先日『
機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』(全3冊)を読了した。映画『
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下『
逆シャア』)のノベライズ版。おいらは面白かった。


おいらが読んだのは2002年
(平成14年)に出版された再販版の方ですが、1988年
(昭和63年)版当初の
星野之宣氏のイラストも(全部ではないようですが)掲載されているのが嬉しい。
ノベライズ版とは言っても、それは後半部分であって、前半部分は映画版では省略されております。
『逆シャア』は冒頭からいきなり物語の核心に入って行く映画ですが、それはこの省略された前半部分があってのことなのでしょう。
それらも含めて読み込むと、映画版での各キャラごとの台詞の意図がより深く理解できて面白い。『逆シャア』シンパには超お薦め。
映画『逆シャア』のノベライズ版には2通りあり、1つは
角川書店版の『
ベルトーチカ・チルドレン』(以下『
ベルチル』)、もう1つが
徳間書店版の『
ハイ・ストリーマー』。
おいらは『ベルチル』の方はかなり昔に読了済みでした。『ベルチル』は今でも大概の本屋で見かけますが、『ハイ・ストリーマー』の方はなかなか見つからないようです。版元の営業力とかの違いなのでしょうか?
今回はたまたま店頭で見つけたので入手出来ました。
それぞれのノベライズ版の解説を読むと、台本的には『ベルチル』が『逆シャア』の最初の原型に近くて、『ハイ・ストリーマー』が『
アニメージュ』(以下『
メージュ』)で連載されたのはそれよりも後のことのようです。
『逆シャア』映画版が1988年
(昭和63年)春の公開で『メージュ』の連載が1987年
(昭和62年)5月から88年4月までらしいので、それ以前には『ベルチル』は書き上がっていたことになります。
だとしたら、おそらくは『
機動戦士ガンダムΖΖ(ダブル・ゼータ)』(以下『
ΖΖ』)の放映中(1986年3月〜87年1月)の頃から既に『逆シャア』の構想は練られていたのではないでしょうか。
だから『ΖΖ』アニメ版では、次回作にあたる『逆シャア』の物語進行を妨げさせないために、
シャアと
アムロをキャラ的に封印させていたのかも? と思わず邪推してしまいます。(ちなみに『ΖΖ』放送終了の頃に発刊された
小説版『ΖΖ』の
2巻には
アムロ・レイが登場しております。もうその頃には『ベルチル』の構想が固まっていたのではないかと。)
両方の小説をそれぞれの独立した作品として比較して読んで見ると、『ベルチル』の方は映画版『逆シャア』のノベライズに特化していて完結しているのに対して、『ハイ・ストリーマー』の方は映画版の『逆シャア』以前から物語が始まって『
閃光のハサウェイ』に続くべく余韻を残した終わり方をしているようにも感じられます。
シナリオ的には『ハイ・ストリーマー』の方がより映画版に近く、対して『ベルチル』の方は当初の作者の意図がより濃く反映されている作品になっているのではないでしょうか。
いずれにしても『逆シャア』シンパにはどちらもお薦め、かと思います。
『閃光のハサウェイ』(全3巻)は個人的にはかなり昔に読了済みなので、これでようやく『ガイア・ギア』(全5巻)に読み進むことが出来るっス。…でも『ガイア・ギア』も最近は本屋でもあまり見かけないよ。
『ハイ・ストリーマー』自体についての感想はもう長くなったので、また
今度。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』についても、本日はもう長くなったので、また今度。
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