防衛費の安易な倍増案に反対
正面装備費の安易な倍増よりも、予期せぬ望まぬ本土長期防衛戦にも耐え得るだけの
国内インフラの強靭化をこそ希望。
少し前に『NATO加盟 試論(案)』
220414付けの所でも「
防衛費の安易な倍増には反対」と言う趣旨の内容を書きましたが、前回はその理由を記す余裕は無かったので、今回改めてUPしたいと思います。
当ブログは“ぬるいヲタクのゆるいブログ”に過ぎないので、あまり仰々しいスレが続くのは本来の趣旨とは違うのですが、ある程度は世の中が平和で安定していないとヲタがヲタをしていられなくなってしまうので、今回も敢えて触れることにしたいと思います。
「ロシアに攻められたんだから、ウクライナは早く降伏しろ」とか「ロシアの侵略に抵抗するから犠牲が増えるんだ。早く降伏しろ」とか,或いはまた「プーチンと同じ夢を見てる」とか、などと公言して憚らない
プーチンのスパイのような自称“保守”な政治関係者たちがウヨウヨしている今のこの状況下で『防衛費倍増』などと声高に騙られても、全く信用できません。「どの口が言うのか!?」と呆れてしまいます。(゚o゚)
一部の上級国民どもは一般庶民や現場の自衛隊員にばかりに痛みを押し付けるその一方で、平時においては
防衛利権で甘い汁を啜りながらも有事の際にはロシア側に寝返って、自分達の保身と引き換えに日本の国土と国民をロシアやプーチンに売り渡すつもりなのではないのか?という強い疑念が残ります。
もし本当に今の日本国を守り通す意志が『防衛費倍増』を唱える者達にもあるのなら、正面装備費の安易な倍増などではなくて、予期せぬ望まぬ本土長期防衛戦にも耐え得るだけの、国内インフラの強靭化をこそ望みます。
以下、ごく個人的に思いつく範囲内での、その幾つかの例(と言うか希望)を試みに挙げて見る。

. エネルギー自給率の向上

. 原発依存からの脱却

. ガソリン税トリガー条項の凍結解除

. 食料自給率の向上

. 鹿肉,鯨肉の活用

. 鉄道による貨物輸送網の維持

. 攻撃型空母よりもイージス機能の充実

. 攻撃型空母よりも病院船の導入

. 反撃能力や核武装よりもミサイル防衛網の充実
・・・etc.
以下、各項目のその詳細について少々。

エネルギー自給率を上げる
新潟や秋田にある国内油田やガス田(休眠油田も含めて)の活用を図る。
平時においてはあまり採算が合わないようですが、国内需要のだいたい1%前後を賄えるようです。
この採算の合わない分を防衛費から損失補填してでも、これらの国内油田を維持すべきと考えます。
防衛予算で損失補填をする場合には、その補填分相当の石油産出分は
(特に有事の際には)市場に卸す前に、まず自衛隊に使用の優先権を持たせるべきかと考えます。
平時においては採算が合わなくても、有事の際に備蓄石油が底を尽きるほどに長期に渡って
海上封鎖をされた場合であっても、国内の『
1%油田』が稼動している限りは、自衛隊の重車輛や船舶を動か動かせる見込みが立つからです。
天然ガスについても、いざと言う時には、関東平野の真下にあるガス田の活用をも考えるべきです。
少しくらい採算に合わなくても、少額なら防衛予算等から安全保障費の一環として損失分を補填してでも維持すべきか?とも考えます。
また併せて、国内車輛のより一層の更なる
EV化や
ハイブリッド化,
水素化,等々を図り、まだ平時の今のうちから石油への依存度を予め可能な限りに下げておくべきです。

併せて、原発依存からも脱却すべきです。
今般のウクライナ侵略でのロシア軍による
チェルノブイリ原発や
ザポリージャ原発への攻撃でも判る通り、ロシアは原発や原子力施設への攻撃を全く躊躇しません。
「原発が攻撃される筈が無い」などという甘い考えは、もはやそれは虚しい幻想にしか過ぎません。プーチンによって、国際常識のフェイズは既に変えられてしまったのです。
新潟を攻撃されたら
首都圏大停電、若狭湾の原発銀座が攻撃されたら
関西圏ブラックアウト、などという状況では、都市として脆すぎます。
そんなことでは、自衛隊の正面装備がどんなに立派で見栄えがしても、いざと言う時には民心が動揺してしまいます。
原発依存から脱却し、自然エネルギー等の発電や蓄電等の新技術を活用して
分散型発電を広め、
電力の地産地消の比率を平時の今のうちから高めておくべきです。
もし今後も本当に原発を日本海側でも稼動させるつもりなのであれば、敵国の砲爆撃にも充分に耐えられるだけのイスラエル製の『
アイアンドーム』のような防空システムの設置の他に、併せて敵国の死兵や空挺部隊による奇襲攻撃を排除できるだけの警察の特殊部隊や陸自の戦車機動部隊を相当数の規模で原発に常時貼り付けておくべきです。
退役予定の74式戦車は退役させずに、原発警備に貼り付けるべきと考えます。
それらの点まで含めて考えると、日本海側の原発は、もはや全く割に合わない発電方法にも思えます。

