『
武器輸出禁止の国是の下における、
外国製火器のリース契約使用と、海外有事の際のそれらリース品の海外への融通』、についての
枠組み作り,スキーム作りを提言。
同じようなことを考えている方々は世の中には既に沢山おられるかとは思いますが、駄文ながら思い付いたこの機会に、一応UPして残しておきたいと思います。
まず初めに、政府の
ウクライナへの
防弾チョッキや
ヘルメット,
医薬品,等々の緊急支援を支持します。
プーチンによるロシア周辺各地への
侵略戦争がこれまでの約20年以上と同様に成功し続けて行けば、
プーチンのロシアは、東隣の日本にもいつかは必ず攻め込んで来ることでしょう。現状ではウクライナの次はまずは
モルドバが危うくも見えますが、
プーチンの領土拡張主義がこのままなら、決して他人事などでは済まされない筈だからです。
今回の
プーチンのウクライナ侵略は、近未来における日本人の生存権を守るためにも、絶対に大失敗・大敗北に終わらせるべきです。
報道によるウクライナ関連の情報に接すると、大変に気の毒な限りで言葉も無いのですが、日本人的には決して他人事のように同情していられる場合などではないのだと感じます。極めて近い将来における我々自身の姿でもあり得るからです。
ロシアの侵略戦争による
プーチンの野望を今ここで挫かなければ、日本人にとっても“明日は我が身”,“次は我が身”であります。殊プーチン政権に限っては、決して油断があってはならないと考えます。
ウクライナに寄与するブツは、取り敢えず初めは中古品や在庫品(或いは日本にとっての“名目上の”不用品)で良いかと思います。
緊急且つ重大な今のこの事態にあっては、今から新品を生産していたら、現場の状況には間に合わない恐れがあるからです。
今回は
武器・弾薬等の
火器類ではなくて、ヘルメットや防弾チョッキ,医薬品,等々の
防具類なので、自衛隊で使う
防衛装備品だからと言って、必ずしも武器輸出に当たるとは個人的には感じません。
厳密な法律論で言うと、今回の緊急を要した決定には乱暴な所もあるそうですが、しかし人道的な観点で言えば、寧ろまだまだ足りないくらいではないのか?とも感じます。
一部の報道によるとウクライナからは武器・弾薬の支援要請が日本に対してもあったそうですが、現時点での武器・弾薬の支援を見送った慎重な判断についても、また併せて支持します。
なし崩し的に無制限に武器輸出が解禁されて行く事態を恐れるからです。
また後日の報道に拠ると、日本政府はウクライナへの約一億ドルの緊急経済支援を決めたそうですが、その決定についても併せて支持します。
今後は必要に応じて、ウクライナや避難民を受け入れている周辺各国への経済支援を、順次増やして行くべきかと考えます。
プーチンの野望を挫き,その侵略戦争を阻止するのは正しい判断だとしても、それによって日本社会がブーチンのような政権や体制になってしまっては、全く何の意味もありません。
そんなことでは、人間社会はプーチンの野望を挫いた後には、今度はその返す刀でプーチン化してしまった日本社会をも制裁せねばならなくなるでしょう。
「ミイラ取りがミイラになってりゃ、世話ねーヨ」ってヤツだからです。
その辺りの国内での法整備は、今後とも慎重になされるべきと考えます。
『武器輸出禁止の国是の下における、外国製火器のリース契約使用と、海外有事の際のそれらリース品の海外への融通』についての枠組み作り,スキーム作り、の概要についてですが・・・、
以下は、白魔術の側の人間が、黒魔術の使い手を封じるために、敢えて黒魔術にも手を染めるような話です。
1つ何かを間違えれば、白魔術の側の人間が黒魔術の暗黒面にも転落してしまい、自分一人だけでなく周囲の関係者達をも巻き込んで皆を不幸にさせてしまうような大変に恐ろしい話です。
・・・・・まずは、かつての米国の
