こうの史代作の『
夕凪の街 桜の国』を物凄く今さらですが、おいらも読みました。
おいら的には『
はだしのゲン』よりも好みでした。
原爆を扱った
広島の作品にしては、大変に優しい美しい絵柄だと思います。
スクリーントーンや定規を敢えて使わない姿勢や、淡いカケアミに、絵柄の優しさが感じられます。
以下、個人的な5段階評価
お薦め度 6.0 以上 超お薦め。
多分この作品は、後の時代に残る名作になるんだと思います。
この物語の登場人物である
霞や
皆実や
京花のような症状って、申し訳ないのですが、関東人のおいらにとっては正直言ってある程度は他人事でありました。
少なくとも今までは。
しかし、悪い予感は当たらない方が良いのですが、
数年または数十年後に症状が現れる事態は、放射能漏れが止まらない今の厳しい現状においては、
今後の全ての日本人にとっては充分にあり得ることなのではないでしょうか?
たとえ仮に
ヒロシマが「もう既に終わった過去の出来事である」と仮定したとしても、
福島第一原発の放射能による症状は、これからの出来事なのではないのか?と激しい恐れを抱かずにはいられません。
この作品は震災前であっても作品自体が大変に素晴らしいので充分にお薦めな作品ですが、
震災後の放射能漏れが止まらない今の時代にあっては、尚のことお薦めだと思います。
せっかくなので映画版(2007年,
平成19年 公開)の方も併せてチェックしました。
前半の「
夕凪の街」は、昭和30年代をリアルでは知らない世代のおいらには、“『
ALWAYS 三丁目の夕日』の広島版”って感じでした。
後半の「
桜の国」では
マチャアキがいい味出してて面白かった。
原爆の惨状については、直接的な表現は殆どありませんでした。
その意味では視覚的にはそれほど怖い恐ろしい映画ではありません。
毒々しく恐ろしい映像表現が苦手な人でも安心して観られると思います、多分。
この映画版を観るのなら、原作を読んでからの方が面白いんじゃないかなぁ?という気もしました。
(気のせいかも知れませんが) 
この映画版についてのごく個人的な5段階評価としては、
面白さ 3.0 前後
お薦め度 4.5 前後
何気に地味に隠れた名作、っ感じ?
原作を読んだ人にはお薦めかと。
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