また、トリガー条項は解除すべきです。
プーチンのスパイのような自称“保守政治家”が与党内にすらも少なからず跋扈する今の状況にあっては、
トリガー条項の凍結くらいは解除できないと、政府の本気度が国民の側には伝わらないからです。
庶民の側にばかりに痛みを押し付けるその一方で、既得権益層の上級国民達だけで
石油利権や
原発利権や
防衛利権の甘い汁に与かろうとしているのではないか?という疑念が生じるからです。そこをロシアのプロパガンダにつけ込まれる未来図が露骨に見え見えだからです。
その際には、国内の自称「保守」なロシアのスパイ達も少なからず内部から呼応することでしょう。本当に、クソ馬鹿ゲスい限りです。

食料自給率を上げる。
侵略戦争を被った場合の長期戦による
海上封鎖に備えて、平時の今のうちから
食料自給率を少しずつでも向上させて行くべきと考えます。
防衛費を倍増させて外国の外人を何億人と殺せた所で、一億国民を餓死させてしまったら、何の意味も無いからです。
コメ食の比率を上げて、コメの生産量も上げて行くべきです。併せてコメの輸出も図るべきです。もって日本の
食糧戦略の1つと為すべきかと考えます。
小麦についても、最低限の一定量は国内でも生産すべきと考えます。輸入小麦との価格差においては赤字が生じますが、少量なら公費からの損失補填も決して厭うべきではないと考えます。

鹿肉,鯨肉の活用を図る。
長期に渡って海上封鎖をされた場合には、鹿肉は日本人の貴重なたんぱく源にもなり得ることでしょう。
平時の今のうちに一般消費者への流通網を早急に確立しておくべきかと考えます。
ハンターによる狩猟以外にも、交通事故や鉄道事故で亡くなる鹿についても、その鹿肉は可能であれば火葬にせずに活用すべきか?とも考えます。
岸に打ち上げられて亡くなった鯨についても、近年では欧米の反応を気にしてか埋葬にしてしまうことも多いようですが、大昔のようにその鯨肉は可能な限り活用すべきか?とも考えます。
日本近海の鯨漁についても、他の鯨肉文化の国々とも連携して、国際社会にも広く認めさせて行くべきかと考えます。
・・・・・てゆーか、鯨が増える分だけ鮪が減っているよーな気がする。

鉄道による貨物輸送網を維持する。
近年では平時でもトラックドライバーが不足気味ではありますが、有事の際にはトラドラは更に不足するだろうことが予想できます。
食料や肥料,燃料等の長距離輸送は鉄道による貨物輸送にモーダルシフトさせて、平時の今のうちからトラドラ不足に備えるべきかと考えます。
新幹線についても、キャパシティに余裕のある路線(北海道,新潟,北陸,等)については、荷物輸送の充実を図るべきと考えます。
新幹線の場合には、魚介類の冷凍輸送に特に適しているかと思います。
貨物輸送の維持については、その損失補填分については、安全保障費の一環として計上しても良いのではないか?ともごく個人的には思えます。鉄道輸送は日本でも西南戦争の昔から兵站の大事な手段だからです。

攻撃型空母よりもイージス機能の充実を
対潜哨戒用の
ヘリ空母なら兎も角として、戦闘攻撃機を洋上で運用する
攻撃型空母については、
専守防衛の現日本国には相応しくはありません。
また、攻撃型空母はカネ喰い虫な割には象徴的すぎて狙われやすく、もしも沈められた場合には、精神的,ムード的,財政的なダメージが大き過ぎます。
護衛艦隊の直掩防空は、艦隊のイージス機能の向上で備えるべきかと考えます。
海自の護衛艦隊は空自や米第7艦隊の縄張りの下で活動すれば良いのであって、空自には
F-15Jイーグル戦闘機並みに足の長い防空戦闘機こそが今後も新たに導入されるべきだと考えます。
もし仮に本格的な攻撃型空母を本当に運用するのなら、1隻や2隻では象徴としての意味合いしか無い上に狙われやすく、まるで数が足りないでしょう。
陸軍国のフランスなら1隻,周囲を同盟国に囲まれたイギリスなら2隻でも良いのかも知れませんが、
朝中露に隣接した海洋国家の日本が本当の意味で攻撃型空母を運用するのなら、最低でも3隻か4隻前後は必要になるでしょう。
アメリカで再び政権が変われば、米帝の中東への侵略戦争にむざむざと駆り出されるだけのシロモノにだってなりかねません。それでは日本の防衛には何の役にも立ちません。極めて効率の悪い防衛装備品にもなることでしょう。
円安と
財政赤字と
ゼロ成長経済の今の日本に、一体何処にそんなカネがあるのでしょうか?空母を持てば、 消費税を今の3倍にした所で、今に「まるでカネが足りない」という事態にだってなり得るでしょう。
攻撃型空母を持つことについては、少なくとも個人的には、経済的,財政的な合理性が全く感じられません。
今は護衛艦隊のイージス機能の向上をこそ地道に図るべきかと考えます。

