先日触れた『
交渉人 真下正義』に続いて『
容疑者 室井慎次』もDVDで借りて観た。 ・・・渋い、渋いっス!
『
踊る大捜査線』シリーズ全体にある軽快なリズムが殆どなく、重厚さや渋みが滲み出ているっス。
『交渉人 真下正義』には派手なドンパチもありましたが、この『容疑者 室井慎次』には派手なアクションなどは殆どなく、人間劇に終始するっス。
主人公のキャラが違うからかも知れませんが、今までの『踊る』シリーズとはちょっと毛色が違うと思います。
この作品は
役人の世界“
官界”の不条理を理解していないと、渋みが伝わらないのかも知れません。
世間一般の常識や感覚では、「なぜ同じ公務員なのに
キャリアと
ノンキャリが、あんなにも断絶してるのか?」,「 なぜ同じキャリア公務員なのに
東大閥と
それ以外の大学出身者とでは、あんなにも出世へのアドバンテージが違うのか?」…等々の事情が、なかなか理解し難い不条理だと思います。
そんな不条理に満ちた官界の生々しい実情を踏まえた上で観ると、この作品の渋みが伝わって来るのではないでせうか?
それでも、「実際にはこの映画ほどはには大袈裟ではないだろう」とは個人的にも信じたいのですが…。
作中にある警視庁と警察庁との出世を巡る派閥争いや足の引っ張り合いって、似たよーなことは何処の世界や業界にも実際にありそーだしね。
また、職務に対して真面目な人が出世しにくくて(例えば室井慎次)、上への胡麻スリにマメな人が出世しやすいのは、まぁ一部の役所に限ったことではないのでせうが。
それにしても、あの弁護士(
灰島秀樹)や
公安のあの動きには、さすがにファンタジーも入ってるかとは思いますが、そこは娯楽作品なんだから、それはそれ。^^;
おいらは面白かったっス。



ただし、『踊る』ファンの方であっても、アクションにカタルシスを求める人には、この映画『容疑者 室井慎次』はあまり向かないでせう。
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