『
劇場版 涼宮ハルヒの消失』を観た流れで『
涼宮ハルヒの陰謀』を再読したので、この機会に改めて以下、感想を少々。
この『
陰謀』は、『
消失』の決着編でもある『プロローグ』の章(約50頁)を除いても、今の所“涼宮ハルヒ”シリーズで最長の巻であります。
(時間軸としては、『プロローグ』の章と『第一章』の間に、『動揺』収録の短編『朝比奈みくるの憂鬱』が入ります。)
『陰謀』は、『プロローグ』の章が1月2日から節分まで、本編が節分後から2月半ばまでの展開で、ちょうど今くらいの時期の話です。
8日後の未来から来た
朝比奈みくる(仮称:
朝比奈みちる)が、未来からの指令に従い細かい地味な作業をキョンとともにこなして行きます
(しかも8日前の現在の自分に気付かれないように)が・・・、隠されたもう1つの重大な使命を果たすことになる、と言う内容の物語。
ちょっと違うかも知れないけど、涼宮ハルヒ版『時をかける少女』 って感じ?
語り部であり主人公でもある
キョンが『
憂鬱』や『
消失』で選択した今のこの世界とその未来を、『
陰謀』ではどうやらあまり肯定したくないらしい勢力が登場して来るようです。
『消失』の完全決着が付いて、ハルヒシリーズの新しい展開が始まる巻でもあると思います。
「
未来の操り人形」,「
過去人形」等々のワードは、今後の展開における1つの鍵にもなりそうな気がします。
『消失』が長門の物語ならば、この『陰謀』は朝比奈さんの物語でもあるかと思います。
キョンが刺されて倒れた現場を目撃してから、朝比奈みくるの内面は変わり始めたのだと思います。
また、『陰謀』での朝比奈さんは、キョンよりもずっと正確に長門の気持ちを察しているようです。
朝比奈さんが“今も昔も長門が苦手”なのは、キョンなんかよりもずっと長門の気持ちを正確に理解できているからではないでしょうか?
それとは別に、『
消失』の決着編でもある『
プロローグ』の章に限っての感想も少しだけ。
12月18日早朝の
朝倉は、
翌年の1月2日からタイムリープして来た
長門と物理接触した際に、1月2日時点での長門の心の内を全て察したのではないか?と個人的には感じました。
長門は1月2日の時点でも、内心では改変された世界の方を望んでいたのではないでょうか?
それでもなお、自らの使命を果たすために、自らの責任で自分の望んだもう1つの世界を閉じたのではないでしょうか?
しかしそれは、感情豊かに振舞う朝倉には(同情はし得ても)、決して理解はできなかったのではないでしょうか?
そんな心の内を長門は
キョンにも,或いは他の誰にも踏み込まれたくなかったのだと思えました。
それが、聡い
古泉が12月18日に連れて行ってもらえなかった理由の1つでもあったのだと思います。
ハルヒシリーズの長編には、今の所『憂鬱』『溜息』『消失』『陰謀』『分裂』とありますが、個人的な好みとしては、
『消失』>『憂鬱』>『陰謀』>『溜息』
・・・の順になります。
『分裂』については、それ自体では未だ物語が完結していないので、個人的には現時点での評価を保留中であります。
ちなみに、短編の個人的な好み順としては、
『暴走』,『動揺』>『退屈』,『憤慨』 ・・・と言う感じであります。
『
陰謀』は1月2日から2月の半ばまで、『
憤慨』は3月、『
分裂』は4月の話にあたります。
噂では今年は新刊の『
涼宮ハルヒの驚愕』が出るとの情報もあるようですが、それまでに『憤慨』,『分裂』もこの流れで再読しておこうかと思います。(^^)
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