ的にゆーと何かATフィールドを展開しているよーな気も…。
もしかしたら、久美子や緑輝が眩しいのかも。
今年の低音パートの新入生達は、久美子達の代とは違って、互いに仲が悪そーで微妙です。葉月や夏紀先輩にまで飛び火しそーな勢いです。
ユーフォの新入生の奏はあすか先輩に憧れて入って来たようですが、あすか先輩は既に卒業しておりユーフォには久美子しかいないばかりか夏紀先輩までおります。奏の落胆は決して小さくはないようです。
理想的な新入生として現れた奏ですが、…それは表面だけのことであります。(^^)
チューバ経験者の新入生2人(W鈴木)は、一方通行な友情が微妙です。ルビー川島キターッ、て感じ?
コントラバスで男子校出身の求はアクが強くて、奏と求の仲はサイアクであります。
低音パートの面々は緑輝の実力が凄いはのは判っていたけど、何処がどう凄いのかはコンバスの新入生が入って来たことによって改めて理解できた感じ?
緑輝はアクの強いコンバスの新入生の求に会った初日に、殆んど全ての事情を察した上で自分一人の胸の内に納めているようです。
ガンヲタ的には“緑輝ニュータイプ説”が成り立つとさえも思えます。(ガンヲタでスミマセン)
求の手をとった瞬間に、求の苗字と態度から、求の殆ど全ての事情を察してしまったようでもあります。
その上で、求の事情を知っているのであろう奏の求への“口撃”を、緑輝は一撃で封印してしまいます。更に演奏の実力に至っては、求よりも遥かに高い所に達しております。何て頼もしい先輩なのでしょうか。求が感服,心酔するのは当然かとも思えます。
こーゆー先輩に出会えただけでも、求は思い切って学校を替えて来た甲斐もあったと言うものでしょう。
この上さらに緑輝が今よりもリア充になれるのか否かは、今後の求の双肩にかかっているよーな気も?
また小日向さんのことについても、緑輝は“早くちゃんと話をする方が良い”旨を久美子に忠告しておりますが、その忠告は物凄く当たっていそーな予感もします。
何とな〜く分ってはいたけれど、高坂さんは人にモノを教えるのは苦手そー。
上手いのに自信の持てない後輩の小日向さんをどう導けば良いのか? を悩んでいるようであります。
高坂さんがどの後輩のことで悩んでいるのか、を緑輝はその場で言い当ててもおります。
元々は未経験者で高校から吹部を始めた加部ちゃん先輩の聞かせてくれた『去年のこと』(正確にはもう一昨年のこと)は、夏紀先輩や優子先輩や希美先輩とは違う角度からの視点であります。
今年の新入生達には自分達とは同じ思いをさせたくない加部ちゃん先輩は、熱心に新入生たちの面倒を見ます。
オーボエの新入生の剣崎さんは、みぞれ先輩とは真逆な性格で笑えました。(^^)
面と向かって喋るとHPが削られて物凄く疲れそうだけど、傍から眺めている分には微笑ましくて楽しい人なのではないかと。
一年生の指導係という役職がら剣崎さんの相談にも乗ってあげた久美子は、後に剣崎さんから危険回避のサインというかヒントを貰います。
剣崎さんは道化を装ってはいるけど、実はかなりの切れ者かも?
今年のドラムメジャーは希美先輩かと予想していたのですが、おいらのソンナごく個人的な予想はハズれてしまいまスた。(^^ゞ
でもそれだと北宇治の吹部は希美先輩に楽をさせ過ぎな気もします。
『あすか先輩の呪い』などという大袈裟な言い方は、「大変なら私にも頼って欲しい」という正副両部長の優子先輩や夏紀先輩への、希美先輩なりのアピールのようにも思えました。
北宇治の佐々木梓と言った感じの希美先輩なら、学業を別とすれば、部内ではあすか先輩とほぼ同じコトができる力量も元々あるのではないか?とさえも思えます。その昔あすか先輩が希美先輩を引き止めたのは解る話です。
でも部長の優子先輩としては、希美先輩には友達としてみぞれ先輩に寄り添っていて欲しいと考えているようにも見受けられます。だから優子先輩は希美先輩にはあまり頼れなかったのだとも思えます。
みぞれ先輩が微妙に危ういのであります。それが連鎖して希美先輩も危うくなりそうな伏線も感じます。
新部長の優子先輩は周囲が心配するほどに頑張り過ぎ。あんなに頑張り過ぎると、そう遠くないうちに焼き切れてしまいそうにも思えます。夏紀先輩の心配は決して杞憂などではないと思います。
そこに予想外の所から強力な助っ人が登場します。久美子が珍しく大激怒であります。正副両部長にかかる負担が格段に減ることになるので、優子先輩や夏紀先輩についてはもう大丈夫なのだろうと思います。
優子先輩も走り過ぎですが、それを支える夏紀先輩も割とピンチです。八面六臂の大活躍ではありますが、高校から吹部を始めた夏紀先輩は、経験者の後輩たちに比べて演奏の実力が今一つ及びません。強力な助っ人の出現は必然だったのかも。
剣崎さんも久美子にさり気なく危険信号を伝えて来ます。
猫は仲間の狐や狸を相手に上手く立ち回ろうと振る舞います。狐は大人ですが、お人よしの狸は猫に翻弄されでばかりです。
自縄自縛に陥って追い詰められた猫は狐と狸を騙そうと謀りますが、騙し合いなら狐や狸の方が何枚も上手で騙すことができません。猫の窮地を救うために狐が捨て身の突撃を敢行します。
状況に対処できずに狼狽するばかりの狸だったのに、おいしい所はみ〜んな狸が持って行ってしまいます。ズルいよ狸。(^^)
夏紀先輩が男気溢れる兄貴でカッコいいのであります。女の身でありながら、この人は男の美学が体現できております。シビれるっス〜。
今回の前編で解決した問題もありますが、後編に持ち越された謎や課題もまだまだあります。後編を期待して待つ、であります。
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