『
氷菓』の実写映画版を、公開一週目の平日夕方に、地元の映画館で観て来た。
米澤穂信の小説
〈古典部〉シリーズの一冊目『
氷菓』

を原作とした邦画。
アニメ版『氷菓』で言うと、第1話〜第5話にあたる内容。
地元の県立
神山高校で昭和42年
(1967年)に起こったある事件の真相を、33年後
(平成12年.2000年)の新入生たちが探り出そうとするミステリー。

今回の映画版は個人的には面白かったのですが、それはおいらがアニメ版と原作版の両方にハマっているからだと思います。

今回の実写映画版は、『氷菓』の原作版やアニメ版を未チェックな一見さんの方々に対しては、今一つ訴求力が足りないようにも感じられました。その点がやや不安でもあります。

せっかくなのでこの機会に、ごく個人的な5段階評価&感想等を少々。
(色文字部分は後日追記分)
面白さ 3.0 前後 悪くは無かった。
お薦め度
原作版やアニメ版のファンの人 3.0 前後
〈古典部〉シリーズの一見さん 3.0 未満
映像的には
飛騨高山の現地ロケが物足りなかったことと、昭和42年の空気感が物足りなく感じました。・・・まぁ予算が限られていたのか?とは想像します。

限られた条件の範囲内では充分にベストが尽くされている映画だとは感じます。しかし、条件の方が限られ過ぎかと。
この辺りの所にもう少し予算をかけられていれば、映像的にも、もっと注目される映画にもなれたのではないか?とも思えて惜しまれます。。
予算の少なさは残念に感じますが、如何せんカネの問題は何ともし難かったのだろうと推察します。
せめて昭和42年の
神高の校舎は、2000年の校舎とは別に何処か他に探すか、或いはハリボテなりCG合成なりで作って欲しかったかも? ・・・とも感じます。
だからと言って、決して『ALWAYS三丁目の夕日’64』ほどには予算をかけなくても良いと思います。
2010年版の『時をかける少女』では、昭和49年(1974年)の雰囲気を画面の中によく作れていたと思います。あんな感じで昭和42年っぽい雰囲気が画面の中で作られていることを期待していたのですが、その辺りの空気感はあまり感じられませんでした。
2017年
(平成29年)の現在に比べて2000年
(平成12年)っぽさもそれほど感じられませんでしたが、個人的にはそっちは大して気になりませんでした。
それでもラップトップ型のワープロとかが画面の中に見えたよーな気も。PCも校内には殆ど無かったようだし、確か携帯電話

も登場人物は殆ど誰も使っていなかったような気もします。
家の電話は当時っぽかった。
今時の大人的な目線で言うと、2000年の神高生たちは中学生くらいにも見えたけど、昭和42年の神高生たちは何か物凄くオッサン臭く見えました。

その点は時代性の違いが映像効果としても上手く表現できていたと思います。
・・・てゆーか、明らかにオッサンだろ!? アレ。^^;
冒頭の
ベナレスの様子が、映像的には一番強烈でした。

原作は小説なので字面だけでは印象が今一つ弱かったし、アニメ版の第一話は

薔薇色

な内容

だったので、死臭漂うベナレスの描写はありませんでした。
関谷純がもう既に輪廻から解れている暗示にもなっているのでしょうか? あのベナレスの映像は良いと思います。
関谷純は現役バージョンも大人バージョンも、ともにカッコイイのであります。役者の雰囲気も合っていたと思います。
「
優しい英雄」関谷純は、男の中の男であります。「男児たる者、斯くあるべし」と思います。リアルの世界では、こういう人こそがもっともっと報われる社会であって欲しいと希望します。
「優しい英雄」関谷純の名前の読み方は、アニメ版では『セキタニジュン』でしたが、この実写映画版では『セキヤジュン』でした。
愛煙家の三年生遠垣内将司先輩は、キャラごとエピソードが省略されていた。ま、今回の映画版にはいなくてもいい人だし、その辺りは尺の都合かと思います。(^^)
図書室のカウンターに綾波レイのフィギュアがいたよーな気がするのは、角川映画だから?
あと、図書室の本棚に『マリみて』の背表紙が並んでいるよーな気がするのは、気のせえ? ・・・千反田さんの人は蔦子さんの人だしな。
公式系の予告編動画があったので貼って見た。
今回の実写映画版は、〈古典部〉シリーズや『氷菓』の一見さんには訴求力が低いかも知れませんが、おいらと同じ条件の人になら
嗜みとしてお薦め。それなりに面白いかと思います。
公開二週目になると地元の映画館では上映回数が極端に減るようでしたので、おいらは公開一週目のうちに慌てて観て来ました。

混雑を避けるつもりで郊外の地元の映画館へ平日夕方に観て来たのですが、それにしても客の入りが厳しかったです。
てゆーか、殆ど貸切り状態でした。(・・;)
この分では公開が終わるのが意外に早いのかも知れないので、前売り券を持っている人や観に行くつもりのある人は、早めに観に行く方が良いのかも?
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パンフ&前売り券 画像 →
(パンフはB5版,前売りはムビチケ)

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