空母よりも病院船を
災害の多発する今とこれからの時代にあっては、攻撃型空母よりも
病院船の導入こそを優先的に図るべきです。
海上保安庁の管轄にしても良いのかも知れませんが、所属する医官等の数を踏まえれば、防衛医官の増員と活用も併せて図るべきか?とも考えます。

敵基地攻撃能力や核武装よりも、ミサイル防空網の充実を
近頃では『
敵基地攻撃能力』を『
反撃能力』と言い方を変えたようですが、率直に言ってコソクに感じます。
撃たれそーだからと言って、予め先に『反撃』能力を行使したら、それでは『先制攻撃』能力になってしまいます。
反撃能力の前に、まずその以前に
ミサイル防衛網の充実こそが先決であると考えます。
敵の第一撃に対しては、国民や国家が守れなくては、『反撃能力』など無意味です。
敵の第一撃に対しては、国民や国家が持ちこたえてこそ、その後の『反撃能力』にはじめて意味があるからです。
国民あっての国家であり、民草が絶滅してから反撃しても、手遅れだからです。
「ならば反撃の前に先制攻撃を」などという発想に陥ってしまったら、国際社会は
無限の軍拡競争に陥ってしまいます。
経済成長率が実質ゼロ%台とか、ともすればマイナス成長な今の日本には、無限の軍拡競争に勝てるだけの経済的な裏付けがありません。
スタグフレーションと
封建主義経済への回帰傾向のある今の日本経済では、この無限の軍拡競争には勝てないでしょう。
結局の所は、軍拡競争に負けそうな側の国が、軍拡競争にまだ負けていないうちに先制攻撃に踏み切ることにもなります。それでは人間社会には破滅的な未来しかありません。
『反撃能力』などと言いながら、要するに「△゛カウ政治屋どもは『先制攻撃』がしたいんだろ!?」,「
戦争利権を独占して自分達だけで肥え太りたいんだろ!?」と言う疑念がぬぐえません。ましてや、△゛カウが核武装とかって、ナントカに刃物です。それではプーチンや北鮮と同じです。
プーチン体制の今のロシアが
スターリン回帰を果たしたからと言って、今の日本国までもが旧日帝末期に回帰してはならないのです。
プーチンのウクライナ侵略による国民の不安に付け込んで、旧来からの軍拡を叫ぶ勢力に
全体主義を煽られてはならないのです。
プーチンのスパイのような自称“保守”の政治屋どもや「プーチンと同じ夢を見ている」奴らは全く信用できません。
「ロシアに攻められたんだから、ウクライナは早く降伏しろ」とか「ロシアの侵略に抵抗するから犠牲が増えるんだ。早く降伏しろ」とか,或いは「プーチンと同じ夢を見てる」とか、などと公言して憚らないプーチンのスパイのような自称“保守”な政治屋たちが、『反撃能力』とか『防衛費倍増』などと正面装備費の増額ばかりを主張しても全く信用できません。
どうせ降伏するつもりなら、『反撃能力』とか『防衛費の倍増』とかなどと、全くの支離滅裂で意味不明だからです。
・・・・・個人的に思いつく範囲内の例(と言うか希望)としては、だいたいそんな感じでありす。
これ以上は長くなるし、切りが無いので、今回はもぉこのくらいで止めておきます。
長々とスミマセンでした。
防衛費を倍増させると言うのなら、正面装備ではなくて予期せぬ望まぬ本土長期防衛戦に備えて、
兵站や
補給,
資源の国内確保にこそ使われるべきです。
兵站を疎かにした軍隊の悪例は、大戦中の日帝陸軍の例を持ち出すまでもなく、現に今もロシア軍がプーチンによって実証させられている所でもあります。
今のこの教訓を生かすのなら、正面装備よりも民生面をも含めた国内での資源確保や幅広いインフラの強靭化をこそ図るべきです。
以上のような理由により、単純な正面装備費の倍増には反対です。正面装備にばかり拘り過ぎれば、短期戦では善戦できても、長期戦には脆いからです。
防衛費のGDP比2%台への倍増にはNATO加盟国の基準に合わせる目的があるのかとは思いますが、自衛隊以外の諸々の安全保障費を含めて安全保障関連費として計上すれば、計算のし方次第では現状でもGDP比で2%近くには達しているのではないでしょうか?
今般の『ウクライナ難民』を『避難民』と言い換えたように、言い方を変え,数字を調整する能力は日本の
官僚・官界の得意技とする所です。官界が本気を出せば、その辺りの所は「何とかなる」というよりも「どうとでも出来る」ことでしょう。良くも悪くも、日本の官僚・官界のその辺りの手腕には、大いに期待の持てる所だと思います。
自衛隊の正面装備費だけを殊更に倍増させる必要など無いのではないか?と考えます。正面装備費の安直な倍増案なら反対です。
正面装備費の単純な倍増ではなく、国内インフラの強靭化こそを心掛けるべきと考えます。
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