レンドリース法のような枠組みを、無償ではなくて有償で、各々の
火器生産国との間に築くべきかと考えます。
たとえ外国製の火器であっても、一度買い取ってしまえばそれは日本国の財産にもなってしまいます。もしそれら海外製の火器を外国(第三国)に輸出したら、それは武器輸出禁止の国是にも抵触してしまいます。
しかし、外国製の火器を買い取らずに
リース品として借り受けていれば、たとえ自衛隊で何十年にも渡って使いこなしていたとしても、それらの火器類はあくまでも外国(生産国)の財産であり、日本国の財産ではありません。
今回のロシアによる
ウクライナ侵略のような事態が今後発生した場合には、それらのリース品の火器類を速やかに返却して、その返却先の外国(生産国)を経由して当該国(今回のウクライナのような侵略を受けている当該国)に廻しても、決して武器輸出禁止の国是には抵触しないと考えます。
そもそも日本国の財産ではないからです。
似たようなケースの過去の前例としては、かつて空自で使用していた
F-104スターファイター戦闘機(F-104J「栄光」戦闘機)の事例があるかと考えます。
その昔、航空自衛隊で使用されていたF-104J「栄光」戦闘機のうちの何機かは米国からのリース品も含まれていたそうですが、そのうちの日本側で直接廃棄されなかった何機かは、後に米国に返却されたそうです。
米国は空自から返却されたそれらのF-104スターファイター戦闘機の機体を、今度は台湾に貸与して、それらのF-104は台湾の防空力の一部にもなったそうであります。
今回のウクライナの場合での火器の具体例で言うと、自衛隊で使う
歩兵携行型の
パンツァーファーストV(ドイツ製)や
カールグスタフ無反動砲(スェーデン製),等々の
海外製対戦車ロケット砲の全てを買い取るのではなくて、一部はリース品として減価償却分だけを年毎に支払いながら平時には自衛隊の防衛装備品として使い、何処かの国が今回のような理不尽な侵略を受けた際には、それらのリース品を速やかに返却して生産国経由でその当該国に廻すのです。
それらのリース品の火器を返却した時点で、以後の減価償却分の支払い債務はもちろん消滅するものとします。また、そのようなリース契約であるべきです。
日本側にとっても一定数をリース品とすることで、全品買取りの場合よりも、限られた防衛予算の枠内でもより多くの数量の火器を防衛装備品として揃えられるメリットも見込めます。また、そのようなリース契約でもあるべきです。
減価償却分の全額を支払い終わった火器類は、支払いの終わった時点で日本国の財産になりますが、その場合でも額面上は少額をわざと残して名目上はあくまでも外国からのリース品としての扱いで
モスボール保管をしておくべきかと考えます。
何処かの国がいざ侵略を受けた際には、それらの在庫品や保管品の火器類を、武器輸出禁止の国是にはあまり触れることなく生産国経由で廻せるからです。
国内調達や部品調達の面を考えると外国製火器の
国内ライセンス生産ももちろん大事ですが、武器輸出禁止の国是に抵触することなく海外製の火器を外国に融通するには、今後は生産国からのリース品もある程度は数を揃えるべきかと考えます。
それによって、限られた防衛予算の枠内でも、より多くの数量を揃えるべきかと考えます。
この枠組み,スキームを今のうちに複数の火器生産国との間に確立しておけば、今後は何処かの国がプーチンのような独裁者による侵略戦争のターゲットにされた際にも、自衛隊で使用,或いはモスポール保管しているそれらの外国製の火器類を、武器輸出禁止の国是には反することなく生産国経由で侵略を受けている当該国に廻すことが出来るかと考えます。
同じことは弾薬についても言えるかと考えます。
NATO共用弾(いわゆるNATO弾)を使用する国々との間でも、平時からお互いに弾薬を持ち合って、有事の際には、敵国のミサイルも届かないような遠い外国からも弾薬を『返却』してもらい、弾薬を融通し合うのです。
