思う所があってこの正月に眉村卓の『
なぞの転校生』を読みました。
題名は知っていましたが今まで一度も読んだことが無く、どんな内容かは全く知りませんでした。
いや面白かったっス。一言でゆーと異次元人の話っスね。
読みやすくて短くて漢字も少ないので小学生でも5,6年生くらいなら問題なく読めそうです。
SFなので頭の固い大人達は顔をしかめるかと思いますが、子供向きの読み物としても大変に優れていると感じました。
子供にも大いに薦められる本ではないでしょうか。(もちろん大人にも)
テーマ的には終末戦争に対する警告が主なのか?と思いきや、それとはまた別のテーマも後半から終盤にかけて描かれているようにも感じます。
理想郷って“どこかにあるもの”ではなく、“どこかで自らが築くもの”であり、その「どこか」とは恐らくは“今ここで”と言うことなのだろう、とD-15世界の住人としては思わされてしまいます。
地獄を見て来た転校生の物語にしては、希望の持てる前向きなラストではないでしょうか。
読んだことのある人は多いでしょうが、未だ読んでない人にはちょっとお薦め。
個人的には何故こんな有名な本を子供の頃に読まなかったんだろう? とやや後悔ぎみです。
そうそう、おいらの読んだ角川文庫版は巻末の解説が故手塚治虫先生だったよ。

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