この枠組みを各国との間に築けていれば、日本のように武器輸出禁止の国是を持っている国々でも、或いは非同盟を国是とする武装中立の国々とも、有事の際にはそれらの国是にはあまり抵触することなくお互いに弾薬を融通し合うことも出来るかと考えます。
しかしながら、ココでは論点が広がり過ぎるので、それはいつか別の機会に改めて触れたいと思います。
国内開発の純国産火器については、当然ながらこの枠組みや考え方の対象外です。
国産火器では訓練無しには当該国の現地ではすぐには使えないかも知れないし、もしも侵略国たる敵の手に落ちた場合には、我が国の防衛装備品の性能を危険な侵略国に解析されてしまう恐れがあるからです。対戦車用の『
ジャベリン』や対空用の『
スティンガー』に相当する歩兵携行型の純国産火器も自衛隊にはあるそうですが、それらの国産火器は以上のような理由により国外に出すべきではないと考えます。
この場合は、あくまでも世界市場で広くセールスされている海外製の火器類の方が先方の当該国でも現地で使いやすいだろうし、我が国にとっても自国内で本土防衛用にこそ使用されるべき筈の純国産火器の性能を外国に予め解析されずに済むので、双方にとっても都合が良いかと考えます。
また、元々は外国製の火器であっても国内でライセンス生産したブツについては、初めから日本国の財産になるので国外に出すべきではありません。海外への転出分には、武器輸出禁止の国是には抵触させない為にもライセンス生産品は含めず、あくまでもリース品に限るべきと考えます。
他所の村が熊に襲われている時に、オラが村の寄合いが「熊に襲われるような村には、武器,弾薬は渡せない」と見殺しにするような態度では、歴史的な経緯や反省を背景とする国是や法律論はもちろん大事なのですが、人道的には人の世のスジが通っていないような不安にも駆られます。
また、いざ自分の村が熊に襲われた時には、かつて他所の村を見殺しにしたように、今度は自分達の村が見殺しにもされかねない不安にも駆られます。
しかしながら「熊を退治するため」とは言っても、オラが村の村人達が人を襲う熊の如き,虎狼の如き心に退化してしまったら、何の意味もありません。本末転倒です。
そんなことでは他所の村々の人々から、いつかは危険な害獣として村ごと駆除,退治されてしまうことにもなるでしょう。
プーチンのロシアが
旧スターリン的なソ連回帰を果たしたからと言って、その侵略を阻止するために現日本国までもが
旧日帝末期に回帰してしまっては、全く何の意味も無いのです。
白魔術の側の人間が、黒魔術を封ずるために黒魔術を逆手に取って利用をしたからと言って、何も黒魔術ソノモノに宗旨替えをすることなどはないのです。
プーチンは止めなければなりません。しかし、だからと言って我々までもがプーチンのようになってしまっては、全く何の意味も無いのです。
歴史的な反省を背景とした武器輸出禁止の国是は、かつての過ちを決して繰り返さないためにも、絶対に手放してはならないのだと考えます。
個人的にはあくまでも門外漢のド素人なので細かいトコではツッコミ所も満載かとは思いますが、昔のF-104Jスターファイター「栄光」戦闘機の故事を省みるのなら、一考の余地もあるのではないか?とも愚考します。
しかしながらその際には、ミイラ取りがミイラにならない為の、我々自身がプーチンの如くにならないための、慎重な法整備が併せて必要かと考えます。
当ブログ内の関連記事
220322 NATO弾の多国間持ち合い共用論(案)
220306 国内原発=対日核地雷
220226 他人事に非ずウクライナ
190618 F-35 リース案
130415 終わらざる夏 読んだ
160705 台湾独立素人一意見
110516 チャーリー・ウィルソンズ・ウォー 観た

0